否定された理由とは? わかりやすく解説

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否定された理由

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:32 UTC 版)

赤穂事件」の記事における「否定された理由」の解説

持病浅野内匠頭3月11日未明勅使一行到着してから心身不調きたしており持病の痞(つかえ)が出たと『冷光君御伝記』にある。 立川昭二はこの痞は今で言う偏頭痛緊張性頭痛だろうと考察している。一方痞とは癪の事と解され中島陽一郎の『病気日本史によれば、癪は「胃痙攣神経性の胃痛心筋梗塞、慘出性肋膜炎胃癌後腹膜腫瘍脊髄骨腫瘍ヒステリーなどを含んでいる」と考えられる。 『江赤見聞記』によれば浅野内匠頭は「持病の痞のために行動対す抑制が利かなくなり刃傷及んだ」という趣旨の事を述べているが、痞が癪の事だとすれば、「痞が刃傷原因だとはとても信じられない」。宮澤誠一も、「痞」が精神発作起こしたという説を、「単なる推測の域を出ない」ものとしている。 また浅野内匠頭母の弟である内藤和泉守忠勝も延宝八年殺害事件起こしているため、浅野内匠頭刃傷起こしやすい血縁にあったという説があり、『徳川実紀』にも母方伯父(つまり内藤和泉守)が狂気のであった記しているが、この説は「そう考えれば考える事もできる」という程度のものである。しかも『徳川実紀』は江戸後期編纂されたもので、必ずしも当時の記録によったものではない。 仮にこうした持病説が正しいとしても、それは事件を及ぼす為の要因一つであってもそれだけ事件の原因を十分説明しきれるものではない。 塩の生産をめぐる対立 浅野内匠頭吉良上野介確執原因は、赤穂吉良地方における塩の製法販路問題対立があった事が原因とする説がある。 吉良地方古くから伝わる伝説によれば吉良上野介自身知行所塩田開発しようとして、塩の生産有名な赤穂藩隠密放った隠密赤穂藩捕らえられたが何とか逃げ帰り吉良領に赤穂入浜塩田技術伝えたという。 また昭和22年田村栄太郎書いた裏返し忠臣蔵』でも塩に関する対立説を扱っており、昭和29年には吉良出身の作家尾崎士郎随筆『きらのしお』でこの説を唱え、他にも海音寺潮五郎南條範夫もこの説に沿った本を出している。 史実において当時赤穂塩田技術全国リードしていたのは事実ではあるが、この技術決し秘密にされていたわけではない当時赤穂製塩技術瀬戸内海各地急速に広まっており、仙台藩塩業技術者依頼してきたときも赤穂藩はこれに応じており、吉良との間に塩業確執生まれるとは考え難い。 また赤穂の塩が主に大阪売られていたのに対し吉良産の「饗庭塩」は三河など東海方面売られており、販路商圏の点でも直接競合関係になかったとされるそもそも義央が刃傷事件遭遇した元禄14年以前開発され三河国幡豆郡塩田は本浜及び白浜のみで、このうち本浜塩田所在する吉田村甘縄藩松平領、白浜塩田所在する富好外新田村幕府領いずれも吉良領ではない。当然ながら吉良家歴史の中で塩作り行ったという記録は無い。 浅野内匠頭任官のときからの遺恨という説 『赤城盟伝』には「上野介宿意があるのは一朝一夕の事ではない。ずっと前からの事である」と書いてあり、この「ずっと前の宿意」が寛文11年浅野内匠頭将軍家綱にはじめてお目通りした際、その場にいた上野介内匠頭侮辱したものだとするもの。『赤穂記』にこの説が書いてあるが、寛文11年段階では内匠頭5歳であり、この説には信憑性がない。 衆道に関する怨恨 浅野内匠頭お気に入り美し小姓日比谷右近吉良上野介懇望したが、断られたため確執ができたという説。 『誠忠武艦』という「幕末成立した赤穂事件経緯真偽交ぜてのべた」文献にこの説がでている。また『正史伝いろは文庫』の十三回にも同じ話が載っている。 しかし福本日南は「吉良上野介61歳白髪翁、最早若い衆争いでもあるまい」としている。 茶器に関する怨恨 浅野家伝来の「狂言袴」という茶入れ吉良欲しがったが、断られたため確執ができたとする説。 これは「余程後世になっていい出された説」で、高山内の元禄快挙義士真相』に載っている。 一休書画鑑定に関する怨恨 浅野内匠頭吉良茶会出会い山田宗徧持ってきた一軸吉良が「一休真筆だ」といったところ、内匠頭そうでない証拠出して吉良をやり込めたので、確執ができたとする説。 実録本の『赤穂精義参考内侍所』に載っている説である。 しかしこの話は史料には見当たらず、しかも浅野内匠頭吉良茶会平素から交流があったとしており、事実とは考えにくい。 内匠頭謡曲 明治末期著された小野利教の『赤穂義士真実談』にでている話。 元禄13年内匠頭謡曲熊野舞ったところ、上野介から「クセよくない」と非難受けた事を内匠頭が根に持ったとするもの。これも一休書画と同じ理由信憑性がない。また、浅野長矩は能が大嫌いとされるが、『琴の爪』は架空女性登場する創作である。

※この「否定された理由」の解説は、「赤穂事件」の解説の一部です。
「否定された理由」を含む「赤穂事件」の記事については、「赤穂事件」の概要を参照ください。

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