合併両社の規格差とは? わかりやすく解説

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合併両社の規格差

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/09 15:56 UTC 版)

山陽電気鉄道の旧型電車」の記事における「合併両社の規格差」の解説

山陽電気鉄道は、もともと旧・兵庫電気軌道(兵電)に由来する兵庫駅 - 明石駅鉄道省明石駅とは別の場所)間の軌道と、その系列会社であった旧・神姫路電気鉄道神姫電鉄)に由来する明石駅前駅現在の山陽明石駅) - 姫路駅前駅現在の山陽姫路駅)間の鉄道母体としている。 旧兵庫電軌区間軌道法による特許線で実際に併用軌道主体として建設され直流600V電化で急曲線の低規格であった風致地区である須磨周辺の住民反対等も影響し一説には松の木避けて線形決定され区間があるという。 一方神姫電鉄区間は、技師長の渡米視察成果受けて当初より本格的な都市高速電気鉄道として建設され直線主体良好な線形備え路線であった。しかも、電化設備については効率良い架線電圧1,500Vの直流電化とし、架線はシンプルカテナリを当初より採用架線支え架線鉄塔基本とするなど、当時アメリカインターアーバン最新トレンド導入しており、中でも特に直流1,500V電化1923年電化された大阪鉄道(現・近鉄南大阪線他の前身)に次いで日本国内2番目、新規開業路線では日本初という意欲的措置であった。 もっとも、それ故開業時準備され1形電車については、電装品がほぼ全てゼネラル・エレクトリックGE)社製、台車ボールドウィンBW)社製、ブレーキGE社製、と当時アメリカインタアーバン向けとしてはほぼ最新鋭の高級品が輸入変電所設備全て輸入品であった)されており、車両各部国産化進んだこの時代には珍しく川崎造船所が手がけた車体以外はことごとくアメリカ製であったまた、集電装置についても1,500V電化先行した大阪鉄道パンタグラフ集電選択していたにもかかわらず、元々高速運転を前提計画され線形直線主体でかなり良くトロリーポール離線する心配がなかったためもあってか、GE社トロリーポール搭載されており、この結果神姫電鉄線は日本国内では史上唯一のポール集電による直流1,500V電化路線となったこのような両社線の極端な規格差異は、合併後後々まで尾を引いたこのため直通運転開始にあたっては、旧兵電規格小さな車両限界クリアする小型車体で、600V - 1,500V複電圧切り替え機能搭載した専用車5176形(初代))を製造せねばならなかった。 なお、開業時15揃えられた神姫1形全車51形第一陣にその主要機器提供して廃車されたが、旧車体のうち、9両分当時宇治川電気傘下にあった近江鉄道電化に際して譲渡され、主要機器新造の上同社モハ1 - 9として再起し、残る6両分1942年に2.74mあった車体幅を唐竹割りにして2.4mに寸法詰めた上で再度組み立てられ手持ち台車などを組み合わせて76形(2代目)制御車として再就役しており、一まとまり車両としては寿命が約4年と非常に短命であったが、各構成機器車体そのものは姿を変えつつ全て無駄なく活用されている。 明石を境にあまりに異なる両区間規格統一作業戦前から地道に進められていたが、大戦後予想外事態によって一気実現されることとなった1947年になって戦中明石工場焼失等による稼働車数激減への緊急対策として、運輸省からモハ63形割り当て供給認められ、この20m級超大型車が800形というモハ63形としての形式番号から63省略しただけの番号与えられて(後に700形改番された)一気20導入されのである。この形式建設当時から高規格入線当たって地上設備の手直し必要性少なかった電鉄姫路駅 - 電鉄飾磨駅 - 電鉄網干駅方面より順に導入されたが、神戸寄り区間についても施設改良架線電圧昇圧などの措置順次行われたことでほどなく直通が可能となった。この結果全線施設建築限界架線電圧統一、それに全車両の集電装置パンタグラフ化が果たされた。 もっとも、端子電圧750V時の一時間定格出力が140kWにもなる強力主電動機(MT40)を4基搭載ということ当時山陽電鉄保有していた脆弱な変電所ではその負荷激増に耐えられず、800形直通運転開始後も変電所増強完了までは直列つなぎ限定使用されていた。

※この「合併両社の規格差」の解説は、「山陽電気鉄道の旧型電車」の解説の一部です。
「合併両社の規格差」を含む「山陽電気鉄道の旧型電車」の記事については、「山陽電気鉄道の旧型電車」の概要を参照ください。

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