北方ルネサンス美術とは? わかりやすく解説

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北方ルネサンス美術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 18:17 UTC 版)

西洋美術史」の記事における「北方ルネサンス美術」の解説

詳細は「北方ルネサンス」を参照 ドイツデューラーは、15世紀末から16世紀初頭にかけて行った二度イタリア旅行通してルネサンス美術様式理念習得し人体表現空間表現において理想とされる技法様式ドイツ絵画移入しようと試みた。この成果木版画分野において、ドイツ伝統的な表出性とイタリア記念碑性を融合させて制作された『黙示録連作』で体現されている。銅版画分野ではエングレービング技法極め、『メランコリア I』や『アダムとエヴァ』といった人文主義的内容作品理想的裸体像を持った作品制作しルネサンス母国イタリアへ大きな影響与えたまた、油彩画では『4人の使徒』が代表的な作品として知られている。その他、『人体均衡論』などの著述にも注力し、後世芸術家大きな影響与えた線描主体であったデューラーとは対照的に色彩表現長けていたマティアス・グリューネヴァルトは『イーゼンハイム祭壇画』などを制作しゴシック末期美術幻想性継承した特徴内包している。また、クラーナハ(父)はドイツの森舞台として古代神話の主題表現したことで知られている。『ドナウ風景』は西洋美術史初め具体的な実景人間存在抜きで描いた画期的な作品として特筆される1517年マルティン・ルターによって宗教改革機運が高まると美術活動にも深刻な影響与え宗教美術否定的に見られるうになるホルバイン(子)ら宗教画家として活動していた者は次第肖像画家宮廷画家へと転向していった。 フランスでは1494年イタリア遠征ルネサンス美術触れたシャルル8世によって多く建築家招聘され王室主導の下建築中心としたフランスルネサンスが開花するフランソワ1世時代にはロワール川流域城館改修実施されゴシック建築伝統イタリアルネサンス特色融合され建築物多数登場したまた、1520年代末にはフォンテーヌブロー城館の改装始められロッソ・フィオレンティーノフランチェスコ・プリマティッチオらを招いて内部装飾を手がけさせた。ここから誕生したイタリアマニエリスム体現したロッソらの作品は、フォンテーヌブロー派呼ばれる宮廷美術様式生み出す契機になった。その他、ドイツホルバイン(子)に共通する精緻な様式確立させたジャン・クルーエ(英語版)、フランソワ・クルーエ父子や、チェッリーニ影響を受けつつもフランス独自のルネサンス彫刻誕生させたジャン・グージョンなどがいる。 他方ネーデルラント絵画美術15世紀段階成熟し油彩技法写実的表現においてイタリア影響与える側であったが、盛期ルネサンス迎えて以降立場逆転しイタリア美術古典古代美術手本として仰ぐようになった16世紀初頭活動したクエンティン・マサイス画風にはレオナルドスフマート影響見て取れヤン・ホッサールト古代彫刻裸体像を描き出している。また、ベルナールト・ファン・オルレイ数学的遠近法短縮法、複雑な運動表現ネーデルラント美術取り入れた画家として重要である。こうした15世紀ネーデルラント精緻な様式からの脱却と、ルネサンス壮大な様式への推進を行う者を総じてロマニスト」と呼びこうした傾向自体16世紀ネーデルラント絵画の特徴ひとつとして挙げられる肖像画においてはアントニス・モル国際的な活躍果たした同時にネーデルラント北部美術活動活性化大きく貢献したデューラー影響を受けつつも精緻な銅版画制作したルーカス・ファン・レイデンなどは北部活躍した代表的な美術家一人である。さらに、1524年ローマからユトレヒト戻ったヤン・ファン・スコーレル影響によってロマニスト活動北部へも浸透していった。16世紀後半にはプロテスタント聖像破壊運動などによる宗教的政治的騒乱美術活動発展妨げたが、16世紀末に登場したコルネリス・ファン・ハールレムヘンドリック・ホルツィウスらの活躍により、プラハ並んでハールレム国際マニエリスム中心地として栄えた16世紀ネーデルラント絵画もう一つ特徴としては風俗画風景画静物画自立挙げられるカタリナ・ファン・ヘメッセンおよびピーテル・アールツェン嚆矢とするこの傾向は、16世紀初頭ヨアヒム・パティニールによって大きく前進を見る。パティニールは観察空想から合成され俯瞰図中に宗教主題人物点景として描き表し人物背景関係性逆転成功している。その後ピーテル・ブリューゲルによってこの様式は完成され後世多大な影響残した。『雪中の狩人』はその代表的な作品のひとつである。

※この「北方ルネサンス美術」の解説は、「西洋美術史」の解説の一部です。
「北方ルネサンス美術」を含む「西洋美術史」の記事については、「西洋美術史」の概要を参照ください。

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