北富士演習場問題とは? わかりやすく解説

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北富士演習場問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 23:19 UTC 版)

北富士演習場」の記事における「北富士演習場問題」の解説

天野久#北富士演習場問題の顕在化」も参照 江戸時代から入会地として使われていた同地明治初期官営地とされて以降忍野村農民らは国を相手入会地求めて闘争続けており、戦前には一定の入会権黙認されていた。 戦後演習場米軍接収されると、現地では砲弾飛び交い樹木標的とされ、売春婦跋扈するなど状況悪化した。これに対してアメリカ人に生活を乱され生計立てる途を失うことを懸念した忍野村農民らは、1947年入会権を守るための宣言をして、米軍闘争挑んだ具体的に実弾射撃が行われている演習場侵入して着弾地に座り込み排除されそうになる地形利用して逃亡するというゲリラ的抵抗であった日本への返還後も米軍による演習続けられており、入会地からの収入減り生計維持するために男性たちが出稼ぎに出ざるを得なくなったことから、忍野村農家女性らが1960年6月に「忍草母の会」を結成会長渡辺喜美江)。「土は万年、金はいっとき」を合言葉に、入会権等を巡って反対運動行った。 「忍草母の会」は千葉県成田空港巡り日本国政府争っている三里塚芝山連合空港反対同盟とも交流して三里塚闘争大きな影響与えており、「母なる闘争」と呼ばれる富士北麓駆け巡り小屋を建て、地面に穴を掘って立て籠もり立ち木によじ登ってしがみつく忍草闘争スタイルは、警察との激し衝突生じた強制代執行阻止闘争をはじめ三里塚受け継がれた。両者交流は、1967年9月会員成田現地での「三里塚空港粉砕婦人のつどい」に参加したことから始まった1968年6月には、「北富士」と「三里塚」の連携企図する中核派が、戸村一作空港反対同盟代表を伴って富士現地闘争初参加している。 「忍草母の会」は当初入会地などの民事権利主張していたが、中核派介入受けて次第に「反戦・反基地反自衛隊」などの政治的課題標榜するようになった1967年12月には「全学連反戦現地総本部」が設置されている。中核派系動労千葉とも共闘関係にあったベトナム戦争に際しては、密林覆われ起伏の多い沖縄訓練場よりも使い勝手良い富士山麓演習場激し米軍訓練が行われるようになる。1970年夏頃からキャンプ富士周辺では強盗交通事故白人兵と黒人兵との喧嘩などが続出し憲兵常駐するうになる1970年11月5日には、防衛施設庁長官から在日米軍司令部対し射程実弾演習取りやめるよう要請が行われ、一時的に演習規模一部縮小実現したが、地域農民らは着弾付近に妨害工作として茅葺小屋建てるなどの抵抗続けたこの頃には左翼運動カウンターとして右翼団体現地一帯出入りするようになっており、小屋発見した右翼防衛施設庁先駆け破壊する行為見られた。1971年2月には105ミリ榴弾砲発射反対する地元農民によるゲリラ活動が行われ、同時期に行われた成田空港予定地の代執行とともに連日報道された。 1988年1月22日横浜防衛施設局(現・南関東防衛局幹部宅が、1989年9月3日山梨県北富士演習場対策室長宅が、それぞれ放火されている。1993年4月26日には、中核派住宅2軒を放火。うち1軒は北富士演習場対策協議会理事自宅であり、もう1軒も北富士演習場対策協議会会長以前居住していたものであるが事件当時別人住んでおり、攻撃対象取り違えたものとみられる。 「忍草母の会」は結成から半世紀の時を経て活動続けていたが、現在は高齢となった会員死去により活動停止している。

※この「北富士演習場問題」の解説は、「北富士演習場」の解説の一部です。
「北富士演習場問題」を含む「北富士演習場」の記事については、「北富士演習場」の概要を参照ください。

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