作中の架空の術語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/03 08:43 UTC 版)
「アンドロメダ病原体」の記事における「作中の架空の術語」の解説
スクープ計画 いわゆるNBC(ABC)兵器開発の一環として、人工衛星を用いて大気圏上層から未知の病原体のサンプルを回収し、生物兵器開発に利用しようという一種のサンプルリターン計画。計画はトーマス・スパークス少将率いるアメリカ陸軍生物化学戦研究所によって開始され、1963年にカリフォルニア工科大学ジェット推進研究所に移管された。本編以前の1966年から1967年にかけてスクープ1号から6号までの6機の衛星が打ち上げられ、うち2号と3号は大気圏突入中に焼失、1号と4号から6号までは回収に成功したが、サンプルリターンに成功したのは6号のみで、それも無害な球桿菌のみだった。 アンドロメダ菌株 1967年2月5日に打ち上げられたスクープ7号が回収した未知の病原体。 ワイルドファイア計画 有害地球外生物(微生物)による地球の汚染に対応し、そのために隔離環境下で地球外生物の調査・分析を可能とすることを目的とした研究計画。NASAとAMCが所管している。元はストーンが1963年に開始した非公式な専門家会議であり、1964年に公式委員会に昇格。アメリカ国防省の優先研究計画となり、1965年1月にはワイルドファイア計画遂行のための秘密機関が大統領命令によって設置されている。 ワイルドファイア警報 地球外生物による生物学的緊急事態が発生した際に発令される警報。これが発令されるとストーンら5名からなるワイルドファイア警戒態勢チームが召集されることになる。 ワイルドファイア研究所 ワイルドファイア計画によってネヴァダ州北西部のフラットロックに秘密裏に設置された研究所。建造は1965年から1966年にかけてゼネラル・ダイナミック社電動船部門によって行われた。 地下に建造された円筒形の多層構造研究所であり、エレベーターや供給ユニットが内蔵された中央空洞(セントラル・コア)を囲んで、5つの階層(レベル)が設けられている。各レベル間を移動する際には必ず消毒と検疫隔離を受けねばならず、その度合いはレベルが下がるほどに厳重になる。研究所内部には生化学・病理学・微生物学・薬理学などの実験室を始めとして、資料分析用の複合コンピュータ、実験動物の中央飼育室や対汚染用のシェルター、休養・娯楽区画や手術設備などが設けられているほか、研究所が汚染された際に用いる核自爆装置が備えられている。なお、表向きはアメリカ農務省の砂漠緑化試験場に偽装されており、地上部分は実際に農業試験場として機能している。 指令7-12号 ワイルドファイア計画の一段階として規定された、生物学的緊急事態に発せられる指令。コードネームは〈焼灼〉。地球外生物による疫病のそれ以上の蔓延を予防するために、地球外生物に汚染された区域に対して局地用熱核兵器を使用し、核爆発によって生じる超高温で地球外生物を死滅させるもの。核爆発が国際社会にもたらす影響の強さを考慮して、発動の決定権は大統領が有している。 オッドマン仮説 作品内で登場した理論。任意の研究・作業等を行うグループを編成する時に、専門外の人間を1人加えることによって、より効果的な結果が得られるというもの。その専門外の人間をオッドマン(半端者)と呼称している。本作では、この仮説のひとつである「男性の独身者が核制御の意思決定に向いている」という調査結果を支持した政府の上層部が、施設の核自爆装置の制御を民間人に託す代わりにそのメンバーを男性の独身者とするよう条件に挙げたことになっている。当初、ワイルドファイア側は細菌の研究に必要な内科医からメンバーを選ぶことを希望していたが、条件を満たす独身男性の内科医がいなかったことから、やむなく外科医のホールを選んだ。 カロシン ジェンセン製薬会社によって1965年春に開発された抗生物質。実験名はUJ44759WもしくはK-9。体内に存在するあらゆる単細胞生物およびウイルスを破壊する一方、複数の細胞からなる体組織には一切影響を及ぼさない選択性を持つ「万能抗生物質」である。実験動物に対する投与試験では問題が生じなかったため、1966年2月に40名の被験者に対する第一回臨床投与実験が行われたが、カロシンが被験者の体内環境を破壊したことによって被験者の免疫機構が働かなくなり、後天性免疫不全症候群となり、投与終了後に被験者全員が未知の病気によって死亡した。このカロシン事件を受けてジェンセン社はカロシンの開発を中止し、アメリカ政府はカロシンに関する情報公開と実験をすべて禁止している。
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