人物と主張
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『RONZA』1997年6月号で、「中国は軍事大国ではない」という認識を示し、自著『香港回収』においては、天安門事件について解放軍の出動途中に起こった発砲事件に過ぎず、虐殺はなかったと述べている。 2008年7月、チベットについて「チベットの問題は、北京が単純にチベットと民族を圧迫しているという知識で言われますが、そこは違うと思います。中国には56の民族があって、入り乱れて住んでいます。チベット族と一番摩擦を起こしているのは漢民族ではなく、そのすぐ近くに住むイスラム系の回族なのです」「中国の新彊に16の民族がある。漢民族と並ぶ最大の民族はウイグル族で、彼らは頭がよく、シルクロードをずっと維持してきたので、そこには富と組織があって、漢民族は出て行ってほしいという情勢があります。しかしそれを除く14の他の民族に独立組織は一つもないんです。どうしてか。彼らはむしろウイグル族だけに独占されるのを、どうも怖いと思うようなのです。漢民族がバランサーとして残って保って欲しいというわけです」と述べている。 2010年9月に尖閣諸島海域で発生した中国漁船衝突事件は、「中国漁船が意図的に日本海上保安庁の巡視船に衝突したのではなく、網が海の底に引っ掛かり漁船が傾いたために発生した事故」と主張している。 花田紀凱は、朱のことを「テレビなどにも度々出演し、やや甲高い声で中国側に立った発言を続けていた」と評しており、「日本在住の中国人言論人のなかで、朱さんの中国共産党との繋がりはトップクラス。ある意味、御用学者なわけです。番組出演の前には、携帯電話で中国大使館などに連絡し、その日の発言内容についてどこまで話していいのかなど確認するほどでした」というテレビ局幹部の声を紹介している。 福島香織は、中国政府は2013年に朱を7カ月間にわたって拘束したが、「(朱は)幸い無事日本に戻ることができたが、その後、中国に関する発言がなにかと慎重になった」と述べており、中国がこうした中国への愛国心が強い愛国在日中国人学者ほど「スパイ」扱いするのは、日本に対する世論工作効果や、その他の在日中国人学者に対する恫喝・見せしめ効果を狙っているが、結果的には日本人の反中感情を高め、日中学術交流を阻害していると指摘している。 『中央日報』は、「朱氏はもともと日本国内で中国を擁護するような発言をよくしてきた」と報じており、このため「日本国内の右翼勢力は『朱氏は日本国内の中国報道官』と批判」していると報じた。 2021年2月5日放送のBS日テレ『深層NEWS』に出演した際、中国政府の新疆ウイグル自治区におけるウイグル人弾圧政策について、佐藤正久がジェノサイド条約に照らして、一種のジェノサイドと言えると述べたことに対し、「2019年に各地から新疆に2億人が観光に行った。本当にウイグル族が抑圧されているところであれば、2億人が遊びに行けるだろうか」と主張した。これに対して、世界モンゴル人連盟理事長の楊海英と世界南モンゴル会議会長のショブチョード・テムチルトは、『東洋学園大学教授の朱建栄氏による、ウイグル人ジェノサイド否定発言に抗議し、同教授の発言撤回と謝罪を要求する声明文』を発表し、朱はジェノサイドどころか中国政府によるウイグル人弾圧すらも疑問視しているが、南モンゴルは、中国建国以来、多数の中国人が観光・移住してきたが、その結果行われたのは、文化大革命におけるモンゴル人ジェノサイドであるとして、「ウイグルの地に中国人が自由に移住もしくは観光を行っていることは、ジェノサイドや弾圧を否定するものでは全くありません」「私達は朱建栄教授に対し、番組での発言の撤回と謝罪を求めると共に、ジェノサイドを行う中国政府に事実上加担する姿勢を改めない限り、同教授が日本の大学で若い学生たちに、正しい知識や国際感覚、人権意識を教育するにふさわしい人物ではないと判断せざるを得ません」と抗議している。 中国の新疆ウイグル自治区で「職業訓練」と称して多数のウイグル人が収容所に入れられて人権侵害が発生しているという欧米諸国からの批判について(「ウイグル人大量虐殺」および「新疆ウイグル再教育収容所」も参照)、2021年4月に中日青年産学連盟が主催した講演会で「一部の先進国は中国に対して偏見を抱いている」「新疆問題の誇大宣伝の背景には、中国の台頭を食い止めるための米国の戦略があり、新疆ウイグル自治区で100万人以上が強制収容所に拘禁されているなどの嘘が、証拠なしで流布されている」と主張している。 2021年6月10日放送の「BSフジLIVE プライムニュース」において、日本の台湾へのCOVID-19ワクチン提供を東日本大震災における支援への「恩返し」とする佐藤正久の言説を否定し、「ワクチン供与は中国に対する牽制を目的した政治利用で、本当に台湾国民の健康を考えていない」とする趣旨の発言をした。
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