人物としての浮舟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 23:46 UTC 版)
「浮舟 (源氏物語)」の記事における「人物としての浮舟」の解説
光源氏の弟である宇治八の宮の三女。宇治の大君、中君の異母妹で、特に大君によく似る。母はかつて八の宮に仕えていた女房・中将の君(八の宮の北の方の姪)で、このため父八の宮から娘と認知されなかった。「宇治十帖」後半の「宿木」から「夢浮橋」の6帖にかけて中心人物として登場し、この部分を「浮舟物語」と呼ぶことがある。 母中将の君の再婚に従い東国へ下り、受領階級の常陸介の継娘として育つ。常陸介からは疎んじられるが、中将の君は数多い子の中でも美しく高貴な血筋の浮舟を大切にし、良縁を願って大切にかしずき育てた。20歳を過ぎたころに中流貴族の左近の少将との縁談が出たが、少将にとっては裕福な常陸介と近づくための政略結婚であり、浮舟が常陸介の継娘と知った少将は実娘の異父妹に乗り換えてしまう。破談で家に身の置き場のなくなった浮舟は、今は匂宮の北の方となった異母姉の中君に預けられ、中君の勧めにより今も亡き大君の面影を追う薫の愛人となった。 浮舟は薫の手で宇治に囲われるが、彼の留守に忍んできた匂宮とも関係を持ってしまい、対極的な二人の貴人に愛される板ばさみに苦しむ。やがて事が露見し、追い詰められた浮舟は自ら死を決意したが果たせず、山で行き倒れている所を横川の僧都に救われる。その後僧都の手により出家を果たし、薫に消息を捉まれ自らの元に戻るよう勧められても、終始拒み続けた。 浮舟を再発見した薫を拒絶して、源氏物語は余韻の尽きない幕切れを迎える。
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