主犯Xの近況とは? わかりやすく解説

主犯Xの近況

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 19:25 UTC 版)

名古屋アベック殺人事件」の記事における「主犯Xの近況」の解説

Xの近況については何度報道されている。 『月刊現代2006年7月号掲載された元弁護人安田好弘の話や、『共同通信社』の2008年11月29日報道によれば、Xは1989年名古屋地裁死刑判決受けてから、2人被害者遺族謝罪の手紙を書き始めたまた、岡山刑務所収監され1997年以降は、作業賞与金(刑務作業支払われる給与)も添えて送るようになり、2005年3月にBの父親から「頑張りなさいよ」と書かれた手紙受け取りそれ以降文通行っていると報道された。殺人事件の被害者加害者文通極めて異例であり、修復的司法試みとされた。また、西日本新聞2009年7月6日朝刊報道によれば、Aの遺族からの返信はないが、手紙受け取ってもらえていることは分かっていると報道された。ただしその「遺族」の、Aとの続柄についての記述はなかったが、2018年Aの母親手紙を「中身毎年、同じことの繰り返し捨てている」と断じた。 死刑廃止運動家・高田章子(「死刑廃止国条約の批准求めフォーラム90」)と文通した際、Xは「第一審当時は『自分死刑になるだろう』と確信しており、それに対してほとんど抵抗気持ちはなかったばかりか『自分人生はもう終わりだ』という諦めの心もあった。むしろ『死刑になるのならそれまで意地を張って生きてたように潔く死んでいこう』という思いがあったし、自分の死よりも『みんなの記憶から自分消えてしまうことの方』に抵抗があったので『どうせ自分悪人なのだから、いっそたくさんの人の記憶に残るように思い切り潔く死んでいこう』とまで考えていた。『バカなこと』と思われるかもしれないが、自分自分の命さえ大切にしていなかった」と述べた。これを踏まえて高田は『年報死刑廃止2012』(インパクト出版会2012年)に寄稿した記事にて「その後、Xが刑務所側から被害者遺族への詫び状作業賞与金の送付に関する)特別発信許可得て被害者女性Bの遺族文通を行うなど著しく矯正している姿を見てかなり驚いたが、Xの弁護人両親名古屋拘置所にいた死刑囚たちがそれを後押ししてくれたのだろう」と述べたまた、受刑者X高田文通した際、同じく少年時凶悪犯罪犯した光市母子殺害事件少年被告人2012年死刑確定)について「多く人々彼に反省求め過ぎではないだろうか。もちろん彼も犯した罪の重さ理解認識して反省しなければならないが、逮捕・起訴されてすぐにそれができるぐらいなら初めから事件起こさない自分犯した罪の重大さをなかなか理解認識できなかったどころか『死刑になるのは怖くない』とさえ思っていた」と手紙記した高田はこれについて『年報死刑廃止2012』で「私はXのようなケース知っていたから『光市事件の元少年彼のように早く反省すべきだ』と期待していたことに気付かされた。『彼は一朝一夕見違えるほどに更生したではなく長い時間をかけて獄中考え思い行動し被害者遺族含め様々な人々との関係性変えていく努力をしたからこそ自分自身変えていけたのだ』と認識させられた」と述べた。 なお、『新潮452016年9月号に掲載され記事「『名古屋アベック殺人事件無期懲役少年のいま」では、共同通信記者佐藤大介が、岡山刑務所でXと面会し現状取材した。同記事によれば、「模範囚」として刑務所生活を送るXは、佐藤から「なぜ絶望することなく日々生きることができるのか」と問いかけられたのに対し、「(仮釈放による)社会復帰という目標があるからです」と答えた一方で無期懲役囚の仮釈放件数減少や、獄中死の増加平均収容期間の長期化により、無期懲役が「事実上終身刑」(佐藤取材した刑務官の話)と化している現状についても理解しており、その上で「(仮釈放の)審査厳しく、出るのは簡単じゃない思います。(略)状況厳しいのですが、必ず出られる日が来ると信じて毎日頑張っていこうと思っています」と佐藤語った佐藤は「Xは仮釈放現実のものとして望みをつなげる数少ない無期懲役囚だが、その困難さ知らないわけではない」と記している。また、Xは2015年8月26日運動中にクモ膜下出血倒れ一時生死の境さまよい9か月後の2016年5月まで、刑務所外部病院入院していたことを佐藤明かしその上で「それでも生きることができたのは、私にはまだやるべき使命残されいるからだと思い感謝の気持ちいっぱいです。命の重み感じ、私が奪ってしまった命の重さ尊さあらため身をもって知りました」と語っている。Xはその後大きな後遺症を残すことなく回復し2017年には職業訓練受けた際、生まれて初めパソコン操作し簿記3級資格得た2017年12月19日市川一家4人殺害事件1992年発生)で死刑確定した犯行当時19歳少年死刑囚対し永山則夫1997年8月死刑執行以来20年ぶりに死刑執行された。Xは翌20日岡山刑務所内にある工場休憩室死刑執行伝え新聞朝刊記事が貼り出されていたのを見てニュース知りひとごととは思えなかった。生きていることへの感謝申し訳なさ感じた」という。 事件発生からちょう30年となる2018年2月23日刑務所内の工場金属部品加工行っているXは収監先の岡山刑務所で『中日新聞記者面会した。Xはこれに先立ち2018年2月19日付で、毎年続けている被害者遺族の手紙を送った。 Xは仮釈放後目標について、高田対し「『被害者Bの父親高齢体調崩しているので、具体的に役に立てることをしたい』『自分のような犯罪犯しそうな青少年をなくすために自分経験生かして相談相手なりたい』」と述べた上で、「仮釈放後自分生き方その後受刑者仮釈放にも影響するので、社会に役立つ人間になれるように心と体鍛えている」と述べた高田受刑者X更生について『年報死刑廃止2012』で「『生きて償うこと』『矯正すること』は決し架空理想像ではないことをXが実現できるように自分サポートしたいし、彼が生き直ることを受け入れ社会であってほしい」と述べた

※この「主犯Xの近況」の解説は、「名古屋アベック殺人事件」の解説の一部です。
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