主犯存在説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 03:29 UTC 版)
V. 主犯存在説(主犯別在説) 主犯存在説(主犯別在説)は、実行者や主犯となるべき人物が光秀以外の他の別人であるという説の総称。無罪説とも言う。 羽柴秀吉実行犯説 羽柴秀吉が配下の武将蜂須賀正勝を刺客として京に派遣して信長を暗殺させたとする説で、光秀の関与を否定する無罪説の1つ。これは根拠の全くない完全なフィクションともされるが、なかには福知山御霊神社創建の経緯から羽柴秀吉が信長父子暗殺実行犯とする説もある。羽柴秀吉実行犯説は、信長暗殺の直接の実行者や命令者を羽柴秀吉と想定するもので、裏から操ったという羽柴秀吉黒幕説とはやや異なる。 斎藤利三実行犯説 長宗我部元親に兄石谷頼辰の義理の妹(または利三本人の妹)を嫁がせた斎藤利三が、信長の四国政策の転換を防ぐために、主君光秀を唆して変を起したと云う説。関与者として長宗我部元親、石谷頼辰などの名前も挙がる。四国征伐回避説に似ているが、斎藤利三の主犯としての立場を強調するのが特徴の陰謀論で、光秀は無罪であったとする無罪説を主張するものがあるために別としている。『言経卿記』にある「斎藤蔵助、今度謀反随一也」という一文を根拠とする。 徳川家康主犯説(伊賀忍者実行犯説) 徳川家康が、妻や子を殺された遺恨、あるいは武田氏滅亡後は不要になったからと信長に暗殺されると考え、先手を打って伊賀忍者に命じて信長を暗殺させたとする説。光秀の関与を否定する無罪説の1つだが、根拠の全くない完全なフィクションで、伊賀忍者の活躍に重点が置かれる創作。これに光秀=天海説が加わると徳川家康黒幕説となる。 石山本願寺と羽柴秀吉実行犯説 本能寺の変当日、二条御所に羽柴秀吉の家臣がいたこと、朝廷が石山本願寺に勅書を出していることから、本能寺の変の実行犯は石山本願寺勢と羽柴秀吉勢であるとする説。 複数実行犯・複数黒幕存在説 実行犯や主犯が光秀以外に複数いて、黒幕も複数存在するという説の総称。
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