ラメール号
ラメール号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 01:29 UTC 版)
品川バスターミナル - (首都高速道路) - 横浜駅東口 - (保土ヶ谷バイパス) - (東名高速道路) - 星ヶ丘 - 本山 - 千種駅前 - 栄 - 名古屋駅(桜通口) JR東海バスと共同運行 路線概要 1989年3月20日運行開始。ノクターン号の成功を受け、1980年代後半の高速バス開業ブームで開設された。京急では初となる横浜発着の夜行高速バス路線で、横浜駅東口発着の夜行高速バスとしては神奈川中央交通に続くものである。「ラ・メール (la mer) 」はフランス語で海を意味し、港湾都市である横浜と名古屋を結ぶことに由来する。運行開始から廃止時まで唯一の横浜 - 名古屋間を直行する高速バスであった。「ラメール号」に続き、同年5月2日には横浜 - 神戸三宮間で「アンカー号」が運行開始している(移管前に廃止)。アンカーは英語で「錨」を意味する。 京急観光バスへの移管を経て品川BTまで延伸されたが、その後も横浜駅での乗降客が多かった。しかし東名阪区間では、JRバスのドリーム号(ドリームなごや号、ファンタジアなごや号等)、京王系の中央高速バスや名鉄系の中央道高速バスなど、元から並行する路線が多かった。さらに2000年代には規制緩和によりツアーバスが多数参入して苦戦を強いられ、車両のグレードアップや割引運賃導入などテコ入れを図った。開設当初こそ続行便が出ることもあったが、末期には満席になることは少なく、京急観光バスの会社清算に合わせて2008年に廃止された。 京急観光バス解散の際、共同運行会社の単独運行に移行した路線もあったが、当路線は車両数の関係もありJR東海バス単独運行とはならなかった。JR東海バスがドリーム号など夜行バスのダブルデッカー化を積極的に推進してきたため、スーパーハイデッカーの車両が少なく、ラメール号を片運行するための車両を用意できなかった。ダブルデッカー車は車高の関係で品川BTに入線できない。 毎日上り(2号)・下り(1号)の往復各1便を運行。星ヶ丘 - 千種間は下り便(1号)のみ停車。京急では一貫して「ラメール号」と呼称し、号数を用いた案内はしていなかった。JR東海バスでは他路線に合わせて下り便を「ラメール1号」、上り便を「ラメール2号」と案内し、品川BTまで延伸後は「ラメール横浜・品川号」と呼称していた。 片道普通運賃では品川 - 名古屋間6,200円であり、同じ東京都区内~名古屋市内を結ぶドリームなごや号・ニュードリーム名古屋号の6,420円、ファンタジアなごや号の6,500円より安かった。同じ都市間で車両も同グレードであれば同一運賃(例:東京都区内~大阪市内の3列シート便通常運賃は運行会社問わず8,610円)が多い中で異色の存在であった。 所要時間は、横浜を経由するため上記路線よりも長かった。発地をドリームなごや号よりも先に出発し、着地にもドリームなごや号より後に着くダイヤとなっていた。ただし、上りのドリームなごや2号はラメール号上り便(2号)よりも早く名古屋を出発していた。 ワンマン運行(ただし東名高速道路集中工事期間はツーマン運行となっていた)。京急便は下りのみ上郷SAで休憩していたが短距離路線のため、到着時間の調整を行う目的で、休憩時間は比較的長めに設定されていた。 車両 採算ラインは「ドリームなごや号」と同様に高かったにもかかわらず、運賃は「ドリームなごや号」以下に抑える必要があった。そのため車両は、開業当初から京急・JR東海とも当路線専用の4列シートスーパーハイデッカー車(三菱エアロクィーンM・P-MS729SA改)での運行となった。前後10列のためシートピッチは3列シート車と変わらなかった。 開業以来4列シート車を使用してきたが、2006年12月3日より独立3列シート車(29人乗り)に変更された。3列シートに変更されてからはドリーム横浜・仙台号と共通の車両を使用し、ノクターン号の昼行便「スカイターン号」で使用されていた4列シート車も3列シートに改造され充当された。末期には独立3列シート29人乗りのトイレ付きスーパーハイデッカー車が使用された。 カラーリングは、当初は両社とも専用塗装であった。この頃の京急は各路線ごとに専用塗装車を導入していたため、当路線用にも専用車(H5901・H5902号車、36人乗り)を用意した。後にキャメル号の専用塗装が京急の夜行用標準塗装となったため当路線用車両も塗り替えられた。経年時の車体更新に伴い各社の標準塗装に変更され、1998年頃に車両代替された後は最初から各社別カラー(京急では夜行標準色)となった。 路線沿革 1989年(平成元年)3月20日:京浜急行バスとJR東海バスの共同運行により運行開始。当初は4列シート車で、下り便は星ヶ丘・千種駅・名古屋駅に停車、上り便は名古屋駅→横浜駅間直行であった。 2002年(平成14年)10月12日:上下線とも栄駅に停車開始。 2005年(平成17年)12月1日:京浜急行バス担当便が京急観光バスへ移管。 2006年(平成18年)12月3日:4列シートから独立3列シートに車両変更。 2007年(平成19年)2月1日:品川BT発着に延伸、本山に停車開始。割引運賃として、3日前までの購入で大幅割引となる「早売3」、ネット予約のカード決済で割引する「ネット割」を導入。 10月19日 - 上り便が本山・星ヶ丘に停車開始。 2008年(平成20年)3月15日 - 京急観光バスの会社精算に合わせ、この日の出発便をもって運行終了・路線廃止。 6月6日 - 廃止代替として、JR東海バスと京成バスが共同運行するファンタジアなごや号(西船橋駅 - 名古屋線)をYCAT経由とする。
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