ランピオンとは? わかりやすく解説

ランピオン

作者山本昌代

収載図書コレクション
出版社集英社
刊行年月1996.10


ランピオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/24 13:35 UTC 版)

カンガセイロ」の記事における「ランピオン」の解説

ランピオン(Lampião)、本名ビルグリーノ・フェレイラ・ダ・シルバは、1897年ペルナンブーコ州ビラ・ベラで4人兄弟長男として生まれる。シルバ家は土地を持つ農家であったが、隣のサトルニノ家はそれを遥かに上回る大土地所有者であり、シルバ家の土地がサトルニノに狙われたことで対立激化した。ビルグリーノの父ホセ温和な性格暴力避けたが、1921年、サトルニノ家は地方警察署長買収してホセ殺害させた。父の死切っ掛けに、ビルグリーノは三人の弟とともに地元カンガセイロ参加する。ビルグリーノはたちまちのうちに頭角あらわし1922年独立時点ではすでに50名を数え盗賊団領袖となっていた。この当時のビルグリーノの目的あくまでも復讐であり、略奪対象富豪限られその際にも必要以上殺害行われなかった。同年、ビルグリーノは父の場所を密告した男を射殺し翌年には警察幹部署長相次いで殺害している。その際に銃をすさまじ早さ撃ち続け周囲真昼のように明るくなったことからビルグリーノは「大きなランプ」と渾名された。大きなランプポルトガル語発音すると「ランピオン」であり、それ以降ピルグリーノはランピオンを名乗る。 しかし、ランピオンの一貫した復讐者としての行動はここで途絶える1924年にはランピオンは無差別な強盗残虐な殺人無意味に繰り返し、サトルニノ家への復讐顧みられなくなった目的失って暴走するランピオン一家だったが、それでも1926年にはアウトロー世界から政府側の立場に回る好機があった。当時ブラジル連邦議員の間で地方治安を守るため、警察軍隊ではない治安組織形成しようとしていた。連邦議員はランピオンをその組織抱き込むことで、無差別略奪停止実行力のある武力獲得しようとした。しかし当初はランピオンも乗り気だったこの試みは、仲介にたったシセロ神父との連絡うまくいかず頓挫してしまう。 カンガセイロ世界戻ったランピオンはその無差別な略奪と殺人を再開しパライバ州ペルナンブーコ州アラゴアス州荒らしまわった。特に1926年自制失っており、兵士役人をも殺害して州の怒りを買い、さらには中傷書かれ手紙激怒して差出人見做されギロ家を皆殺しにした事件起こしている。手紙仲間偽造であったことに気づいたのは、事件の後だった。この時期、その残虐さによってランピオンは100人以上の手下を持つに至ったが、同時に州政府にとって確実に殲滅しなければならない勢力となっていた。11月州政府は300人の軍隊派遣したが、ランピオンが地勢知り尽くしたセラ・グランデ山付近での争いとなり、逆に軍隊の方が打ち破られた。それでも州当局熱意揺るがず、1927年から翌年にかけて、ランピオンは警察隊と軍隊に常に追い立てられた。もはや襲撃どころか息を潜めるしかできなくなり1928年にランピオンは従来拠点捨て、南のバイーア州活動を移す。しかし、ここでもランピオンは警戒されて逃げ隠れるしかなく、1930年消息を絶つまでに襲撃したのは、小さいゆえに防備もないセルジッペ州けだった。また最大100名を数えた手下も、この時期には兄弟除けば5名に減少していた。 1930年ジェトゥリオ・ドルネレス・ヴァルガス軍事クーデター起こしてブラジル大統領就任する統一国家建設目標とするその政治姿勢独裁的で、国家権力強化する新憲法成立させた。これにより、これまで地方大土地所有者に対して弱体だった州政府も大幅に権限強化された。また工業の発展労働者都市流入激しくなる一方で従来商品作物頼った大農園経済変化の中で破滅迎えたカンガセイロ生み出した社会構造そのもの変わりはじめ、もはや「王国」を築き上げた大土地所有者の栄光過去のものとなった民衆の間からもこの時代以降、ランピオンに続く有力なカンガセイロ生み出すことはなくなった。それどころかこの時期からカンガセイロ相次いで逮捕射殺され急激にその数を減らしていく。大土地所有者に代わって地域社会治安を担う州政府は、カンガセイロ撲滅対象としていた。 1931年、ランピオンはカンガセイロ対策の進むバイーア州等の大きな州を避けブラジルの州としては最小面積セルジッペ州活動の場移した。ランピオンの読み通りセルジッペ州警察機構にランピオンを捕まえ能力はなく、州政府は騒ぎ起こさない限り黙認する姿勢をとった。ランピオンもこの状況ではあえて暴力沙汰起こさず地域有力者交流を結び、その食客のような扱い受けた。ランピオンはセルジッペ州での生活を楽しんだが、1936年になると同様に小さな州であるアラゴアス州拠点を移す。しかし思惑反してアラゴアス州政府カンガセイロ対策周辺の州と連携しており、ランピオンはその年のうちにセルジッペ州逃げ帰る羽目になった。だがこの時期にはそのセルジッペ州もすでにカンガセイロ対策同調していた。1938年3月、ランピオンは食客となっていた農場主の裏切りを受けて殺害された。

※この「ランピオン」の解説は、「カンガセイロ」の解説の一部です。
「ランピオン」を含む「カンガセイロ」の記事については、「カンガセイロ」の概要を参照ください。

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