スターキングへの帰還
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 23:12 UTC 版)
「スターキング」の記事における「スターキングへの帰還」の解説
銀河系帝国での記憶を妄想だと思いこみ、精神科医に通うジョン・ゴードンは次第に回復していた。だが、肉体を送信できる装置を開発したというザース・アーンからの交信が、また届き始めた。ある深夜、ゴードンから精神科医に電話がきた。「ザースが準備ができたと言っている。リアンナも待っている。先生・・」。医者がゴードンの部屋に駆け付けると、電話の受話器がはずれたままで、彼の姿は無かった。 時空を超えてスターキング世界の地球の研究所に、心身ともにやってきたゴードンだが、愛するリアンナ王女との再会も束の間、二人の心はすれ違う。リアンナの故郷、フォーマルハウト王国に向かう宇宙船に同乗したゴードンは、辺境伯たちが反帝国の意思を持っていることを知る。航行中に待ち伏せされていることを察知した一行は、進路を惑星テインに変更した。ここはナラス・テインの根拠地惑星でもある。一行はフードを被った不気味な生物に出会った。それの近くにいると恐怖を感じるような・・。ここでもリアンナの命が狙われていることを知った一行は、犠牲を出しながらも何とか脱出に成功しフォマロートに戻ることができた。リアンナの宮殿での会議で、この王国の艦隊だけでは問題に対処できないとの結論が出され、帝国に救援を求めるためにゴードンとコーカンが惑星スルーンを訪れることになった。 スルーンに到着した2人は、さっそくジャルやザース、各王国の代表たちと会議を持った。その中で辺境にある「アール」星域に謎がかくされていることがわかり、小型の宇宙船で調査することになった。ゴードンとハル・バーレルなどが乗り組んだ宇宙船は、隠密航行をしながらアールに接近した。だが着陸のときに操縦していたハルが、何者かに精神を操られてしまい墜落してしまった。生き残ったのはゴードンとハルの2人だけだった。そこにはショール・カンが匿われていた。ショール・カンも、ハハーンと呼ばれるフードを被った生物に不信感をいだいており、2人を手引きして脱出することになった。宇宙港で見慣れない高速船に乗り組んだ3人。初めての船だが、何とかハルは操縦することができた。向かうことにしたのはマゼラン星雲方向である。やがて3人には疑問がわいてきた。この船を選んだのはなぜか、ハルが操縦できたのはなぜか、マゼランに向かったのはなぜか・・。それはハハーンがこの船に乗っており、それが3人の精神を操っていたとしなければ説明できないことだった。同乗しているハハーンを殺すため、宇宙船は故意に墜落させられた。乗っていたハハーンは死んだが、船は失われた。しかし、この惑星の非人類種族を運搬するための宇宙船があることを知った一行は、ショール・カンの欺瞞作戦によって何とか船を手に入れた。 数々の危機を乗り越えてフォマロートに到着した3人。ゴードンは「私はショール・カンに助けられた。その代わりに彼を助ける」と言い、これをリアンナに約束させた。会議の席では、フォマロート艦隊だけでは辺境伯艦隊に対抗できないこと、帝国には救助を求めているが帝国艦隊が到着するまでは時間がかかることなどが報告された。ついに辺境伯艦隊が進撃を開始した。宮殿の周りには対空ミサイル陣地も設置されるなか、うれしい知らせもあった。ヘラクレス男爵領の艦隊が、フォマロート救援のために全速力で向かってきているという。後退を続けるフォマロート艦隊のわきを抜けて、非人類種族の兵士を積んだ貨物船が続々と着陸してきた。 都市には辺境伯と非人類種族がなだれ込み、宮殿にも侵入してきた。ナラス・テインとサイン・クライヴァーもやってきた。しかもクライヴァーはハハーンのヴリルを連れていた。ヴリルは、ディスラプターの秘密を探るため、ゴードンと「融合」することを要求した。融合とは、お互いの身体を接触させ、精神の奥深くまで探ることである。ゴードンとヴリルは融合し、互いの精神を見せあった。ヴリルは言った。「この男はディスラプターの原理を知らない」と。ゴードンもヴリルの精神から、弱かったハハーンがどのようにして惑星を支配し、マゼラン星雲を支配したかの歴史を知った。何よりも重要だったのは、ハハーン艦隊が隠れている場所の情報だった。そのとき宮殿の隠し部屋にいたハルとコーカンが現れ、クライヴァーとテインを撃った。崩れ落ちるテインの姿を見て驚く非人類種族に対して、ショール・カンが叫んだ。「辺境伯たちがナラス・テインを殺した。ナラスの仇をうて」。 辺境伯と非人類種族は同士討ちを始めた。そのすきにヴリルを殺したゴードンは、通信センターに直行し、帝国艦隊を率いるザースにハハーン艦隊の位置を連絡した。「ヴェラ・スパーのはずれの先」と。帝国艦隊はそこへ急行した。やがて宮殿を震わせるような轟音が、上空から響いてきた。救援に向かっていたヘラクレス男爵領の艦隊が到着したのである。彼らはオースティヌス流星群で辺境伯艦隊を撃破し、フォマロート艦隊の残存部隊とともに首都の上空にいるという。非人類種族たちは宮殿から逃げ出していた。巨大な宇宙戦艦が轟音をあげて飛び回るなかで、時間だけが過ぎていった。やっとザースからの連絡がきた。「片付いた。ハハーンは壊滅し、残りはマゼラン星雲へ逃げた」。あとで聞いた話によると、ザースは何も見えない空間にディスラプターを放射して、ハハーン艦隊を隠していたエネルギーの楯を破り、次には艦隊めがけて放射したらしい。続けてザースは、「全兵力を集めてやつらを追い、支配する世界をすべて撃破する」と言った。 非人類種族たちがナラス・テインの死体を宇宙船に運ぶ姿を見ながら、リアンナはフォマロート王国はまた生き返ると感じていた。ハハーンがいなくなれば、それは十分に可能だった。ショール・カンがリアンナに言った。欺瞞作戦で宇宙船をぶんどったときの、乗組員と宇宙船が無傷で残っている。それらを使って辺境伯の領土へいかせてくれと。乗組員らはサイン・クライヴァーに従って、このようなことになったのを後悔しており、新しい指導者のもとでやり直したいと言っていると。リアンナが言った。「あなたは辺境にさわぎを起こして、私を後悔させるかもしれない。それでも借りは返します」。ショール・カンはリアンナの手に接吻し、ゴードンとハルの手を握ってから立ち去っていった。
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ジョン・ゴードン(John Gordon):主人公。20世紀のニューヨークに住む保険会社の社員。 ザース・アーン(Zarth Arn):2000世紀の中央銀河系帝国第2王子。 リアンナ:フォーマルハウト王国の王女。 ジャル・アーン:中央銀河系帝国第1王子。 ハル・バーレル:帝国宇宙艦隊の士官。 ショール・カン(Shorr Kan):もと暗黒星雲同盟の指導者。死亡したと思われていた。 ナラス・テイン:リアンナ王女の従兄弟。非人類種族から大きな支持を集める。 サイン・クライヴァー:外宇宙辺境伯。 コーカン:リアンナ王女の臣下。人間ではない。テレパシーを持つ鳥型異星人。 アブロ:リアンナ王女の側近。 ヴリル:ハハーンの1個体。人間ではない。ゴードンと融合してディスラプターの秘密を探ろうとした。
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