アーチェリー
歴史と沿革
人類が手にした最初の本格的な飛び道具は「弓」と「矢」といってもよいでしょう。長い間、弓矢は狩猟の道具として、あるいは戦争の武器として主役の座を占めていましたが、16世紀になると新たに鉄砲が出現し、その表舞台から消えることになりました。
17世紀にイギリス国王・ヘンリー8世が催した御前試合が、競技アーチェリーの始まりとされています。近代になってからは、初期のオリンピック種目として採用されていましたが、やがて消滅。再度の登場は1972年のミュンヘン大会のことです。日本は派遣が中止となったモスクワ大会を除き、2000年のシドニー大会まで連続して出場しています。
国際連盟(FITA)は1931年に結成され、現在加盟国は130カ国を超えています。全日本アーチェリー連盟は、第2次大戦後、日本洋弓会として産声を上げました。やがて、日本アーチェリー協会と名前を変え、活動の広がりとともに1966年から現在の名称、全日本アーチェリー連盟になりました。登録会員数は約12,000名です。1975年の世界選手権大会・男子団体戦で初の銀メダルを獲得し、それから80年代の半ばまでに、合計4個の銀と銅を手にしました。オリンピックでは、76年のモントリオールで銀、84年のロサンゼルスで銅を獲得しています。
競技種目とルール
アーチェリーは弓で矢を射ち、標的上の得点を争う競技です。日本では、主にターゲット、フィールド、インドアの3競技が行なわれています。いずれの競技も2年に1回、世界選手権大会が開かれます。
・ターゲット競技
オリンピックで行なわれるのがターゲット競技です。男子は90、70、50、30m、女子は70、60、50、30mの4距離から36本ずつ、合計 144本(1,440点満点)の矢を射ちます。世界選手権ではこれが予選ラウンドで、64名の選手が決勝ラウンドに進みます(オリンピックでは、予選ラウンドのやり方が少し変わります)。決勝ラウンドは70mで、1対1のトーナメント戦が行なわれます。優勝するためには、6回の対戦を勝ち抜かなければなりません。3回戦までは18本、準々決勝からは12本の勝負です。トップクラスの選手は、70mで中心の黄色のエリアから外すことはないほどの的中精度を持っています。
90、70、60mを長距離といい、1エンド(1回に射つ矢数のこと。個人戦では3射と6射、団体戦ではチームで1人3射ずつの9射が1エンドの本数)6 本の矢を4分以内で射たなければなりません。標的の直径は122cm、中心(10点)の輪の直径は12.2cmです。標的は5色の色環帯(中心から、黄、赤、青、黒、白色)がさらに10個の得点帯に分割され、外に向かって1点ずつ少なくなります。
50、30mを短距離といい、3射(2分以内)を12エンド行ないます。短距離の標的の直径は80cm、中心(10点)の輪の直径は8cmです。
・フィールド競技
部門によって、5mから60mの間に標的が設置され、距離が表示されるマークコースと、されないアンマークコースがあります。標的のサイズは、直径 20、40、60、80cmの4種類。色は中心(5点)が黄色、その外側の4点から1点までは黒色です。マーク、アンマークそれぞれ24標的(または、 12標的を2回)を4名1グループで、3本ずつ射って回ります。標的は山の中や草原など、自然の地形を生かして変化をもたせたコースに設置されるため、射ち上げ、射ち下ろしなど、特別なシューティングテクニックが求められます。フィールドはコースごとに地形が異なり、同じ条件のコースは存在しません。コースの特徴を読み、どのように射つかが攻略の鍵です。
・インドア競技
冬場に盛んに行なわれるインドア競技は、室内のターゲットアーチェリーです。射距離はすべて18m。1ラウンドは、直径40cmの標的を、1エンド3射で20本、合計60射します。1エンドの制限時間は2分です。標的はターゲットと同じで、黄、赤、青、黒、白の5色。これがさらに2分割されるので、黄色は10点と9点、赤が8点と7点等々となります。中心(10点)の直径は4cmです。
アーチェリーの用具
弓は、ハンドル部分と上下のリムに3分割することができます。現在、素材として、ハンドルには軽合金、リムにはカーボンファイバーが使われています。これに、1m近い長さの棒状のスタビライザー(安定器)や、サイト(照準器)が装着されます。スタビライザーは、リリース時の衝撃を吸収し、弓の動きを一定にしてくれます。サイトは、照準点を1mm動かせば、90m先の的面で15~20cmくらいの的中変化となります。
矢の直径は5mmほどで、アルミチューブの外側にカーボン繊維を巻きつけています。男子の弓では、秒速70mくらいのスピードに達します。これを時速に換算すると約250km。新幹線並みの速度です。人類の進歩とともに生まれた弓と矢ですが、今では科学技術の進歩により生み出された最新の素材が脅威の的中率を支えています。
アーチェリー
アーチェリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/03 00:16 UTC 版)
アーチェリー (Archery) は、弓で矢を射、標的を狙う射撃競技。オリンピック種目のひとつである。
- 1 アーチェリーとは
- 2 アーチェリーの概要
アーチェリー
「 アーチェリー」の例文・使い方・用例・文例
- 彼の家系は古くから弓師としてアーチェリーの弓を製造してきた。
- 彼は弓術[アーチェリー]の名手だ.
- もう一度アーチェリーを基本から始めよう.
- ピンと張りつめたアーチェリーの弓
- アーチェリーで使われる標的
- アーチェリーで,矢の着点が1箇所に集中すること
- アーチェリーで使う矢の柄
- フィールドアーチェリーというスポーツ
- ライディングアーチェリーという競技
- アーチェリーで,矢飛びを安定させるための器具
- アーチェリーで,矢を発射した後の射形
- フリースタイルという,フィールドアーチェリーの競技種目
- アーチェリーや射撃競技での的
- 中学生の時にアーチェリーを始める。
- 成績が悪かった時でも,アーチェリーをやめようと思ったことはありません。
- アーチェリーは私の生活の一部です。
- 私にとって,アーチェリーをやめることは,食べるのをやめることと同じようなものです。
- 純太郎の言葉は,私にアーチェリーに対して努力し続けていこうと決意させました。
- 一方で,アーチェリー部の生徒たちが,大きな大会で負けた後でも,とても一生懸命練習しているのを見ました。
- それは,五輪の際にはマラソンやアーチェリーの競技に使われる予定だ。
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