アダムとイヴとは? わかりやすく解説

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アダムとイヴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 21:05 UTC 版)

ヘントの祭壇画」の記事における「アダムとイヴ」の解説

アダムパネル上部描かれているのは神に供物捧げるアベルとカインイヴパネル上部描かれているのはアベル殺害するカイン左右両端パネルには、石造り壁龕に立つ裸身のアダムとイヴがほぼ等身大描かれている。初期フランドル派写実主義描かれ最初裸体像であり、ルネサンス初期イタリア人画家マサッチオが、1425年ごろにフィレンツェのサンタ・マリア・デル・カルミネ大聖堂ブランカッチ礼拝堂壁画描いた革新的な楽園追放』(1426年 - 1427年)とほぼ同時代作品となる。『ヘントの祭壇画』のアダムとイヴの顔は、内側天使たちデイシス方に向けられている。『創世記』記述されているように、二人とも人目を気にして股間イチジクの葉隠していることから、知恵の樹果実食べて堕罪した後のアダムとイヴであることがわかる。 イヴ掲げた右手持っている果実は、伝統的に知恵の樹果実描写用いられていたリンゴでなくシトロンのような小さな柑橘類である。美術史家エルヴィン・パノフスキーはとくにこの果実着目し、『ヘントの祭壇画』に描かれているエンブレム全てが「偽装」されている可能性があると指摘した。アダムとイヴの視線伏せられ絶望しているかのように見える。寂寥感満ちた両者描写から、ファン・エイク何を意図してこのような人物像描いたのかが美術史家たちの興味をひいてきた。原罪人類もたらしたことを恥じているという説、下に向けた視線先に描かれている現在の世界失望しているなどといった説がある。 ヤンが『ヘントの祭壇画』の人物像実現しようとした写実表現は、とくにアダムとイヴの描写顕著である。後期ゴシック美術理想化して描き国際ゴシック美術発展させた女性表現好例といえるのが、15世紀初頭リンブルク兄弟作品見られる裸婦像で、とくに『ベリー公のいとも豪華なる時祷書』のアダムとイヴが典型例となっている。リンブルク兄弟描いたイヴそれまで伝統的な裸婦像を比較すると、「(骨盤が)広く、胸が細く腰が高い。そして何よりも下腹部膨らみ胃の存在表している」と美術史家ケネス・クラーク指摘している。クラークは『ヘントの祭壇画』のイヴについて「いかに詳細な写実表現優れた偉大な画家ということの証明であり、それまで理想表現のはるか上をいく丸み帯びた身体表現これ以上ない好例である。体重支え右脚陰に隠れている。計算され尽した身体のライン胃の辺り長いカーブ描き関節筋肉邪魔されることなく滑らかな太ももへとつながっている」と表現している。 精密な詳細描写表現されたアダムとイヴの裸身像は、幾度も人々非難浴びた歴史を持つ。1781年聖堂訪れた神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世はこのアダムとイヴを見て不機嫌になり、祭壇画構成からこの2枚パネル外せ要求したことがあるまた、19世紀時代感覚では裸身像が教会内部存在することは受け入れられなかった。そのためアダムとイヴのパネルは、着衣複製画一時期置き換えられことがある。この着衣のアダムとイヴは現在でもシント・バーフ大聖堂で見ることができる。 アダムとイヴを主題として描かれ15世紀絵画作品と『ヘントの祭壇画』のアダムとイヴとには大きな違いがある。『ヘントの祭壇画』のアダムとイヴのパネルには、当時作品伝統的に描かれていた、ヘビ樹木などエデンの園思わせるモチーフ一切存在していない。また、上段描かれている他の人物像比べると、アダムとイヴはかなり手前に位置しており、2人足元最下部フレームにほとんど接するような場所に置かれている。さらにアダム右足つま先軽く持ち上げられており、今にも絵画世界から現実世界へと抜け出しそうな印象与える。イヴの腕、肩、尻も画面構成する石造り壁龕からはみ出しているように見える。これらの技法それぞれのパネル三次元的な奥行き与えている。このような騙し絵的な印象は、翼を開くときに両翼わずかに内側向けた場合により大きな効果となってあらわれる。 アダムパネルの上には、初子の羊を供物として神に差し出そうとするアベルと、農場収穫した作物を神に捧げようとするカインが、グリザイユ描かれている。イヴパネルの上には、神がアベル供物しか受け取なかったことに憤ったカインが、アベルを骨で殴り殺す場面が、同じくグリザイユ描かれている。ファン・エイク一見彫刻見えるような表現でこれらを描くことによって、作品深み与えようとしているのである

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アダムとイヴ (آدم アーダムと حواء ハウワー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 15:56 UTC 版)

聖書の説話とクルアーンの関係」の記事における「アダムとイヴ (آدم アーダムと حواء ハウワー)」の解説

詳細は「アダムとイヴ」を参照 創世記 2:4-4:1と、アル・バカラ2:3039、 アル・アアラーフ7:1927、ター・ハー20:115123参照。 神は最初の人類であり男性である創造物を、粘土と、神の口から生じたエランビタールとから創った。神はそれから女性を創った。婚礼について特に言及はないが、二人結婚したものと思われる。神は彼らを楽園の庭に住まわせた。神は二人に、1つ除けば庭のものは好きなだけ食べてよいと告げた別の勢力が、食べれば神のようになれると彼らをそそのかし木の実食べるよう仕向ける。しかし聖書クルアーンとは、ここで差異生じる。クルアーンでは、男アーダムと女は、神のようになれるという誘惑ではなく永生衰えることのない王権という誘惑負けたとされている。 彼らは二人とも食べたその結果、彼らは恥じてで裸を隠すようになった。神は彼らに質問し木の実食べてはいけないという神の教え思い出させた。彼らは返事をした。神は、男と女に、また人類誘惑者との間にいさかい起きるようにした。神は、人を楽園の庭から追放し二人の人間地上に住まわせた。 他にも、意味深い差異多くみられる聖書では、神は人に動物の名前つけさせるクルアーンでは、アッラーフアーダムに『すべての』名前を教えアーダムはそれらを繰り返す聖書では、女性男性あばら骨から創られた。クルアーンでは、一つの魂から創られた。ただし、アブー・フライラ伝えハディースの中では、ムハンマド聖書あばら骨エピソード触れている。 聖書では、許されざる木とは善悪の知識の木である。果物はしばしミルトン失楽園描写からリンゴとして描写されるが、聖書の中では明らかにされていないクルアーンでは、許されざる木の名前に言及されていない[要出典]。 聖書では誘惑者であり、キリスト教徒はこれを悪魔とみなすが、ユダヤ教徒にはそう考えない者もある。クルアーンでは、誘惑者悪魔イブリースである。 聖書では、神は人間を神自身かたどって生み出すが、天使平伏命じないクルアーンアッラーフは、アーダムを自らをかたどらず生み出しアーダム前に平伏するよう天使に言うが、悪魔拒否をする。

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