とんぼ_(長渕剛の曲)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > とんぼ_(長渕剛の曲)の意味・解説 

とんぼ (長渕剛の曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/13 15:52 UTC 版)

長渕剛 > 作品リスト > とんぼ (長渕剛の曲)
「とんぼ」
長渕剛シングル
初出アルバム『昭和
B面 「STAY DREAM ('88 TOKYO DOME Live Version)」
リリース
規格
ジャンル
時間
レーベル 東芝EMI/エキスプレス
作詞・作曲 長渕剛
チャート最高順位
  • 週間1位(5週連続・通算7週、オリコン
  • 1988年11月度・12月度月間1位(オリコン)
  • 1988年度年間16位(オリコン)
  • 1989年度年間3位(オリコン)
  • 1位(ザ・ベストテン
  • 1988年12月度月間1位(ザ・ベストテン)
  • 1988年度年間20位(ザ・ベストテン)
  • 1989年度上半期4位(ザ・ベストテン)
長渕剛 シングル 年表
NEVER CHANGE
(1988年)
とんぼ
(1988年)
激愛
(1989年)
昭和 収録曲
EANコード
テンプレートを表示

とんぼ」は、日本シンガーソングライターである長渕剛の楽曲。

1988年10月26日東芝EMIのエキスプレスレーベルから20枚目のシングルとしてリリースされた。前作「NEVER CHANGE」(1988年)よりおよそ5か月ぶりにリリースされた作品であり、作詞・作曲は長渕、編曲は瀬尾一三および長渕が担当している。「乾杯」(1988年)と共に長渕の代表曲の一つである。

東京に憧れて上京した者の挫折と苦悩を描いた曲であり、アコースティック・ギターをメインとしたミドルテンポのフォークロックナンバーとなっている。長渕主演のTBS系テレビドラマ『とんぼ』(1988年)の主題歌として使用され、オリコンチャートでは5週連続1位を獲得、売り上げ枚数は103.5万枚を記録しミリオンセラーとなった。同ドラマにおいて長渕は初めてヤクザ役を担当し、最終回では視聴率21.8%を記録した。

オリジナル・アルバム昭和』(1989年)からの先行シングル。それ以降では、ベスト・アルバムいつかの少年』(1994年)、『BEST〜空〜』(2002年)、『Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。』(2014年)などに収録されている。

音楽性と歌詞

地方から都会に憧れて上京してきた者達の挫折と苦悩を歌い上げた楽曲。とんぼを幸せの象徴と捉え、手の届かないものとして描いている。

アレンジはアコースティック・ギターをメインとし、わずかにシンセサイザーのストリングスを使用しており、ミドルテンポでフォークロック調の曲となっている。

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「間奏のくだりは誰しもが聴き覚えのあるものだろう。東京に憧れた男の挫折と苦悩のストーリーは、聴く者の胸に熱く響く[1]」、「憧れの大都会・東京へ来たものの思い描いた夢への道を迷い、もどかしさばかりの日々を過ごす青年を描くが、それは長渕自身の投影か[2]」と表記されている。

リリース

1988年10月26日東芝EMIのエキスプレスレーベルより、7インチレコードおよびカセットテープ8センチCDの3形態でリリースされた。

両面とも演奏時間がシングルレコード盤の収録時間を越えるため、センターホールの大きいシングル盤でありながら33回転という特殊な形態での発売となったが、CDシングルは8センチ盤で発売された。B面曲の「STAY DREAM」は明治製菓「BODY」CMテーマソングとしても使われた。1988年6月19日、初の東京ドームでのライブ音源。フルバンドでのこの曲のアレンジはこのバージョンのみである。

アルバム『昭和』(1989年)収録バージョンはミックスが異なっており、全体的にエコーが抑えられ乾いた音質になっている。

批評

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
CDジャーナル肯定的[1][2]

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「男・長渕、その本人を象徴するような勇ましい一曲。(中略)反骨精神が如実に表われているのもいい[1]」、「プロ野球で活躍した清原選手の応援歌としても広く知られる長渕の代表曲だ[2]」と評されている。

チャート成績

オリコンチャートでは最高位1位、登場回数31回となり、売り上げ枚数は103.5万枚とミリオンセラーになり、細川たかしの「矢切の渡し」(1983年[注釈 1]以来5年ぶりのシングルのミリオンセラーとなった[4]

ラジオでの歌謡曲ランキング番組では年間チャートにて1988年(昭和63年)、1989年(昭和64年、平成元年)ともに上位にランクインした。

2005年NHKが実施した「スキウタ〜紅白みんなでアンケート〜」で白組70位にランクインされた。

受容

プロ野球選手時代の清原和博が、巨人並びにオリックス在籍時の入場テーマ曲として使用していた[注釈 2]。所属時には流れ切れなかったサビの部分がファンによって歌われた。長渕は2008年10月1日に、京セラドーム大阪にて行われたオリックス・バファローズ福岡ソフトバンクホークス戦後に行われた清原の引退セレモニーに参加し、生演奏・歌唱を行った[5]

ライブ・パフォーマンス

リリース以来、ほぼ全てのライブにて演奏されており、ライブでの演奏率は3位となっている[6]

また、本作に関するテレビ出演は以下の通りとなっている。

メディアでの使用

長渕自身が出演したTBS系テレビドラマとんぼ』(1988年)の主題歌として使用された。『とんぼ』撮影開始の二、三ヶ月前に長渕は演出家の大岡進の元を訪れ、突然カセットテープを取り出し「この曲を聴いてくれ」と要求した[14]。その時点では主題歌として使用するのか、ドラマのイメージを歌にしただけなのかは決まっていなかったという[14]。また、劇中で使用されている音楽は全て長渕が作曲、演奏を行っており、用意した曲がシーンに合わない場合は「一晩待ってくれ」と要求して次の日に七曲から八曲ほど制作していた[15]。大岡は「テレビドラマでアコースティックギターだけの劇伴はすごくめずらしい」と語っている[15]

1997年1月24日には『とんぼ』(1988年)の続編となるフジテレビ系テレビドラマ『英二ふたたび』(1997年)が放送され、再び主題歌として使用された[16]

1999年5月1日には映画『ウォータームーン』(1989年)以来、およそ10年ぶりとなる長渕の主演映画『英二』が公開され、三度主題歌として使用された。

2007年には、サントリー缶コーヒー飲料「BOSS」の、ジャンパープレゼントのキャンペーンソングとしてオンエアされている。

カバー

シングル収録曲

レコード、CD版
全作詞・作曲: 長渕剛。
#タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
1.とんぼ長渕剛長渕剛瀬尾一三、長渕剛
2.STAY DREAM ('88 TOKYO DOME Live Version)長渕剛長渕剛中西康晴
合計時間:
カセットテープ版
A面
全作詞・作曲: 長渕剛。
#タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
1.とんぼ長渕剛長渕剛瀬尾一三、長渕剛
2.とんぼ(オリジナル・カラオケ)長渕剛長渕剛瀬尾一三、長渕剛
合計時間:
B面
全作詞・作曲: 長渕剛。
#タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
1.STAY DREAM(ライヴ・ヴァージョン)長渕剛長渕剛中西康晴
合計時間:

参加ミュージシャン

楽曲の収録作品

スタジオ音源
ライブ音源
ライブ映像
  • 『カラス LIVE from '90 - '91 JEEP TOUR』(1991年)
  • 『LIVE'92 "JAPAN" IN TOKYO DOME』(1992年)
  • 『9.7 in 横浜スタジアム LIVE 2002』(2003年)
  • 『SAKURAJIMA』(2004年)
  • 『LIVE at YOYOGI NATIONAL STADIUM ARENA TOUR 2010 - 2011 "TRY AGAIN"』(2011年)
  • 『富士山麓 ALL NIGHT LIVE 2015』(2016年)

脚注

注釈

  1. ^ 「矢切の渡し」は1984年2月6日付にてミリオン達成。以降、1989年4月10日付にて「とんぼ」がミリオン達成するまで、5年2ヶ月間ミリオン達成がなく[3]、オリコン史上もっとも長期の空白であった。
  2. ^ 「死にたいくらいに憧れた 花の都大東京」の一節を、自分が子供の頃から巨人軍に憧れていた事に重ね合わせたもの。

出典

  1. ^ a b c 長渕剛 / シングルスVol.3(1988~1996) [2CD]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2019年1月27日閲覧。
  2. ^ a b c 長渕 剛 / Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。 [4CD]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2019年1月14日閲覧。
  3. ^ 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年 - 平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、46頁。ISBN 4871310256
  4. ^ オリコン・ウィークリー(編) 1991, p. 19.
  5. ^ 清原引退試合で長渕剛が生「とんぼ」”. Nikkansports.com. 日刊スポーツ新聞社 (2008年9月13日). 2018年12月9日閲覧。
  6. ^ 長渕剛のライブ定番ソング”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2019年1月26日閲覧。
  7. ^ HEY!HEY!HEY! [O/A LIST 99/10/18]”. フジテレビジョン. 2018年11月11日閲覧。
  8. ^ 保存番組検索結果”. NHKクロニクル. NHK. 2018年11月23日閲覧。
  9. ^ 【芸能界不仲説】明石家さんまと長渕剛はマジで仲が悪い!?【検証】”. エントピ. Candle.inc (2015年11月18日). 2018年11月25日閲覧。
  10. ^ 長渕剛「嵐にしやがれ」に2週連続出演、嵐とあの名曲大合唱”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2012年1月22日). 2018年12月16日閲覧。
  11. ^ 番組史上初! 長渕 剛が『嵐にしやがれ』に2週連続で出演!”. CDジャーナル. 音楽出版社 (2012年1月23日). 2018年12月16日閲覧。
  12. ^ 1月28日放送「嵐にしやがれ」に長渕剛が再登場! 名曲“とんぼ”を合唱”. タワーレコードオンライン. タワーレコード (2012年1月24日). 2018年12月16日閲覧。
  13. ^ 長渕剛「音楽の日」出演決定、新曲初披露&「とんぼ」歌唱”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2017年7月10日). 2019年1月27日閲覧。
  14. ^ a b 文藝別冊 2015, p. 132- 須田愉一「TVドラマ『とんぼ』の時代」より
  15. ^ a b 文藝別冊 2015, p. 136- 須田愉一「TVドラマ『とんぼ』の時代」より
  16. ^ 英二ふたたび - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2018年11月23日閲覧。
  17. ^ “ヘイ、アニキ!”と長渕剛を慕うアーティストが集まったトリビュート盤が完成!”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2004年3月19日). 2020年12月27日閲覧。
  18. ^ ヒップホップ、パンク、レゲエ、アカペラ…、多彩に顔ぶれによる長渕剛トリビュート・アルバム Hey ANIKI!”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2004年4月28日). 2018年11月22日閲覧。

参考文献

外部リンク


「とんぼ (長渕剛の曲)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「とんぼ_(長渕剛の曲)」の関連用語

とんぼ_(長渕剛の曲)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



とんぼ_(長渕剛の曲)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのとんぼ (長渕剛の曲) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS