ご自愛ください
ご自愛ください(ごじあいください)とは、自分自身を大切にし、健康や安全に注意するようにという意味の敬語表現である。主に、他人に対して健康や安全面での注意喚起や、自己管理の重要性を伝える際に用いられる。また、別れの挨拶や手紙の結びの言葉としても使用されることがある。
この表現は、自分自身を「自」と、大切にすることを「愛する」という言葉を組み合わせて作られており、「くださる」という敬意を示す言葉が付け加えられている。そのため、相手に対して敬意を払いながら、自己の健康や安全を気遣うよう促すことができる。
ご自愛くださいは、日常生活やビジネスシーンで幅広く使われる表現であり、特に上司や先輩、年配の方に対して、健康や安全を気遣う際に適切な言葉とされる。また、友人や知人に対しても、丁寧な言葉遣いをすることで、相手への気遣いや敬意を示すことができる。
ご自愛下さい
「ご自愛下さい」とは・「ご自愛下さい」の意味
「ご自愛ください」とは、相手に向けて「自分の健康に気を配ってください」「自分の体を大切にしてください」と伝える言葉である。口語ではほとんど使われていない。主にビジネスシーンやかしこまった場において、目上の人物や客先へ宛てるメール・手紙の結びの言葉として使われている。季節に合わせた言い回しとセットで使われることが基本である。しかし、新型コロナウイルス感染拡大以降は新型コロナウイルスの影響を気遣う言い回しとセットで使われることも増えている。「ご自愛下さい」の熟語・言い回し
「ご自愛ください」の熟語・言い回しは多くある。どの言い回しにも共通することは、「ご自愛ください」は基本的に元気な人に向けて使う言葉であるということだ。すでに体調を崩している、なんらかの理由で元気ではない人に向けて使う言葉ではない。体調を崩している人には「ご自愛ください」ではなく「一日でも早いご回復をお祈りいたします」など、体調の回復を祈る表現を使う。また、同じ読みである「慈愛」は「自愛」と意味が異なるため、「ご慈愛ください」とは使わない。2つの言葉を混同しないよう注意が必要である。どうぞご自愛下さいとは
「どうぞご自愛ください」とは、ご自愛くださいに副詞の「どうぞ」を付けくわえた言い回しである。「どうぞ」は相手に対し丁寧にお願いし、なにかをすすめる気持ちを表す言葉である。そのため、「どうぞご自愛ください」という言い回しは「ご自愛ください」のみに比べると、より丁寧で心から相手の健康を願う印象になる。
丁寧な表現として足すほかに、メール・手紙などの結びの言葉において「ご自愛ください」だけでは味気ない印象になったり、文章間の繋がりが悪いときに「どうぞ」を付け足すこともある。その場合、「時節柄お忙しいかと存じますが、どうぞご自愛ください。」「残暑で辛い時期ですが、どうぞご自愛ください。」といったように、「ですが」「が」といった接続詩のあとに続けて使うことが多い。「どうぞ」に似た言葉として、「どうか」「なにとぞ」という副詞もある。「どうか/なにとぞご自愛ください」といった言い回しもある。
どうぞご自愛下さいませとは
「どうぞご自愛くださいませ」とは、どうぞご自愛くださいに助動詞「ます」の命令形である「ませ」を付けくわえた言い回しである。「ませ」は動詞の尊敬語に続けて使うことで、丁寧な気持ちを込めながら相手になにかを要求する意味を持つ。「どうぞご自愛ください」と意味合いは同じだが、「ください」といった言い切りの表現を避けたい場合に使われることが多い。
「ご自愛ください」は丁寧語であるため、目上の人に使う場合も「ください」という言い切りの表現で問題はない。しかし、文面や言葉の流れなどで、「ください」では命令口調に聞こえると感じる場合に「くださいませ」と表現することで柔らかい印象になることがある。「くださいませ」に近い言い回しでは「くださいますように」などもある。丁寧な表現は使いすぎるとくどい上にわざとらしくなりやすく、うわべだけ丁寧で慇懃無礼と感じさせてしまう可能性もある。「くださいませ」も丁寧な表現ではあるが、わざとらしくならないよう多用は避けるなど、使いどころには注意が必要である。
くれぐれもご自愛くださいとは
「くれぐれもご自愛ください」とは、ご自愛くださいに副詞の「くれぐれも」を付けくわえた言い回しである。「くれぐれも」は大きく分けて2つの意味を持つ。「心を込めて物事が悪くならないよう何度もお願いすること」と「ミスなどのよくない出来事を決して繰り返すことがないよう何度も忠告すること」である。「くれぐれもご自愛ください」では、前者の「心を込めて物事が悪くならないよう何度もお願いすること」という、相手を気遣う意味で使われている。
「くれぐれも」は「どうぞ」と似た意味の言葉ではあるが、「くれぐれも」の場合は相手に「何度も」丁寧にお願いをするという、念押しのような意味を持つ。そのため「どうぞ」に比べて、より相手の健康を気にしたり、体調不良に対して用心するようお願いしている印象になりやすい。
メール・手紙の結びの言葉としては、「変異株のコロナウイルスが流行しておりますので、くれぐれもご自愛ください」「ご多忙かと存じます。くれぐれもご自愛ください」といったように、体調不良に繋がりやすい理由に対して、ぜひ体調には用心してほしいといった意味で使われることが多い。
ご自愛下さいませとは
「ご自愛下さいませ」とは、ご自愛くださいの「ください」を命令形である「下さいませ」に変えた言い回しである。「下さいませ」という言い回しに変えることにより、「ください」に比べて丁寧さや、かしこまった印象を与える。「下さいませ」の表記は、ひらがなの「くださいませ」でも問題はない。しかし、公用文では「ください」と「下さい」を意味によって使い分けている。「下さい」は、相手に物や行為を求める場合に使われる。たとえば「~して下さい」などである。
「ください」は、「御(お/ご)」をつけた動詞のあとに続けて使う場合に使われる。たとえば「ご注意ください」などである。
なぜこのように使い分けるかというと、後者の「御(お/ご)」+「動詞」で使う場合、動詞のあとに直接「下さい」が続くためである。動詞のあとに直接「下さい」が続くと、動詞の漢字表記に続いてしまい読みづらくなることがある。たとえば、「ご注意ください」と「ご注意下さい」を比べると、前者のほうが読みやすいと感じる人が多い。こういった文章上の読みやすさの点から「下さい」と「ください」を使い分けるケースがある。
「ご自愛下さいませ」についても同様で、読みやすさのため「くださいませ」とひらながで表記することが多い。とはいえ、漢字・ひらがな表記に正式な決まりはないため、「ご自愛下さいませ」についても文章の流れや時代に合わせ、柔軟に漢字とひらがなの表記を使い分ける必要がある。
お体ご自愛下さいとは
「お体ご自愛下さい」とは、ご自愛くださいに「お体」を付けくわえた間違った言い回しである。「ご自愛ください」は「体に気を付けてほしい」といった意味であるため、「お体」を付けくわえると「体」という意味が重複する。そのため、「ご自愛ください」を使う場合は「お体」という言葉は不要である。
間違った用法では気遣いの言葉が伝わらない可能性がある。そのため、「ご自愛ください」を使う場合は「お体」を付けないよう気を付けるべきである。もし「お体」を使う場合はご自愛を使わず、「お体にお気を付けください」「お体を大切になさってください」などといった表現を使う。
「ご自愛下さい」の使い方・例文
・春になり新しい生活で緊張が続くかと存じます。くれぐれもご自愛ください。・三寒四温の折、なにとぞご自愛ください。
・暑い日が続きますが、どうぞご自愛くださいませ。
・まだまだ猛暑がつづくようです。皆様くれぐれもご自愛ください。
・残暑が厳しい時期ですが、どうぞご自愛ください。
・朝晩の冷え込みが厳しい季節となりました。くれぐれもご自愛ください。
・冷え込みが厳しくなってまいりました。くれぐれもご自愛ください。
・今年もいよいよ年の瀬が押し迫り、ご多忙のことと存じます。どうぞご自愛ください。
・先が見通しづらい状況ではありますが、どうかご自愛ください。
・空気が乾燥し、新型コロナウイルスによる影響も拡大する恐れもあります。くれぐれもご自愛くださいませ。
ご自愛ください
別表記:御自愛下さい、ご自愛下さい
「ご自愛ください」とは、自分の身体を大切にしてください・自分自身のことを大事にしてくださいという意味を込めて相手の健康や体調を気遣う気持ちを伝えることを意味する表現。 手紙や電子メールの結びの挨拶として、あるいは口頭表現としてもよく用いられる。
「ご自愛ください」の基本的な意味
「ご自愛ください」の「自愛」とは、字面通り「自分を愛すること」「自分自身を大切すること」「自らの心身をケアすること」を意味する語である。「ご自愛ください」は、基本的には「健康には十分に気をつけてください」「体調を崩されませんように」「自分の体を粗末に扱ってはいけませんよ」といった意味合いを込めて用いられる。
「ご自愛ください」の例文・使い方
「ご自愛ください」という言い方は、体調を気遣う意味で使われやすいが、心身両面を気遣う言い方として使える。
体を気遣う用法
たとえば季節の変わり目には、気温の急な変化などによって体調を崩しやすくなる。あるいは、人生の節目には生活環境が変わって体調を蔑ろにしがちになる。そのような状況を気遣う表現として「ご自愛ください」が用いられる場合は多い。心を気遣う用法
身体的健康だけでなく、精神的健康を気遣う意味でも使える。心身両面を気遣う用法
「体の健康」と「心の健康」を特に区別せず、心身両面を気遣う表現として「ご自愛ください」が意味を持つ使い方もできる。「自愛」 の対義語
「自愛」の対義語に位置づけられる言葉としては「自暴」や「自棄」が挙げられる。「自暴自棄(じぼうじき)」には「自重自愛(じちょうじあい)」が対比される。
「ご自愛ください」は目上の人にもそのまま使える
「ご自愛ください」の「ご~ください」という語形は尊敬表現である。つまり「ご自愛ください」という言い方は、目上の者に対してもそのまま使える。「ご自愛ください」よりも上位の(より丁寧な)表現は特にない。あえて丁寧さを増す表現を挙げるとすれば、「くれぐれも」「なにとぞ」「ご自愛ください-ませ」のように、前後に文飾の要素を加えることで恭しさを増すことはできる。
友人や目下の人に「ご自愛ください」もメール等では違和感なく使える
「ご自愛ください」は尊敬表現のニュアンスがある。そのため、友人や同僚などの対等な関係あるいは目下の者などに対するくだけた会話の中では用いにくい。それまで相手にため口で喋っていた使っていた場合は「ご自愛ください」が浮いてしまう。手紙や電子メールなどの改まった文面の中では、友人や目下の相手に対して「ご自愛ください」という表現を使っても違和感は出にくい。
「ご自愛ください」の代わりに使える表現としては、たとえば「健康にはくれぐれも気をつけて」「体調を崩さないように」といった言い方が使える。要は「自愛」という雅な語彙を敢えて選ばずに普段の表現を用いて相手を気遣う気持ちを表現すればよい。
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