「標的艦」摂津とは? わかりやすく解説

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「標的艦」摂津

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 18:20 UTC 版)

摂津 (標的艦)」の記事における「「標的艦」摂津」の解説

1921年大正10年11月からはじまったワシントン海軍軍縮会議当時アメリカ日本海軍長門型戦艦2番艦「陸奥」を未完艦とみなし(会議中日本主張により既成艦と認める)、日本保有可能し得る主力艦計上していなかった。日本側は強く反発し、「摂津」を犠牲にして「陸奥」を復活させる意向であった1922年大正11年2月6日各国ワシントン海軍軍縮条約締結に至る。日本海軍保有主力艦戦艦)は10であった。すなわち金剛型金剛比叡榛名霧島)、扶桑型扶桑山城)、伊勢型伊勢日向)、長門型長門陸奥)と定められ、「陸奥」の代艦として「摂津」は退役させられることとなった。だが廃艦にする主力艦のうち1隻は標的艦変更することが出来たため、日本側は「摂津」をあてた。 同年3月大正天皇皇后貞明皇后)は香椎宮参拝する。「摂津」は皇后御召艦となるが、これは艦内余裕があったこと、関門海峡通過しやすかったこと、先に摂津」が大正天皇御召になった事がある、などの観点から決められたという。3月9日葉山出発した皇后は、19日以降香椎宮筥崎宮大宰府天満宮参拝する23日皇后門司港から駆逐艦」に乗艦つづいて摂津」に移乗した。皇后3月24日から26日にかけて、江田島海軍兵学校行幸する当時兵学校校長鈴木貫太郎中将)には高松宮宣仁親王大正天皇三男)が生徒として在籍していた。26日朝、皇后摂津)は江田島出発神戸港で退艦した。 1923年大正12年10月1日摂津軍艦籍および艦艇類別等級表より除籍された。標的艦特務艦)に類別変更される。この類別変更にともない主砲装甲など戦闘艦としての装備全廃した。同時期、海岸要塞砲の整備計画すすめていた日本陸軍は、日本海軍要塞砲製造依頼していた。陸海軍調査協議結果、「保転砲」として数隻分の艦載砲陸上要塞砲に転用することが決まる。摂津50口径12インチ連装砲2基(前後砲)は陸軍クレーン船蜻州丸せいしゅうまる)」によって長崎県対馬要塞まで運搬される。同要塞の竜ノ崎砲台設置され一号後部砲塔)は1929年昭和4年)に、二号前部砲塔)は1935年昭和10年)に完成した45口径12インチ連装砲4基(舷側砲)は予備品として分解保存された。なお、12センチ砲1門が福岡県香椎宮寄贈されいまなお保存されている。 標的艦となった当初の「摂津」は、自身標的となるのではなく標的となる目標曳航するのが任務であった一例として、摂津標的艦土佐加賀型戦艦2番艦)を自沈地点まで曳航する任務にも従事した標的艦となった摂津であったが、数年後には予備艦となり呉軍港で係留された。 一方日本海軍ドイツ戦艦無線操縦成功したとの情報1921年得て研究着手1928年には電動機電池用いたシステム駆逐艦卯月」での実験成功した。またアメリカ海軍戦艦ユタ標的艦改造しドイツ海軍戦艦テューリンゲンドイツ語版英語版)も標的艦改造されていた。これらは無線操縦無人航行が可能であったが、そのためにはボイラー自動制御が必要であった日本海軍ドイツ海軍からボイラー自動燃焼装置制御装置)を輸入舞鶴海軍工廠試作品をつくり、同工廠で建造中の初春型駆逐艦夕暮1934年5月6日進水1935年3月30日竣工)に装備して実験重ねた完成品呉海軍工廠送られ摂津装備された。

※この「「標的艦」摂津」の解説は、「摂津 (標的艦)」の解説の一部です。
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