「標準車両」の登場
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「通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン」の記事における「「標準車両」の登場」の解説
「標準車両」の礎を作ったのはJR東日本の209系およびE217系であり、E231系はこれらの改良発展型であった。 東急5000系(5102F)が、本格的な「標準車両」誕生への第一段階であった。後に小田急電鉄3000形や帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)08系などが登場した。いずれも客用扉の間隔は3,520mmで、電動機出力は東急5000系が190kW、小田急3000形が180kW(3次車から190kWへ変更)、営団08系が165kWである。東急5000系はE231系を基本とする車両であるが、5102F以降は後にこのガイドラインに基づいて扉間隔3,520mmに変更した。 標準車両ガイドラインとは少し異なる車両であるが、2003年に類似のものとして京成電鉄の3000形も登場した。この形式は日本車輌製造#日車式ブロック工法(日車式SUSブロック構体)の採用に加え、独自の「京成グループ標準車両」として京成グループ各社の標準車体仕様としており、新京成電鉄のN800形や北総鉄道の7500形なども登場している。 その他に、関東では京浜急行電鉄新1000形(6次車)が、関西でも南海電気鉄道の8000系(2代)が登場した。ドア・窓などは東急車輛製造(現・総合車両製作所)の標準的なものであるが、窓については東急車両の製造した他社の車両とは大きさに微妙な違いがあるほか、車体中間部においては独自配置の下降窓としたり、窓は従来通りブラインドが設置されているなどの差異がある。側面スタイルは東急車輛製の他の一般車に類似したスタイルである(車体幅・車体長や足回りはどちらも在来車に合わせたものであり標準仕様ガイドラインと全く同一ではないものの、後者は客用扉の中心間隔は標準仕様ガイドラインに準拠した4,820mmとされた)。 このほか、ガイドライン制定前に登場した京王電鉄9000系で、2006年 - 2009年に新製した都営地下鉄新宿線直通対応編成である車両番号末尾30番台(9730F~9749F)の車両は、客用扉の変更や妻面の窓を廃止している。 関西では、阪急電鉄が9000系・9300系、および後継車種である1000系・1300系では、内装などにおいて従来の阪急の仕様を踏襲しつつ、日立製作所の標準設計である「A-train」を採用した。ほかにも、京阪電気鉄道が3000系で、西日本旅客鉄道(JR西日本)が225系および521系(3次車)・227系・323系(いずれも川崎重工業製)でA-trainに類似したコンセプトを持つ川崎重工業の標準設計である「efACE」を採用している。ただし、阪急や南海と同様に標準仕様ガイドラインと全く同じものではない。 京阪電鉄では、前述の川重のefACE車体ではあるが、内装に一部「標準車両」の思想を取り入れた13000系も存在する。
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