ガイドライン制定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 03:21 UTC 版)
「女子柔道強化選手への暴力問題」の記事における「ガイドライン制定」の解説
6月11日には全柔連の理事会が開かれて、山下が責任者を務める「暴力の根絶プロジェクト」が提出したガイドライン及び今後に向けた工程表が承認されることになった。殴る蹴るのみならず言動での威圧や「しごき」も暴力と定義付けて、3度繰り返せば会員登録を停止、重大な暴力を振るった場合は一度で永久追放処分とすることになり、9月から適用される運びとなった。また、女性理事を複数登用することも決まったが、具体的な人選は持ち越された。8月に新設される常務理事会では女性と外部有識者を加えるともに、意思決定の迅速化を図るために毎月会合を持つことも決まった。 理事会後の記者会見では全柔連の上村の会長続投が表明されることになった。一度は辞意を示唆しながら結果として続けることになったのは、理事会内で組織改革を最優先すべきとの声が強かったことなどを挙げ、「『(改革を)できるのか』と思われるかもしれないが、やりきる。この問題に決着をつけ、次の世代に受け渡した時に(進退を)考えたい。」「決して会長職にしがみついているわけではなく、柔道界に私が不必要だとなれば去る」との見解を示した。実際、理事会において理事の1人から「人心を一新すべき」との発言がなされたものの、他の理事からは続投支持や改革の早期実行を求める声ばかりだったという。一方で、全柔連の評議員を務める千葉県柔道連盟会長の了徳寺健二はこの決定に関して、「それでは済まないことを分かっていない悲しさ。国民、真の柔道家は決して同調することはありません。」「全柔連の理事会はイエスマンばかりで、機能停止、思考停止に陥っている。一日も早く解散させる必要がある。」と非難して、25日の評議員会で執行部の解任を要求する考えがあることを明らかにした。関東地区7県の柔道連盟会長も同様の意見を有しているという。さらに文部科学省にも執行部一新を働きかけていく意向を示した。 6月20日には衆議院の青少年問題特別委員会に部会長の山口香とバルセロナオリンピック52 kg級銀メダリストである静岡文化芸術大学准教授の溝口紀子が出席して、一連の騒動について説明を行った。その後山口は、25日に開かれる全柔連評議員会で理事解任の声が一人でも多く上がることに期待感を寄せるコメントを残した。 6月21日には全柔連が開いた暴力根絶セミナーにおいて、山口は「暴力根絶は重要課題ですが、その前にやるべきことがあります。現在の問題に連盟としてどう向き合うのか。」と講師を務めた山下に問い質すとともに、「指導者がちょっと暴力を振るえば処分されることになる一方で、理事の責任は問われない」と疑問を投げかけた。 6月22日には日本武道館で開催された全日本学生優勝大会において、全柔連副会長であり全日本学生柔道連盟会長でもある佐藤宣践が「執行部の1人として、多くの方々にご迷惑をおかけしていることを心からお詫びします」と謝罪の意を示した。
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