東京都
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交通
空路
空港
東京都内には、東京国際空港、調布飛行場、大島空港、三宅島空港、八丈島空港、新島空港、神津島空港の各空港が存在する。
東京国際空港(羽田空港)は大田区南部に所在する日本最大の空港であり、世界でも有数の規模を有する。1978年5月の成田国際空港開港以降は日本の国内線を中心としているが、2010年10月に現在の第3ターミナルに当たる新国際線ターミナルビルが完成した。都心部との距離が近いため、日本政府の政府専用機や、国賓級の乗客が利用する外国政府の特別機も東京国際空港を使用することが多い。都心部との交通手段として東京モノレールと京急電鉄がターミナル直下に乗り入れるほか、リムジンバスが都内の主要駅や主なホテル、近隣県の主な駅との間を結んでいる。他に路線バスやタクシーなどの連絡手段も利用される。
羽田空港発着以外の航空便は千葉県成田市に所在する成田国際空港が最寄りとなる。国際線が主体となっているが、2012年にLCCが就航してからは国内線も大幅に強化された。東京都心との連絡手段は、開港当時には東関東自動車道経由のリムジンバスと、ターミナルから離れていた当時の成田空港駅(現:東成田駅)まで乗り入れていた京成電鉄のスカイライナーに限られていたが、1991年3月から空港ターミナル直下にJR東日本と京成電鉄が乗り入れるようになり、連絡状況は向上した。しかし東京都の都心部からはなお1時間程度を要することもあり、2010年7月に成田高速鉄道アクセスが開業した。これにより所要時間が日暮里駅から最速で約36分まで短縮された。
多摩地域には調布飛行場があり、新中央航空が伊豆諸島へ少数の定期便を運航している。他の空港は島嶼部の空港である。伊豆大島にある大島空港には、調布飛行場、八丈島空港へ定期便が運航している。三宅島空港は、調布飛行場へ定期便が運航している。八丈島空港は、羽田空港へ定期便が運航している。新島空港と神津島空港は、調布飛行場への定期便が運航している。小笠原諸島には空港が存在せず、交通状況の改善のために空港を建設すべきか、自然保護を優先すべきか、論争を引き起こしている。
また、伊豆諸島では東京愛らんどシャトルが就航している。
陸路
鉄道
東京都に所在する駅数は654駅であり、日本の都道府県で最も駅数が多く、最も面積が広い北海道(522駅)と比較しても100駅以上多い。世界有数のインフラ発達地域である。
東京都の区部は東日本旅客鉄道の山手線が環状運転を行っており、沿線を環状に連なる東京駅、上野駅、池袋駅、新宿駅、渋谷駅、品川駅などの各駅が鉄道各線を結節するターミナル駅として機能している。山手線の東側は京浜東北線、横須賀・総武快速線 と上野東京ライン(東海道線・宇都宮線・高崎線・常磐線)が、西側は埼京線と湘南新宿ラインが並走する。山手線の内側は中央線快速、中央・総武緩行線のほか、東京地下鉄と都営地下鉄による地下鉄13路線が縦横無尽に張り巡らされている。地下鉄路線のうち10路線は相互直通運転を行っており、多摩地域のほか埼玉県、千葉県、神奈川県まで直通列車が終日運行されている。
世界一の乗降人員を記録する新宿駅は都心西部(新宿副都心)の中心的な駅であり、中央線の他に京王線と小田急小田原線が当駅と多摩地域を接続する。東京の玄関口である東京駅は東海道新幹線、東北新幹線を始めとする新幹線の起点であり、特定都区市内および東京山手線内の中心駅とされている。
関東地方に本社を所在する大手私鉄9社すべての列車が区部に乗り入れ、うち8社が自社路線を有する。設立や路線建設の経緯から路線網の大半が区部にある東京地下鉄のほか、小田急電鉄、京王電鉄、京浜急行電鉄、京成電鉄、西武鉄道、東急電鉄、東武鉄道の各社路線が区部に乗り入れ、そのほとんどの主要路線は山手線と接続する。その一方で東武伊勢崎線は営業キロが100キロメートルを超える長大路線でありながら山手線の接続駅を有しないが、1962年に北千住駅を介して営団地下鉄日比谷線(現:東京メトロ日比谷線)と相互直通運転を開始して利便性を確保している。北千住駅は山手線が通らない区部の駅で最も乗降人員が多く、同路線を含めて5路線が乗り入れる。大手私鉄の中で唯一東京都内での自社路線を持たない相模鉄道は2019年に開業した相鉄・JR直通線により新宿駅への乗り入れを果たした。この他、第三セクター鉄道として開業した首都圏新都市鉄道はつくばエクスプレスを運行して秋葉原駅に乗り入れ、放射系鉄道網の一つとなっている。
東京メトロと都営地下鉄の異なる2つの地下鉄事業者が走行しているが、これは日本国内では東京都が唯一である。
「放射系」の充実が進む一方、山手線を挟んだ東西のエリアでは南北方向の鉄道路線が乏しい状況が続いており、東京メトロ有楽町線の豊洲駅から同半蔵門線の住吉駅まで支線を伸ばす計画[55]や、「環状系」のメトロセブン、エイトライナーといった構想がある。
多摩地域は東京駅と新宿駅に直通する中央線の輸送人員が特に多く、京王井の頭線に接続する吉祥寺駅、南武線と青梅線に接続する立川駅、横浜線と八高線に接続する八王子駅にそれぞれ繁華街を有する。中央線の北側に西武新宿線と西武拝島線、南側に京王線と京王高尾線が並走し、いずれも新宿方面に線路が伸びる。一方で中央線を縦断する路線は少なく、武蔵野線と多摩都市モノレール線が挙げられる程度である。神奈川県に隣接する町田駅も多摩地域では有数のターミナル駅であるが、こちらは前後の駅を神奈川県に挟まれており、小田急小田原線が新宿方面とのアクセスを担っている。町田市内からは小田急線の北側に京王相模原線、南側に東急田園都市線が並走している。多摩ニュータウンの中心駅である多摩センター駅には京王相模原線と小田急多摩線が乗り入れる。どちらの路線も新宿駅に直通する列車が終日に渡って運行されており、競合路線となっている。
東京都内を運行する中量輸送機関には、東京モノレール羽田空港線、ゆりかもめ、日暮里・舎人ライナー、多摩都市モノレール線、都電荒川線、東急世田谷線があり、通勤通学や空港アクセスの機能を担っている。また、大量輸送機関である普通鉄道には中量輸送機関と大差のない輸送量や運行距離の路線もいくつかあるが、いずれも地域住民の生活に密着した存在として運行されている。
バス
東京都区部では東京都交通局が運行する都営バスが広範囲なバス路線を有している。
東京都内の路線バスは、事業区域を社局間である程度分けて運行されており、他県で見られるような路線の大幅な競合・共同運行などは比較的少ない。城東地区では東武バス、京成バスなどが、城北地区では東武バス、西武バス、国際興業バスなどが、城西地区は京王バス、小田急バス、西武バス、関東バスなどが、城南地区は京王バス、小田急バス、東急バス、京急バスなどの事業者が多数の路線を運行している。北多摩地域周辺では京王バス、小田急バス、西武バスなどが、西多摩地域では都営バス、西東京バス、立川バスなどが、南多摩地域では京王バス、小田急バス、神奈中バスなどが運行している。伊豆・小笠原諸島では一部の島において公営または民営の路線バスが運行されている。なお、一部の区市町村ではコミュニティバスを開設しているが、いずれもバス・タクシーなどの事業者へ運行を委託しているもので、自治体自らが運行することはない。
東京都区部と武蔵野市・三鷹市・調布市・狛江市の一般乗合バスは前乗り後降りの均一料金制だが、都営バスと民営バスで運賃が異なる。コミュニティバスは使用車両により乗車方法が異なるが、均一料金制を採っている。それ以外の地域は、基本的に後乗り前降りの対キロ料金制を採っているが、一部で自由乗降制を採っている路線も存在する。
なお、東京都では高齢者向けの福祉事業として東京都シルバーパスを発行しており、都営地下鉄、都営バス、都電、日暮里舎人ライナーのほか東京都内を運行する各社路線バス(一部除く)で利用することができる。長距離バスは、東京駅や新宿駅などの大規模ターミナル駅から、関東近県のほか本州各地への路線が多く発着している。
道路
東京都区部とその周辺地域には首都高速道路が建設されている。都心部は都心環状線と中央環状線の二重の環状線が取り巻いており、これらの環状線を貫く形で、1号羽田線、2号目黒線をはじめとする放射線が都心部から外周部へ向けて延びている。これらの放射線の多くは、外周部において東日本高速道路株式会社および中日本高速道路株式会社が管理する高速道路と接続している。都内の他の高規格幹線道路・地域高規格道路は、新滝山街道を除き、東日本高速道路株式会社および中日本高速道路株式会社が管理している。都内の高速道路にサービスエリアは存在しない。
航路
港湾
東京港は日本の主要港の一つでありスーパー中枢港湾の指定を受け、横浜港や川崎港と一体となった「京浜港」として京浜工業地帯の経済活動を支えている。東京港内の竹芝埠頭には旅客ターミナルが整備され、ここから伊豆諸島へは東海汽船が、小笠原諸島へは小笠原海運が就航して、区部と島嶼部を結ぶ交通結節点となっている。また、臨海部では国内遠距離航路のフェリーや貨客船を扱う東京港フェリー埠頭に加え、2020年に開業した東京国際クルーズターミナルによる国際クルーズ船の誘客が目指されているが、新型コロナウイルス問題による東京オリンピックの開催延期や外国人の入国制限などにより遊休状態にある。また、主に観光目的で東京湾から隅田川にかけての航路が整備されているが、旧東京市内の東部に広がっていた河川や運河の水路網は戦後復興におけるがれき処理などで大半が埋め立てられ、東京都内での内水路利用は大阪と比較すると非常に限定的である。
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山梨県 | 千葉県 | |||
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神奈川県 |
注釈
- ^ 海上を隔てて隣接。
- ^ 法に基づく「日本の公式な首都」ではないため、首都機能が集中する「事実上の首都」。詳細は日本の首都を参照。
- ^ 都庁所在地を23区全域とする見解があり、その場合は単に東京と記載される。
- ^ 「多摩26市」ともいう[5]。
- ^ 例として、市町村が行える消防・上水道事務は、東京23区内においては、それぞれ東京都が設置した東京消防庁や東京都水道局が行っている。また、通常は市町村税である固定資産税や市町村民税法人分は、東京都においては都が徴収する都税とされており、都が一括して徴収した後、地方自治法が定める「都区財政調整制度」に基づき、都と各特別区に配分される。
- ^ ただし、具体的な対応は出版社ごと、あるいは同じ出版社であっても地図ごとに異なることがある[13]。
- ^ 裁判官弾劾裁判所、裁判官訴追委員会、国立印刷局、統計センター本部、国立公文書館本部、国立病院機構本部、製品評価技術基盤機構本部、駐留軍等労働者労務管理機構本部、日本銀行本店、勤労者退職金共済機構本部、高齢・障害・求職者雇用支援機構本部、福祉医療機構本部、労働政策研究・研修機構本部、日本貿易振興機構本部、原子力安全基盤機構本部、国際観光振興機構本部、自動車事故対策機構本部、医薬品医療機器総合機構本部、情報通信研究機構本部、国立青少年教育振興機構本部、国立文化財機構本部、情報処理推進機構本部、日本高速道路保有・債務返済機構本部、年金積立金管理運用本部、国立高等専門学校機構本部、大学評価・学位授与機構本部、石油天然ガス・金属鉱物資源機構本部、農畜産業振興機構本部、国際協力機構本部、新エネルギー・産業技術総合開発機構本部、中小企業基盤整備機構本部、宇宙航空研究開発機構本部、日本年金機構本部、住宅金融支援機構本部、郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構本部、日本高速道路保有・債務返済機構本部、日本中央競馬会本部、日本貿易保険本部、日本私立学校振興・共済事業団本部、自動車技術総合機構本部、農林中央金庫本部、平和祈念事業特別基金本部、農業者年金基金本部、農林漁業信用基金本部、消防団員等公務災害補償等共済基金本部、国際交流基金本部、大学入試センター本部、日本スポーツ振興センター本部、日本司法支援センター本部、工業所有権情報・研修館本部、国立科学博物館本部、国立美術館本部、日本電気計器検定所、電子航法研究所、海上技術安全研究所、労働安全衛生総合研究所、経済産業研究所、産業技術総合研究所、交通安全環境研究所、国立健康・栄養研究所、国家公務員共済組合連合会本部、全国市町村職員共済組合連合会本部、日本消防検定協会本部、地方競馬全国協会本部、日本放送協会本部、高圧ガス保安協会本部、日本勤労者住宅協会本部、北方領土問題対策協会本部、日本学術振興会本部、日本芸術文化振興会本部、日本赤十字社本社
- ^ それでも、練馬の観測地は都市気候の影響が強いとの要因から2013年度から緑地公園内に移転。
- ^ なお、都内へ通う都外の通勤通学者を含めた昼間人口は1960年(昭和35年)の国勢調査で1000万人を既に超えていた[32]。
- ^ 実際には新型コロナウイルス感染症 (2019年)の影響で延期され、翌2021年の開催となった。
- ^ 東京都の産業連関表でも「財」(農林水産業、鉱業、製造業、建設及び電気・ガス・水道)と「サービス」「本社」という3部門に分かれている。
- ^ 2003年の農林水産省調査では8,460ヘクタールだったので、12年間で1,330ヘクタール、約16%の減少となった。
- ^ 以下、JA東京が情報源とした農林水産省関東農政局統計部「東京農林水産年報」よると、西多摩地区が1,130ヘクタール (全体比15.8%) 、南多摩地区が1,607ヘクタール (22.5%) 、北多摩地区が2,721ヘクタール (38.2%) で多摩地区合計が5,458ヘクタール (76.5%) 。区部が559ヘクタール (7.8%) 、島しょ地区が1,113ヘクタール (15.6%) 。[45]
- ^ 「都心5区」と呼ばれる千代田・中央・港・文京・台東の各区、および副都心のある墨田・品川・渋谷・新宿・中野の各区、それに荒川区が該当する。また、江東区では一部地域のみに地域農業組合が存在する。
- ^ コメの産地品種銘柄がないことから産地や品種の証明が得られず、米穀検査を受けるメリットがないため「未検査米」「複数原料米」という表記での販売となる。本文中で記した、生産者直売の場合に可能な「東京都産米」の明示は表示枠外で認められる。[48]
- ^ 三元交配豚として産み出される。開発に用いられたランドレースの系統豚・エドは東京都畜産試験場が開発した豚である。
- ^ ただし、法政大学を除く5大学はいずれも東京都外にもキャンパスを持っている。
- ^ 当初予定では2020年開催だったが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い1年延期された。
- ^ 全日本スキー連盟や日本スケート連盟のように、競技特性として東京都内での試合開催が難しいウィンタースポーツ競技の団体も両施設内に本部を持つ。なお、日本サッカー協会や全日本柔道連盟は文京区に独立した本部を置く。また、少林寺拳法連盟は日本での少林寺拳法創設地である香川県多度津町に本部があり、東京都外にスポーツ連盟の本部がある稀少例となっている。
出典
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