じゅんかつ‐ざい〔ジユンクワツ‐〕【潤滑剤】
潤滑剤
元来は摩擦を減少させ、摩擦面の摩耗を防ぐために用いられる物質のことをいい、鉱油、植物油、石墨、滑石、グリスなどがある。この意味を広義にとらえて異なる物質を混合する場合に、両者の濡れ性を高め、混合性をよくするために用いられる物質も意味する。塗料に顔料を混合する場合に、顔料表面に塗料樹脂を湿潤させる作用のある界面活性剤や、ゴム中に充填剤を配合するときの高級脂肪酸などがある。自動車用の潤滑油の場合には酸化防止剤、防錆剤、耐摩耗剤、清浄分散剤・流動点降下剤、粘度指数向上剤、消泡剤などの添加剤が使用されるが、これらの添加剤に含まれる多環芳香族は発がん性を示すものがあり、取り扱いには注意が必要である。
潤滑剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/22 16:42 UTC 版)
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潤滑剤(じゅんかつざい、英語:lubricant)とは、潤滑のために使用する、グリースや潤滑油などといった物質のこと。減摩材ともいう。機械の可動部分に塗って相接する固体の摩擦を減らし、摩擦熱や摩耗を防ぐ。
機能
潤滑剤により適切な潤滑を施すことによって、摩擦部分の寿命延長、エネルギーロスの削減が可能となる。潤滑剤の機能として下記の項目が挙げられる。
- 減摩作用:乾燥摩擦によるトラブルを防ぎ、流体摩擦状態を保って摩擦を低減させる作用。摩擦面での潤滑剤の膜の安定性は高粘度のものほど良好であるが、あまり高すぎると潤滑剤自身が摩擦熱で温度が上がってしまう。
- 冷却作用:高荷重・高速で回る歯車等では、摩擦熱による昇温が避けられない。その場合大量の潤滑油を循環させて局部的な温度上昇を抑える機能を持たせている。放熱性は潤滑油の粘度が低い方が良好で、固体状のグリースには冷却作用を期待できない。
- 応力分散作用:歯車やベアリングの回転で潤滑剤が無いと、金属同士の接触面は点または線であり、接触面に大きな応力集中が起こる。金属の間に粘度の高い油膜があれば これがクッションの役割をして応力集中を緩和する。
- 密封作用:自動車のエンジンを考えると、金属部品であるシリンダーとピストンリングは直に接触していないが、潤滑剤であるエンジンオイルがエンジンの密閉性を受け持っている。
その他防錆作用(錆の予防)、防塵作用(グリースを使う場合)も期待される。
種類と性質
潤滑剤としては、液体の潤滑油、半固形のグリース、固体潤滑剤などがある。
潤滑油
一般に良く使われる潤滑油は石油精製物である。目的に応じて粘度・精製度・添加物等の異なるグレードが市販されている。潤滑油の粘度はVG値で表されるが、これは40℃における動粘度(cSt)センチストークス値に相当する。低速のウォームギヤ用のVG460はねっとりとした油であり、油圧用に使われるVG46の粘度は大豆油に近い。潤滑油として最も低粘度のVG2は低荷重・高速用に使われ、サラサラの油である。
また潤滑油の粘度は温度に依存し、温度が高くなると粘度が低下する。潤滑油としては温度による粘度変化が少ない方が望ましい。温度による粘度変化の大きさを粘度指数と呼び、この数値の高い方が粘度変化の少ない良い油である。一般の潤滑油は粘度指数80以上であるが、一般油圧作動油は粘度指数106~113、航空機用の作動油は120~140のものもある。
添加剤としては、エンジンオイルに使われる極圧添加剤は亜鉛やモリブデンなどの金属系化合物を主体とした添加物であるが、シリンダーやピストンリングの表面に吸着して潤滑膜を形成し、境界摩擦状態でも母材を保護する。上記の粘度指数を改善する目的で粘度指数向上剤が使われる。
グリース
グリースは増ちょう剤に潤滑油を保持させることで揺変性(チキソトロピー)を与えた、粘着性の潤滑剤。揺変性物質は静置状態では流動せず、外から力を加えられることで流動性を示すが、流動に要する力の大きさをちょう度と呼び、ちょう度が大きいほど柔らかいグリースである。グリースは温度が高くなると増ちょう剤の3次元網目構造の崩壊などにより、静置状態においても非流動性を保てなくなるが、その温度を滴点と呼んでいる。
固体潤滑剤
正式には、自己潤滑性のある固体材料と定義される。固体潤滑剤には黒鉛(グラファイト)、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:テフロン)、銀、鉛、等が使われている。微粉末を使用するもの、膜を形成させるもの、含浸させるもの等がある。何れも表面の硬さが低い、融点が高く焼きつきにくい、化学的安定性が良いなどの性質を有している。
歴史
人類は、有史以前から火を起こすなど積極的に摩擦や摩耗を利用してきた。しかしながら、産業革命が本格化する18世紀まで摩擦自体が学問として体系的に研究されることはほとんどなかった。1966年にイギリスでまとめられた摩擦や摩耗による損害を推定した報告書(ジョストレポート)の中で、ピーター・ジョスト(Peter Jost)は適正な潤滑を行なえば51,500万ポンドの節減が可能であると報告し、摩擦摩耗潤滑に関する技術の重要性が認識されるようになった。これがトライボロジーの始まりとされることもある。
しかしながら、理論研究こそ最近まで行われなかったものの、人類が試行錯誤しながら潤滑油を作って来た歴史は非常に古い。古代エジプトでは、石像を動かすのにオリーブ油が用いられたことを示す壁画がある。現在主力である石油系潤滑油のほとんどは、油田が発掘された19世紀後半以降開発されたが、BC400年代のヘロドトスの「歴史」には石油の精製法とその利用方法が記載されている[要出典]。 旧約聖書にも石油についての記述が見つかることが知られている[要出典]。
種類
関連項目
外部リンク
潤滑剤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 01:24 UTC 版)
Havoline(Texaco) DEX Chevron Supreme 日本ではシェブロン(Chevron)ブランドのモーターオイルは正規輸入はされていない。シェブロンジャパンは日本ではカルテックスブランド(CALTEX)で展開しており、シェブロンブランドの販売はしていない。しかし、会員制マーケットのコストコが、Chevron SupremeをUS小売り価格に1クオートあたり0.50ドル程度上乗せの価格で販売している。日本では、潤滑油はインフレ価格なため、2014年以降の円安になる以前は、コストコの販売価格は日本では小売り最安値レベルであった。ちなみに日本ではあまりの安さに不安がる向きがあったり、逆に高性能オイルだと信じる向きもあるがどちらも誤りで、実態はUSのどのカーショップでも置いてある普通の自動車用潤滑オイルである。このシュプリームのベースオイルISOSYNはグループⅡ+の一般的な水素化精製オイルであるが、このシュプリームがインターネットを通じて「北米産パラフィン系鉱物油」、「ペンシルベニア産エンジンオイル」として過剰な評価を受けているのが見受けられる。パラフィン系であるのは当然(ナフテン系のエンジンオイルはない)として、アメリカでは一般的な汎用なエンジンオイルである。シェブロンの前身であるガルフ(GULF)ブランドのオイルも日本で販売されているが、これは日本のオイル業者のゴトコがライセンス生産した日本や韓国製のオイルである。 なお、シェブロンジャパンは日本の高級エンジンオイル市場から撤退し、API規格やACEA規格、各自動車メーカーの認証規格を取得したハボリン(Havoline)シリーズの販売を縮小し、販売の主流は韓国などから輸入したディスカウント向けのEolcsの認証規格を取得しない安価帯のエンジンオイルの販売に移行している。また、日本では高品質エンジンオイルの原料となるグループⅢベースオイルの自給率が低く、GSカルテックスは同じく韓国のSKと並んでグループⅢベースオイル(超精製油=高度水素化分解鉱物油、化学合成油:シンセティックの表示も許される。)を多くの日本の潤滑油ブレンダーに供給している。 シェブロンジャパン(旧オロナイト)は燃料添加剤(清浄剤)ポリエーテルアミン(PEA)や、エンジンオイルの添加剤ミクス・DIパッケージの一大供給元で、多くのケミカル・潤滑剤メーカーと取引がある。
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