indent
「indent」とは、「割り符をする」や「字下げする」「ギザギザにする」「写しを作る」といった文字や契約に関する表現を意味する英語表現。
「indent」の基本的な意味
「indent」とは、「割り符をする、(行を)字下げする、写しを作る、~をギザギザにする、~に刻み目をつける、ほぞ穴を掘る、注文する、発注する、(海岸線などを)湾入させる」といった動詞、「字下げしてできた空白、ぎざぎざ、じぐざくの刻み目、注文書、契約書」といった名詞の意味を持つ英単語である。「割り符をする」という意味は「indent」の語源にもなっているが、この割り符とは「木や竹で作った板、あるいは紙に文字を書き、それを二つに割ったもの」であり、必要に応じて二つのものを合わせて、元は一つのものであったことを証明するために作成されたものである。なお、「indent」は「字下げしてできた空白」などを意味する言葉であり、「字下げ」そのものは名詞形の「indention」や「indentation」を用いる。「indent」の語源
「indent」の語源は、「歯」を意味するラテン語「dens」から作られた、「割り符をする」という意味を持つ「indentare」に由来するとされる。「indent」の発音・読み方
「indent」の発音記号は「indént」であり、カタカナ読みすると「インデント」となる。「株式会社indent」とは
「株式会社indent」とは、小説やシナリオ、脚本などの執筆をサポートする製品を開発・運営している企業名である。PCとスマートフォン双方で同期して執筆ができるツール「Nola」や、作品の投稿や他者の作品の閲覧ができる小説投稿サイト「Nolaノベル」、誰でも電子書籍による自費出版が可能となる「Nola出版」、2000文字以内の短編小説の投稿サイト「Prologue」などの開発・運営を行っている。社名は英単語「indent」の持つ「段落」にちなんで、「創作をはじめる段落(きっかけ)を作ること」という意味でつけられている。「text-indent(CSS」とは
「text-indent(CSS)」とは、CSSのプロパティの一つである。この値を指定することで、ブロック内のテキストの一行目の字下げを指定することができる。通常この値は0が設定されており、一文字分の字下げをすることで、小説などと同様のスタイルを適用することができる他、「text-indent」に負の値を設定しつつ、他のプロパティと組み合わせて指定することで、ページ全体の文字の位置やデザインなどを整えることもできる。「indent man」とは
「indent man」とは、「indentのmanページ」を意味する英語表現である。「manページ」とはUNIX系OSにおける電子化されたドキュメント(マニュアル)のことを意味し、この場合は「indexコマンドのマニュアル」を示している。「unexpected indent」とは
「unexpected indent」とは、プログラミング言語Pythonを実行した際に出力されるエラー「IndentationError」に記述されるメッセージである。直訳すると「予測しないインデント」であり、プログラムの実行時、インデントの位置が期待した状態になってないことを示す。Pythonはインデントを意識するプログラミング言語であり、同じインデント数であるまとまりを一つのブロックとして認識する。このためif文やfor文などのまとまりにおいて、インデント数に差異があるような場合、前述のエラーを返すようになっている。「indent」を含む英熟語・英語表現
「indent order」とは
「indent order」とは、「委託買付、買付委託書、海外注文」といった意味を持つ英語表現である。
「indent」の使い方・例文
「indent」とは、「割り符をする、ぎざぎざにする」といった意味を持つ英単語である。「He indented the contract.(彼は契約書に割り符をした)」や「She indented the board.(彼女は板をぎざぎざにした)」といった使い方ができる。ただ、ビジネスやコンピューター用語として「字下げする」という意味で用いることが多くなっている。例えば「Let's indent the entire page.(このページ全体で字下げをしましょう)」や「I indented this letter to clean up the design.(デザインを整えるため、この文字を字下げしました)」、「Check the print preview and indent.(印刷プレビューで確認したら、字下げを行う)」といった使い方ができる。また、形容詞的に「湾入させる」といった意味を持つため、「View the deeply indented coastline.(深く入り組んだ海岸を眺める)」や「This is a deeply indented coastline.(これはリアス式海岸です)」といった表現にも用いられる。
インデント
【英】indent, indentation
インデントとは、テキストエディタやワープロソフトなどの文書作成ソフトウェアや統合開発環境(IDE)、DTPソフトに備わっている字下げ機能、もしくは、字下げ行為のことである。
インデントは、文字列の特定部分における開始位置をずらすことであり、文章やプログラムなどを見やすくしたり、読みやすくしたりするために用いられる。位置をずらすには、スペース(空白)やタブを挿入する他に、入力エリアそのものをずらす場合もある。
インデントは、日本語や英語などのように左から右への横組文章の場合は右方向、アラビア語など右から左への横組文章の場合は左方向へずらす。
字下げ
字下げ(じさげ、インデント、英: indentation[注 1])は、「行頭に空白を設けて文字開始位置を他行よりも下がった位置から始めた文字組み」を指す用語[1]。
概要
多くのワープロソフトなどでは1文字以上のインデントを行う際にタブキーを使用し、またこの機能そのものを指して字下げ機能と称する[2]。字下げ機能を自動的に行うソフトウェア機能を特にオートインデントと呼ぶ[3]。
段落の2行目以降を1行目より下げる形式を特に指してぶら下げインデントと呼び[2]、プログラミング言語におけるソースコードや、データ記述言語を用いて記述したデータにおいて、その構造や属性を視覚的に明らかにするために行われる段組み表記方法でもある[3]。
プログラミング言語におけるインデントは、一般的には視覚上の目的にてのみ用いられるものであり、インデントの有無がプログラムの内容に影響することはない。データ記述言語にあっても、JSONのようにインデントがデータに影響しない規格がある。一方、PythonやYAML等のようにあえてインデントを用いてプログラムやデータの論理構造を記述する言語もある。この場合、インデントはそれらの言語仕様に従って使用しなければならない。
例
- 字下げ
「 学校の授業が始まるにはまだ大分《だいぶ》日数《ひかず》があるので鎌倉におってもよし、帰ってもよいという境遇にいた私は、当分元の宿に留《と》まる覚悟をした。友達は中国のある資産家の息子《むすこ》で金に不自由のない男であったけれども、学校が学校なのと年が年なので、生活の程度は私とそう変りもしなかった。したがって一人《ひとり》ぼっちになった私は別に恰好《かっこう》な宿を探す面倒ももたなかったのである。
宿は鎌倉でも辺鄙《へんぴ》な方角にあった。玉突《たまつ》きだのアイスクリームだのというハイカラなものには長い畷《なわて》を一つ越さなければ手が届かなかった。車で行っても二十銭は取られた。けれども個人の別荘はそこここにいくつでも建てられていた。それに海へはごく近いので海水浴をやるには至極便利な地位を占めていた。 私は毎日海へはいりに出掛けた。古い燻《くす》ぶり返った藁葺《わらぶき》の間《あいだ》を通り抜けて磯《いそ》へ下りると、この辺《へん》にこれほどの都会人種が住んでいるかと思うほど、避暑に来た男や女で砂の上が動いていた。ある時は海の中が銭湯《せんとう》のように黒い頭でごちゃごちゃしている事もあった。その中に知った人を一人ももたない私も、こういう賑《にぎ》やかな景色の中に裹《つつ》まれて、砂の上に寝《ね》そべってみたり、膝頭《ひざがしら》を波に打たしてそこいらを跳《は》ね廻《まわ》るのは愉快であった。」 |
—『こころ』:新字新仮名 - 青空文庫(夏目漱石)、朝日新聞連載分より抜粋。 |
- ぶら下げインデント(ソースコード)
local p = {}
function p.hello()
return "Hello, world!"
end
return p
脚注
注釈
- ^ 本項目の英語版はen:Indentation (typesetting)である。en:wikt:indentには動詞としては「字下げする」の用法があるものの、名詞の場合は和製英語インデントと同じ意味は無いようである。
出典
- indentのページへのリンク