退くとは?

しり ぞ・く [3]退く

後(しり)退()くの意
現在の位置からうしろへ移動する。うしろへさがる。後退する。 ⇔ 進む 二、三歩-・く
貴人の前から退出する。 御前を-・く (禄ヲ)肩に懸けて、拝して-・く/徒然 66
引退する。公職会社などから身を引く政界から-・く 現役を-・く
距離をおく一歩-・いて考え
へりくだる - ・きて咎なしとこそ昔賢しき人も言ひ置きけれ/源氏 明石 退け対す自動詞
[可能] しりぞける
下二

しぞ・く 退

しりぞくかたはら痛ければ、知らず顔にてやをら-・きぬるぞ/源氏 宿木

そ・く 退

離れる遠ざかる大和へに西風吹き上げ離れ-・き居りとも我忘れめや/古事記
下二
離すしりぞけるとりさる夏草の刈り-・くれども生ひしくごとし/万葉集 2769

ど・く [0]退

のくの転。近世以降の語 その場所からわきへ移る。 わきに-・いてください
[可能] どける
下二
どける

の・く [0]退

わきへ移る。どく。 車が来たのでわきへ-・く 雀の子そこ-・けそこ-・けお馬が通る/おらが春
引き払う。立ちのく。どく。 銭湯が-・いたあとに商店ができた
脱退する。 会を-・く 仲間ヲ-・ク/ヘボン
離れた場所にある、または、いる。距離を置くいと遥かに見やり参らせて、-・きてなむ車ども引き立てたるに/栄花 嶺の月 給ふべき所と見ゆるは、寺よりは少し-・きてぞありける/狭衣 4
退却する。 しばしもこらへず、二町ばかりざつと引いてぞ-・きにける/平家 11
ある地位からしりぞくひたぶるに取られむよりは、我とや-・きなまし大鏡 師尹
関係が疎遠になる。縁が切れる。 思ひも譲りつべく、-・く心地給へど/源氏 浮舟 のける対す自動詞
[可能] のける
下二
のける
[句項目] 退いた仲 退かぬ仲

ひ・く [0]引く・曳く・退く・牽く・惹

他動詞
物に手をかけて近く寄せる。 綱や網の場合曳くとも書く
物に手をかけて力を入れ、全体自分の方へ近寄せる引っ張る
押す 押しても-・いてもびくともしない 地曳き網を-・く
装置道具一部分を、自分近く寄せる。サイドブレーキを-・くひもを-・くと明かりがつく引き金を-・く
引き抜く大根を-・く前の山小松-・き遊ぶ/源氏 初音
人・動物や物を離れないようにつないだりして、自分先に立ち、ともに移動する。引っ張る
車両などを引っ張って進む。引・牽・曳荷車を-・くたくさんの貨車を-・いた機関車そり)を-・かせる
動物などをついて来させる。引・曳馬を-・いて帰る
無理について来させて、ある場所に移動させる。 引・曳 屠所に-・かれる羊
地面をこすって進むようにする。引きずる引・曳 裾(すそ)を-・く
自分体の中に入れる。 かぜを-・く
人を誘い寄せる。
呼びこむ。誘いこむ。店先で客を-・く
他人注意・心をこちらに向けさせる。引・惹人目を-・くような服同情を-・く美貌に-・かれる気を-・く人柄に-・かれる
線状施設を作って、自分の方へ導き入れる。 用水路を作ってを-・く 水道を-・く 電話を-・く
のばす。
縮んでいたもの広げる窓にカーテンを-・く幕を-・く
表面広く塗る。フライパンに油を-・く ろう)を-・いた紙
本体から長く伸びるようにする。裾を長く-・く
線を書く。線状長く伸ばす線を-・く 図面を-・く 納豆が糸を-・く
長く続ける。 声を長く-・く
一部を取る。
数量金額について、一部取り去る少なくする。一〇-・く三は七毎月給料から税金を-・かれている
言葉証拠などをあげる。徒然草一節を-・く吉野川を-・きて世中をうらみきつるに/古今 仮名序
くじ引きなどで、一つを選んで自分ものとするおみくじを-・くトランプで)ばばを-・く
こっそり盗む。ねずみが餅を-・く
辞書索引などを参照する。 辞書を-・いて調べ 電話帳を-・いて番号調べ
血統素質などを受け継ぐ この子祖父の血を-・いて気が強い 彼の哲学ドイツ観念論流れを-・いている
弓に張った弦を引っ張るまた、弓につがえた矢を射る 的に向かって弓を-・く
前面から身を下げる。退却させる。 引・退
出ていた体・手足などを引っこめる。体を-・いて車をよけるもう少しあごを-・いて
目立った場所や対峙している場所から下がる。一歩-・いて考え思わず-・く雰囲気だった
自分の側の軍勢退却させる。兵を-・く
(「身を引く」の形で)それまでかかわりのあった人や事柄との関係を断つ。実業界から身を-・く
花札で遊ぶ。 花札を-・く
引き出物として与える。また、配付する。 布施に馬を-・き給へりける/今鏡 村上源氏
湯を汲んで浴びる。 湯殿しつらひなどして御湯-・かせ奉る平家 10
取り外すを-・いたぞ、誤ちすな、とどよみけれども/平家 4
贔屓ひいき)にする。 この弟の左の大臣を院とともに-・き給ひて/今鏡 藤波
自動詞
後ろにさがる。退却する。また、やり始めたことを途中でやめる。 引・退 進むことも-・くこともできない 言いだしたらあとには-・かない
長く続いた勤めをやめる。引退する。 引・退 H 先生はこの三月本校をお-・きになる 今度公演最後に舞台から-・くことになった
勤めなどを休む。 『寝てゐるか』『あい、此頃は-・いてやすが、お前だから出たのよ』/洒落本寸南破良意
十分な程度にあったものがなくなる。 引・退出る 潮が-・く 汗が-・く 顔から血の気が-・く やっと熱が-・いた 腫れが-・く
[可能] ひける
下二
ひける
慣用あとを- ・ 糸を- ・ 尾を- ・ つえ)を- ・ 手薬煉てぐすね)を- ・ 手を- ・ 弓を- ・ 我が田を-鼠(ねずみ)に引かれそう


の・く【退く】

方言味・解
の・く【退く】自動五)どく。

退く

出典:『Wiktionary』 (2018/06/24 06:05 UTC 版)

漢字混じり表記

退 く

  1. しりぞく」を参照
  2. どく」を参照
  3. のく」を参照
  4. ひく」を参照



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