近代英語
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近代英語(きんだいえいご、Modern English)とは、およそ1500年頃から現在に至るまでの英語のことである。
近代英語は更に1650年頃までの初期近代英語(Early Modern English)とそれ以降の後期近代英語(Late Modern English)とに区分する事ができる。また、20世紀以降の英語を特に現代英語(Present-Day English, Contemporary English)という事もある。
初期近代英語
大母音推移(Great Vowel Shift)の結果、母音(特に長母音)の音価が変化した[1]。
1476年にウィリアム・キャクストンがウェストミンスターに印刷所を設立し、出版活動が盛んになる。
1611年に欽定英訳聖書(Authorised Version, Authorised English Bible)が出版される。
ウィリアム・シェイクスピアが作品を執筆する。
古典ギリシア語・ラテン語などの古典語やフランス語からの語彙借用。二重語(doublets)の量産。
大航海時代の到来により世界各国から新語の流入。
助動詞の発達。
後期近代英語
人称代名詞の二人称単数形(thou, thy, thee, thine)が複数形と同形(ye, your, you, yours)に統合される。
科学的合理主義の高揚によって、標準化、固定化の必要性が生じ、文法書や辞典の編纂が盛んになった。
脚注
- ^ 例えば、 Fausto Cercignani, Shakespeare's Works and Elizabethan Pronunciation, Oxford, University Press (Clarendon Press), 1981. ISBN 978-0198119371.
関連項目
近代英語(16世紀から19世紀まで)
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「英語史」の記事における「近代英語(16世紀から19世紀まで)」の解説
「近代英語」も参照 15世紀から16世紀にかけて、発音と綴りが著しく異なるようになった(great vowel shift:大母音推移)。それまで「フィーヴェ」はfive、「ロート」はroot、「セーク」はseekというように発音のとおりに綴っていたものが、この時期から発音が大きく変化し、その一方で綴りについては「発音の変化にあわせて改定する」ということを一度も行わなかったため、両者の間に乖離が生じ、現在の英語学習者の頭痛の遠因ともなっている。 また、16世紀から17世紀には、啓蒙時代の文人たちが、「粗野な」英語の水準を高めようと、ラテン語、ギリシャ語を借用したため、学術用語を中心に数百ものラテン語が定着した(cynic、analogy、animate、explain、communicate など)。印刷技術の普及と共に、ラテン語・ギリシャ語文献が広く行き渡り、それまでのフランス語・ラテン語を経由した摂取でなく、直接ラテン語やギリシャ語からの借用であることが、前の時代と異なる点である。新約聖書が原典のギリシャ語から、そして旧約聖書が原典のヘブライ語から初めて直接訳されたのも16世紀である。1611年には、主に1500年代に翻訳された英訳聖書の良い翻訳表現を取り入れながら、原典から直接訳出された欽定訳聖書が出版された。この英訳聖書は翌年からほぼ毎年改訂され、広く流布したために英語の文体に影響を与え、聖書の英語を日常の英語にするのに貢献した。 一方でフランスとの交流も相変わらず盛んだったため、フランス語も絶え間なく流入した。しかし、以前のノルマン・コンクエスト時代に入ってきたフランス語と同じ単語が重ねて入ってくることもあり、その場合は違った形と意味で借用された。assay(金銀の含有量を調べる)は1338年に入ってきた言葉だが、フランスではその後意味が広がり、「試みる」の意味となり、それが1597年に再流入してきた時にはessay(試みる、随筆)となった。 また、大航海時代の到来と共にイギリスの生活圏が広がり、世界各国から新しい単語が入ってきたのもこの時代の特徴である(イタリア語からballot、スペイン語からcigar、ポリネシア語からtaboo、ペルシャ語から(ヒンディー語を経由)pyjamas)。 この頃、イギリスは産業革命や政治改革を受けて隆盛を迎え、それと共にシェイクスピアの『ベニスの商人』、『オセロ』などの国民文学が成った。 また、この頃まで二人称を表す語が複数存在し、現在使われているyouは元々二人称単・複数の敬称形で親しい間柄を表す形(親称形)はthouを用いていた。シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』には、このthou とyouを上手く使い分けたセリフが出てくる。
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