近代英語とは? わかりやすく解説

近代英語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/02 13:46 UTC 版)

近代英語(きんだいえいご、Modern English)とは、およそ1500年頃から現在に至るまでの英語のことである。

近代英語は更に1650年頃までの初期近代英語(Early Modern English)とそれ以降の後期近代英語(Late Modern English)とに区分する事ができる。また、20世紀以降の英語を特に現代英語(Present-Day English, Contemporary English)という事もある。

初期近代英語

大母音推移(Great Vowel Shift)の結果、母音(特に長母音)の音価が変化した[1]

1476年ウィリアム・キャクストンウェストミンスターに印刷所を設立し、出版活動が盛んになる。

1611年欽定英訳聖書(Authorised Version, Authorised English Bible)が出版される。

ウィリアム・シェイクスピアが作品を執筆する。

古典ギリシア語ラテン語などの古典語やフランス語からの語彙借用二重語(doublets)の量産。

大航海時代の到来により世界各国から新語の流入。

助動詞の発達。

後期近代英語

産業革命によって大英帝国の隆盛。

人称代名詞二人称単数形thou, thy, thee, thine)が複数形と同形(ye, your, you, yours)に統合される。

科学的合理主義の高揚によって、標準化、固定化の必要性が生じ、文法書や辞典の編纂が盛んになった。

脚注

  1. ^ 例えば、 Fausto Cercignani, Shakespeare's Works and Elizabethan Pronunciation, Oxford, University Press (Clarendon Press), 1981. ISBN 978-0198119371.

関連項目


近代英語(16世紀から19世紀まで)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 07:01 UTC 版)

英語史」の記事における「近代英語(16世紀から19世紀まで)」の解説

「近代英語」も参照 15世紀から16世紀にかけて、発音と綴り著しく異なようになったgreat vowel shift大母音推移)。それまで「フィーヴェ」はfive、「ロート」はroot、「セーク」はseekというように発音のとおりに綴っていたものが、この時期から発音大きく変化し、その一方で綴りについては「発音の変化あわせて改定するということ一度も行わなかったため、両者の間に乖離生じ現在の英語学習者の頭痛遠因ともなっている。 また、16世紀から17世紀には、啓蒙時代文人たちが、「粗野な」英語の水準高めようと、ラテン語ギリシャ語借用したため、学術用語中心に数百ものラテン語定着したcynicanalogyanimateexplaincommunicate など)。印刷技術普及と共にラテン語ギリシャ語文献広く行き渡りそれまでフランス語ラテン語経由した摂取でなく、直接ラテン語ギリシャ語からの借用であることが、前の時代異なる点である。新約聖書原典ギリシャ語から、そして旧約聖書原典ヘブライ語から初め直接訳されたのも16世紀である。1611年には、主に1500年代翻訳され英訳聖書良い翻訳表現取り入れながら、原典から直接訳出された欽定訳聖書出版された。この英訳聖書翌年からほぼ毎年改訂され広く流布したために英語の文体に影響与え聖書の英語を日常の英語にするのに貢献した一方でフランスとの交流も相変わらず盛んだったため、フランス語絶え間なく流入した。しかし、以前ノルマン・コンクエスト時代入ってきたフランス語と同じ単語重ねて入ってくることもあり、その場合は違った形と意味で借用された。assay金銀含有量調べる)は1338年入ってきた言葉だが、フランスではその後意味が広がり、「試みる」の意味となり、それが1597年に再流入してきた時にはessay試みる、随筆となったまた、大航海時代到来と共にイギリス生活圏広がり世界各国から新し単語入ってきたのもこの時代特徴である(イタリア語からballotスペイン語からcigarポリネシア語からtabooペルシャ語から(ヒンディー語経由)pyjamas)。 この頃イギリス産業革命政治改革受けて隆盛迎え、それと共にシェイクスピアの『ベニスの商人』、『オセロ』などの国民文学成ったまた、この頃まで二人称を表す語が複数存在し、現在使われているyouは元々二人称単・複数の敬称形で親し間柄を表す形(親称形)はthou用いていた。シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』には、このthou とyouを上手く使い分けたセリフ出てくる。

※この「近代英語(16世紀から19世紀まで)」の解説は、「英語史」の解説の一部です。
「近代英語(16世紀から19世紀まで)」を含む「英語史」の記事については、「英語史」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「近代英語」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「近代英語」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「近代英語」の関連用語

近代英語のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



近代英語のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの近代英語 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの英語史 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS