近代自然法思想とは? わかりやすく解説

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近代自然法思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 14:05 UTC 版)

自然権」の記事における「近代自然法思想」の解説

そうした古代的中世的な思想大きく転換されたのは、17世紀における社会契約論に関する議論とそれに基づく近代的自然法思想によるところが大きい。 トマス・ホッブズ封建社会における特権中心とした権利観念転換しこれまで自明存在であるとされてきた共同体社会存在解体し自然状態想定した自然状態において全ての人間は自由で平等な自己保存権利を持つとして自然権普遍性唱えたその上で自然権が持つ自己保存性格時には自己の意志妨害する外的障害排除するために他者生命身体を脅かす可能性有しその結果万人万人による闘争状態」を招くとして、理性推論的帰結としての自然法存在各人自己保存維持するための社会契約に基づく国家政府)の必要性唱えた。これはスコラ哲学による神が自然法基づいて自然権付与するという考え方否認し、法は人間によって創設されるもので自然法もまた自然権から発生したのであるという法概念転換をももたらしたまた、フーゴー・グローティウス個々人間自己保存についての権利有するという点ではホッブスに近いものの、同時に自己保存権利他者への直接的な加害行為やその自己保存に必要とする財物奪取禁止する自然法拘束されており、その結果として制約され自己保存権利自然権位置づけている。また、自然状態万人無主物共有して使用できる態とし、合意によって特定個人帰属させる状態を生じさせる人定的な権利所有権考えた。 続く、ジョン・ロック何人も侵すことの出来ない各人固有の権利right of properties)として「生命life)」「健康(health)」「自由(liberty)」「財産possessions)」の4つ掲げて自己保存中に更に広範な自由の概念財産権含み国家政府)は社会契約統治契約)によって成立するもので、国家政府)が統治契約背いてその自然権侵害すれば、国民抵抗権革命権)によって革命正当化されるとして自然権優位性唱えたロック思想自然権社会化もたらすとともに資本主義市民社会理論的正当性与えアメリカ独立革命などの市民革命大きな影響与えたこの他自由権に関して唱えた思想家としてザミュエル・フォン・プーフェンドルフジャン=ジャック・ルソーなどが挙げられるまた、日本明治初期における自由民権運動唱えられ天賦人権論自然権日本における受容系であると言える

※この「近代自然法思想」の解説は、「自然権」の解説の一部です。
「近代自然法思想」を含む「自然権」の記事については、「自然権」の概要を参照ください。

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