編集工学とは? わかりやすく解説

編集工学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 22:12 UTC 版)

松岡正剛」の記事における「編集工学」の解説

生涯一編集者」をモットーとする松岡正剛提唱する編集工学(Editorial Engineering)は、人間思考社会コミュニケーション・システム創造性にかかわる総合的な方法論である。その創始日本がまさに情報化時代突入していく1980年代遡る当時情報科学もっぱら情報記号的データ的処理を前提としていることに対し松岡は、生涯通じて各種編集プロデュースにかかわる中で、いちはやく人間意識感情や行為のともなう「意味情報」に着目し、それらが生成され交換される生きた情報システム”を扱っていくため方法論構築向かった松岡によるとその理論背景には、当時三つ思想・研究動向、すなわちフランス思想界やアメリカ文学界で流行したディコンストラクション」(脱構築)、広範な科学分野提示されつつあった「自己組織化理論」、マーヴィン・ミンスキーなどによる認知科学人工知能研究動向があったという。このように編集工学は、「知」が寸断されたまま大量に流通されていく情報洪水時代到来予見と、現代思想提示する「知のコンセプト」や「知のモデル」の統合化必要性という、時代要請にこたえるかたちで、生み出されたものであるといえる。 編集工学の扱う領域、すなわち“編集素材”は非常に広範なのである松岡整理によると、まずその領域には「身体起因するもの」「好みから発するもの」「直観あるいは啓示よるもの」「学習性の堆積よるもの」「表現構成喚起するもの」「ゲーム適用よるもの」「図像にひそむもの」「物語伝えるもの」「歴史内属するもの」「合理的再現性よるもの」「日常性よるもの」がある。このそれぞれから発せられる情報には、数値情報事物情報現象情報解釈情報・理論情報心理情報図像情報様式情報・構造情報物質情報時間情報音響情報物語情報報道情報など25様式がある。 一方、これらを扱っていくための「編集方法」として、松岡は、「データ情報」を扱うための基本技法である収集選択分類流派系統5つの「編纂」(compile)と、「意味情報」を扱うための基本技法である要約模型順番交換適合共鳴比喩図解注釈暗示擬態変容歪曲装飾保留構造焦点劇化遊戯翻訳周期など59の「編集」(edit)の、あわせて64編集技法体系化している。 ちなみに、この「64編集技法体系最後には、“総合”と“創造”が挙げられているのだが、ここに松岡独自の編集哲学発揮されているのを見ることができる。松岡は“総合”を「以上のすべての組み合わせ」とし、“創造”を「以上のすべての組み合わせ以外の創造」であるとしている。 「編集術」「編集工学」は、体系化された方法の"型"をエクササイズすることによって、情報編集技術手軽に修得できるプログラムであり、書籍映像など編集業務における専門性強化ビジネスにおける企画力教育や人とのコミュニケーションからクリエイティブワークにおける表現力の向上まで、あらゆる分野での応用性を目指している。編集工学を学ぶための場として開かれているWeb上の学校イシス編集学校」では、一般主婦から学生編集者プランナーデザイナーアーティストなど、様々なジャンル人々が、松岡正剛編集方法学んでいる。

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