第三期・産業報国期とは? わかりやすく解説

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第三期・産業報国期(1914 - 1945年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 19:43 UTC 版)

端島 (長崎県)」の記事における「第三期・産業報国期(1914 - 1945年)」の解説

納屋制度廃止三菱による坑夫直轄化がRCアパート建造とともに進められ1916年大正5年)には日本最初鉄筋コンクリート造集合住宅30号棟」が建設された。この年には大阪朝日新聞端島外観を「軍艦とみまがふさうである」と報道しており、5年後1921年大正10年)に長崎日日新聞も、当時三菱重工業長崎造船所建造中だった日本海軍戦艦土佐」に似ているとして「軍艦島」と呼んでいることから、「軍艦島」の通称大正時代ごろから用いられるようになったとみられる。ただし、この頃はまだ鉄筋コンクリート造高層アパート少なく30号棟日給社宅のみ)、大半木造平屋2階建てであったRC造30号棟完成した1916年までに、まず世帯持ち坑夫納屋小納屋)が廃止されたが、1930年直営合宿所完成以降には、単身坑夫納屋大納屋)も順次廃止され1941年にはついに端島から納屋制度全廃される。しかし、代わって登場した三菱直轄寄宿舎も、劣悪であった例え1916年建設され30号棟は、世帯持ち坑内夫向けの6畳一間の小住居がロの字プラン一面敷き詰められ、その狭さから建設当初から評判良くなかった一方で、後に建設され坑外夫向けの16号 - 20号棟は、6畳4.5畳というやや広め間取りで、端島における坑内夫と坑外夫の差別そのままRC化されていた。 端島炭鉱良質な強粘炭が採れ、隣接する高島炭鉱とともに日本近代化支えてきた炭鉱一つであった。それを支え労働者のための福利厚生急速に整えられ1937年時点で、教育医療保険商業娯楽等の各施設は、既に相当なレベル整備されていた。一方で仕事は非常にきつく、1日12時労働の2交代制で、「星を頂いて入坑し星を頂いて出坑する。陽の光当るとがない」との言葉がある。 1916年大正5年以降から少年および婦人坑内使役開始され大正中期からは内地人の不足を補充するために朝鮮人労働者使役開始される1939年昭和14年)からは朝鮮人労働者集団移入本格化し、最重労働採鉱夫のほとんどが朝鮮人置き換えられたほか、1943年昭和18年)から中国人捕虜強制労働開始された。朝鮮人労働者納屋中国人捕虜端島南端囲い中にそれぞれ収容されたという。戦後高島端島・崎戸の3鉱の華人労務者やその遺族らが国・長崎県・三菱マテリアル三菱重工相手損害賠償求めて起こした訴訟では、長崎地裁2007年3月27日に、賠償請求自体請求権期限20年)が経過しているとして棄却したものの、強制連行強制労働不法行為事実については認定した1939年には坑内ガス爆発事故発生し死傷者34名を出した戦時中1941年から始まった産業報国戦士運動」の結果石炭出炭量が最盛期迎えた1941年昭和16年)には約41トン出炭端島歴史における年間高出炭)、1943年には第2立坑より1日に2,062トン出炭した。この時期端島の生活は極めて劣悪で、高浜村端島支所残され1939年 - 1945年の『火葬認可下付申請書』によると、この時期端島における死亡者日本人1162人、朝鮮人122人、中国人15人であり、朝鮮人中国人だけでなく日本人も相当な人数死んでいる。死因は主に爆焼死圧死窒息死などで、1940年端島推定人口が3,333人なので、住人40%近く死んでいる計算になる。 1945年昭和20年6月11日アメリカ潜水艦「ティランテ」が、停泊していた石炭運搬船「白寿丸」を魚雷攻撃し撃沈したが、このことは「米軍端島本物軍艦勘違いして魚雷撃ち込んだ」という噂話になった1945年には高島二子発電所空爆を受け、第2立坑水没する1945年昭和20年)に完成した65号棟報国寮)北棟防空偽装塗装にこの時期記憶が残る。

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