30号棟(グラバーハウス)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 19:43 UTC 版)
「端島 (長崎県)」の記事における「30号棟(グラバーハウス)」の解説
30号棟は、1916年(大正5年)に建設された日本初の鉄筋コンクリート造アパートである(日本初の鉄筋コンクリート造「高層」アパートとも)。グラバー邸のトーマス・ブレーク・グラバーと関わりがあるという説があり、通称グラバーハウスと呼ばれる。当初は4階建てであったが、完成後まもなく7階建てに増築されている。島の南西部、岩山の南端の山麓に位置する。中央に吹き抜けをもち、上から見るとほぼ正方形に近い「ロの字形」をした建物である。吹き抜けの周りを囲むようにロの字形の廊下があり、階段も吹き抜けに面している。その周囲に巴形に住居が配置されている。鉱員社宅として建てられたが、閉山時には下請飯場として用いられていた。7階建てだが部分的に地階もあり、閉山時は売店が入っていた。戸数は140戸、総床面積は3808.0平方メートル。基本的な階の構造は、1K(6畳)が19戸と1K(4畳)が1戸と共同トイレ。25号棟・26号棟・緑道(山通り)とは通路で繋がっている。建物の南東側には、船着場に直通のトンネルの出口がある。当時はまだ技術的に未熟であり、また材料や環境の悪さゆえ、最初に造られた下層階の劣化が速かったため、1953年(昭和28年)、上層階をそのままに下層階の鉄筋を取り替え、コンクリートを打ち直して改築している。
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