王位継承候補とその従者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 08:46 UTC 版)
アーシャ(アスタリオン) 主人公。ランドール王国の第二王子。13歳。読書好きでやや頭でっかち、体を動かすことは苦手で世間知らず。剣術や争いごとを嫌うため「ボンクラ王子」などと陰口を叩かれる。大人が大嫌いで信用しておらず、説教は耳栓を詰めて聞き流す。読書による知識はハンパでなく博識。歴史や軍事など多岐にわたり大人顔負けで、古文書の内容も読み解く力がある。また、何事にも懐疑的で慎重。容易に心を開いたり許したりはしない。ウィンスロット、アスローン、バドリアスと優秀な人物に囲まれているせいでコンプレックスから自らを過小評価してしまうが、彼らに負けず劣らない勇敢さや知謀を備える。従姉妹で幼馴染のレティに密かな好意を抱いているものの、レティが自分を恋愛対象と見ていないことにも気づいている。 王位継承を拒否し、「王国の鍵」探索が始まるや、ウィンスロットの遺言を守り単身でヴェルトスへ向かおうとする。やはりウィンスロットの遺命でアーシャを護衛しようとするバドと事ある毎に対立するが、それはバドがアーシャを見ていなかったためであり、共に旅するうち徐々に信頼を置くようになる。旅の途中でバドにふりかかった不吉な予言や竜人ガイウスとの契約、そして少しずつ明らかになる「王国の鍵」にまつわる呪われた秘密を知るうちに、大事なものを守るため自らに課せられた重い宿命に立ち向かう決意を固めてゆく。「不吉な左手」(シニスター) バドから剣術を学ぶにあたって渡された短剣。戦場で多くの兵士たちの命を奪ってきた業物。 バド(バドリアス・ユリウス) ランドール軍の大尉で、アーシャの兄ウィンスロットの親友。若いながら国一番の剣の使い手と噂される腕前であり、また指揮官としても優秀。明朗な性格ゆえに人望も厚く、上司、同僚、部下を問わず信頼を寄せられる。平時においては滅多に剣を抜かないが、戦いにおいては命知らずで迷いがなく、相手が女だろうが容赦しない。 世慣れて達観しているせいもあり、性格はお調子者で軽薄そのもの。平然と嘘もつく。人生を愛しておりいい女と酒には目がない。また、生真面目なカタブツを見るとからかわずにいられず、アーシャだけでなくラトナやアレックス、アスローンもからかう。表面的には楽天家だが、ウィンスロットを失ってからは心のどこかで「死」を望んでいた。それをアーシャに指摘されて以降は、“親友の遺志”ではなくアーシャに忠誠を尽くすようになっていく。成り行きからガイウスと契約を結び、夏至の日に死ぬことを予言される。 レティ(レティシア・オードリン) ヒロイン。アーシャの同い年の従姉妹で幼馴染み。公爵家の跡取り姫。13歳。「王国の鍵」を探す王位継承者候補の一人。女の子ながら剣術を習うほど活発。明るく勝ち気でマセた女の子でアーシャに対しては姉のように振る舞う。恋愛には鈍感でアーシャから想いを寄せられていることには全く気付いていない。王宮育ち故にやはり世間知らず。 「王国の鍵」を巡る探索もチャンスと受け止め積極的に参加。父親が将来の花婿候補として取り揃えたアレックスら若くイケメンな従者たちを百合騎士団として従え、意気揚々と旅に出る。 しかし、年相応に無分別で純粋で一途な性格とアレックスへの淡い初恋を竜使いたちに利用され罠に落ちる。再三にわたるアレックスの献身により命を救われ、取り返しのつかない事態になってようやく自らの浅慮さを自覚する。 アレックス レティの護衛である百合騎士団の団長。レティの花婿候補として集められた騎士の一人で、美青年で剣の腕も立ち、聡明で思慮深く生真面目で部下からも慕われる。誠実な大人の男で野心はなく、ただ妹のように大事な主君レティに対する忠誠心とその望みを叶えてやりたいという純粋な想いを抱いている。恋仲であり相談役でもあるラトナとの関係を知られてからはレティの行動が常軌を逸するようになり、苦悩する。主君を守るために我が身を捧げることになる。 アスローン・フェアハート ランドール王国の国境地帯オルヌスの若当主。「王国の鍵」を探す王位継承者候補の一人ながら王位継承にはまったく関心がない。礼儀正しく誠実な人柄ゆえに人望が厚く、それゆえに彼を次期国王にと望む者も少なくない。欠点はやや天然気質なところで、バドがその場凌ぎについたデマカセを信じ続けたほど。 フェアハート家はランドール王家への忠誠心がもっとも高い忠臣の一族。それゆえ逆に疎まれて地方領主に留められてきた経緯を持つ。またかつて王家を良いように利用した「竜使いの王」と対決し、彼らの勢力を宮廷から一掃した。一族の抱える秘密のため竜の魔力に抵抗力を持ち、竜の炎や催眠が効かない。 対立国セルテスの侵攻を支えるため、領地での防戦に明け暮れていた。このため「王国の鍵」探索への参加が遅れるが、当初からアーシャに忠誠を誓う。暗躍する竜人(竜使い)たちに警戒心を持ち、彼らを出し抜くために敢えて誘いに応じたフリをして探索に参加。そのことでセイヤヌスから狙われる。 アーシャとバドがガイウスとの間に奇妙な友情を結ぶのと同様に、アスローンはセイヤヌスとの間に奇妙な友情を育んでいく。 アレン公爵 狡猾で卑劣な名門貴族の当主。 「王国の鍵」探索に参加表明するが、ただ一人王都に留まり様々な手段で対立候補たちを妨害する。「竜使いの王」の子孫を名乗る人物を配下に置いて余裕たっぷりに振る舞う。 バルドゥス将軍 強欲で残忍で好色な野獣のような男。敵国からは「狂獣将軍」の異名で恐れられる。降伏した相手を虐殺したり、容赦のない略奪を繰り返すためアーシャからは毛嫌いされている。反面、部下の兵士たちの人望は厚く、民衆からも人気が高い。 王位を狙い「王国の鍵」探索に参加。対立候補たちに刺客を差し向けるなど露骨な妨害を行う。 物語開始前は東のロムル王国との最前線におり、オローク砦の前哨戦に参加していた。ミアレインが自らの両腕に呪いをかける原因となった人物でもある。
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