犯行声明等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 09:35 UTC 版)
「パソコン遠隔操作事件」の記事における「犯行声明等」の解説
これまでに2012年10月、同年11月、2013年1月1日、同月5日、2014年5月の5回、真犯人を名乗る者から自身の犯行についてのメールが弁護士や報道機関に届いている。 2012年10月9日23時22分 - ネット上のトラブルに詳しい弁護士・落合洋司宛に真犯人から上記事件の犯行告白を主旨とするメールが送信される。 2012年10月10日22時20分ごろ - TBSラジオの番組『ニュース探究ラジオ Dig』宛に、番組生放送中に真犯人から前述の事件に関して犯行目的や犯行内容の詳細、およびほかの類似の犯罪予告事件への関与などが記述された投稿が送られてくる。なお、この日はコンピューターウイルスの問題を取り上げており、「ネットウイルスの実態」を放送中であった。落合もこの日の番組に生出演していた。 2012年11月13日23時54分 - 落合や報道機関宛てに「ミスをした。捕まるのが嫌なので自殺する」旨の自殺予告メールが送信される。メールに添付された写真には人形と、首吊りの縄に見立てた青いLANケーブル・カッターナイフ・梱包用テープと当日朝刊の神奈川新聞が写っていた。写真のEXIF情報には撮影時の位置情報が記録されており、千葉県鎌ケ谷市の畑地を示すデータが記録されていた。なお、本来は位置情報は緯度・経度の度・分・秒の小数点以下については60進数表記で示されるものだが、これを100分率表記と見做すと横浜市のある団地にあたり、近傍に東京の男性Aの事件で襲撃が予告された小学校があった。ここから横浜市の団地と千葉県鎌ケ谷市の畑地周辺に警察が聞き込みをかけるも、自殺者や送信元に関する情報は確認されなかった。また、EXIF情報には通常含まれるはずのデータが欠けているなど不自然な点が見られることから改竄されている可能性があり、捜査かく乱を目的に電子メールを送信した可能性がある。 2013年1月1日午前0時18分 - 真犯人から「謹賀新年」のタイトルで複数の報道機関や記者にメールが送られた。メールには添付ファイルの中にある5題のクイズが出題されており、一つの問題を解いて得られる解答をパスワード等として次の問題を入手できるようになっている。(第1問)問題として与えられる画像では、韓国の漫画キャラクターが話しているハングルとテレビゲーム「テイルズ・オブ・エターニア」のキャラクターが話している架空言語のセリフが現れ、これを翻訳することでパスワードが得られる。 (第2問)パスワードでファイルを開くと85個のPNGファイルが得られる。そのうち84個はアイドルグループ「モーニング娘。」の顔写真であり、1つは画像ではない。これらのファイルを画像結合ソフト「Love Machine」(ファイル偽装・分割を行うためのツール)で結合し、第一問で得たパスワードを与えると本来の画像ファイルが復元される。この画像ファイルが第3問になる。 (第3問)問題で与えられるのは画像ファイルとその解読方法であり、画像ファイルは13手詰みの詰め将棋である。将棋専門誌「将棋世界」2012年1月号に掲載された詰め将棋の問題と同一であった。詰将棋の解答の棋譜がパスワードになる。 (第4問)問題で与えられるのは音声ファイルである。単純に再生すると判別できないが、逆再生すると「パスワードは警察庁長官の氏名、ヘボン式ローマ字半角小文字で」と聴こえ、それが次のパスワードになる。 (第5問)第4問で得たパスワードを使うと2枚の写真ならびにテキストファイルが得られる。写真は山頂三角点を写したもので、EXIF情報から東京都奥多摩町の雲取山(東京都、埼玉県、山梨県の三都県境付近)の場所が示される。この三角点の傍にIESYS.EXE関連資料やFAQを記録した記憶媒体を埋めたとする内容。 1月2日午後になって警察が該当する地点を捜索したが、記憶媒体は見つからなかった。写真の画像データは撮影日などの情報が含まれず、メールに添付された雲取山の写真には登山愛好家のサイトに掲載された写真と構図や影の位置などが酷似していたため、写真流用疑惑が浮上し、登頂を疑う見方が出た。真犯人は5日のメール等で、埋め方が浅く飛ばされたと主張している。なお、2013年5月下旬に山頂付近を実況見分した際に、袋に入ったUSBメモリーが発見された。1月には凍結して掘れなかった部分の土に埋まっていたとされ、江の島の猫の首輪から見つかった記録媒体とほぼ同じ内容が記録されていると報道されている。 1月5日午前0時34分、真犯人から「新春パズル 〜延長戦〜」のタイトルで25人の弁護士・個人や報道機関にメールが送られた。メールには添付ファイルの中にある3題のクイズが出題された。第1問 - テレビゲーム「ファイナルファンタジーX」に登場する架空言語を翻訳する内容。 第2問 - 隠されたファイルを復元する内容。 第3問 - 4枚の写真から記憶媒体のチップとともにピンク色の首輪をつけられた江の島の地域猫を探す内容。また、うち1枚の写真は、2013年1月4日付の神奈川新聞の上に置かれたピンクの首輪が掲載されていた。 住民によれば、この猫は人懐こく、人と接するのを嫌がらないといい、その毛並から「グレー」ないし「シルバー」と呼ばれていたという。 同日9時ごろに報道機関と警察が当該猫を発見し、警察がSDカードを回収した。 江の島の防犯カメラと目撃情報から当該猫に首輪がつけられたのは1月3日の15時から15時15分にかけてと見られている一方で、5日に送られたメールに含まれた写真の背景には1月4日の新聞が使用されている。これは複数の首輪を用意して首輪を装着した日時を偽装することで捜査を攪乱する意図であると推理された。江の島の防犯カメラでは、不審な男性複数が猫に首輪を装着し、写真を撮る様子が記録されているという。江の島では1か月前の2012年12月21日に万引き防止のために35台の防犯カメラが更新・新設されていた。真犯人は犯行声明の中で、この猫を「ゆたかくん」と命名しているが、当時の警察庁長官は片桐裕であった。 2014年5月16日 - 報道機関宛に真犯人を名乗る者からメールが送信された。
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