日本名と別名(日本原産種の近似種)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 15:29 UTC 版)
「タケニグサ」の記事における「日本名と別名(日本原産種の近似種)」の解説
「竹似草」の日本名の語源には2つの説がある。1つは茎が中空で、竹に似ているからという説で、もうひとつは秋の落葉後に果実だけが残っている姿が、竹の姿に似ているという説である。また、タケニグサの漢字表記には、同音異字のものもある。 タケニグサ属の葉の形(別名とされるチャンパギクといわれるように、菊の葉の形状を巨大化したような形である)は竹(竹はイネ科の草本であり、ケシ科であるタケニグサ属の植物とはまったく違う種である)とはまったく似ていないのであるが、このタケニグサ属は有性生殖での種子繁殖の他にも、生長をした株は竹が地下茎で殖えるのと同じく、タケニグサも根茎から枝別れして芽を出す無性生殖である栄養繁殖もするようになるために、しばしば小 - 中群落を造り、まれに大群落を形成するが、中 - 大群落状態で夏に花序が伸長しているときの、花序部分の枝の張り方などが、竹が葉を着けている枝の張り方に、タケニグサの花序の様子が似ているために、竹藪を離れた位置から竹の先端部が風に揺れている姿を見ているときと、タケニグサの群落の花序の先端が風に揺れる姿を見ているときが、竹と同じで地下茎ででも殖えていくことも、実際に竹藪の竹によく似ているから「竹似草」だ、ともいわれている。 迷信のひとつに、竹細工をする前に、このタケニグサと一緒に竹を煮ると、竹が柔軟になって加工がしやすくなるから「竹煮草」だという俗説もある。幾人もの実験により、柔らかくなることがない事実が判明しているが、かたくなに竹を「竹煮草」と一緒に煮沸をすると確かに竹は柔らかくなると、迷信を言い張る人がいる。しかし、竹とタケニグサを一緒に煮ても、竹は柔軟になることはない。竹を煮る前に先に竹庇護にしてから、竹似草を入れて煮沸をするので、普通に水分で、柔軟になったものを「竹煮草」で、柔軟になったと勘違いをしているにすぎない。しかし、別の目的でこの草と竹を、煮沸をしている場合がある。ただし、これは日本では簡単に入手できるからであり、製薬会社がこの草を原料に粉末(もしくは液状)の、サンギナリン殺虫剤または着色剤でもよい。竹細工師によると、竹の着色料として「草木染め」として、使用する場合は一緒に煮沸することもあるが、おすすめはできない(※見せ掛けのいんちきとなる)とのことである。タケニグサを発酵させて草木染めを行うと、綺麗な黄色に染まるそうである。 別名は「占城菊(チャンパギク)」という。キク科ではないが、葉の形状が菊の葉の形に似た特徴で、葉の周囲の切れ込みに鋸歯が併わさることなどが似ており、その葉が巨大に生長するので、占城(チャンパ)の国(南ベトナム付近)からやってきた帰化植物の菊であると思われていたためであったらしい。ケシ科、タケニグサ属の植物は東アジアに2種が原産して、そのうち1種類が日本の原産でタケニグサ (Macleaya coldata.(Willd)R.Br.) で近似種が、ケナシチャンパギク (Macleaya coldata.(Willd)R.Br.f.glabra.H.Ohoba) 、マルバタケニグサ (Macleaya coldata.(Willd)R.Br.f.koaraii.Takeda et Honda) である。もう1種類が中国大陸 - 台湾付近の東南アジア一帯が原産の小果博落廻 (Macleaya microcarpa) である。遺伝子の違いからタケニグサ、ケナシチャンパギク、マルバタケニグサは日本が原産の在来種であることが判明している。このタケニグサ属の植物の葉の形状は菊の葉に似ているかもしれないが、花の構造は小さくても雌蘂の花柱の子房が、受粉成熟後に芥子坊主の形状になる。熟した果実からはアリロイドのエライオソームである種子枕を持つ、細かく小さい種子ができる。いわゆる「芥子粒」である。蕾のときまでは、萼が花に被っているが、開花と同時に剥がれて落ちる。芥子の特徴をもっているので菊ではなく芥子の仲間であることもわかる。名称は占城菊(ちゃんぱぎく)のほうが古来からの名であったが、芥子の仲間であることから、別名のなかで、一番名の通っていた「竹似草(たけにぐさ)」と入れ替えた。遺伝子の研究により、日本原産の竹似草が、ベトナムに生育している事実はない。中国大陸の原産の小果博落廻の生育していた様子もない。 葉の裏面には普通は細い綿毛が密生しているが、葉の裏面に細い綿毛がまったく生えていない無毛の株が存在している。一見同形であるために、葉の裏面を観察しないと見付けられない。「毛無占城菊(ケナシチャンパギク)(Macleaya coldata(Willd.)R br.f.glabra H Ohoba./or/synonym M,c(Willd.)R.Br.ver thunbergii auct.non(Miq.)Miq)」という日本名をもつ株である。約40%くらいの確率で見つかった地区があるという。 葉の形が切れ込みのある円形状のものがあり、「丸葉竹似草(マルバタケニグサ、学名 : Macleaya coldata.R.Br.f.koaraii takeda et honda)という。 インキ草(インク草) - 植物体に傷をつけると、橙黄色の乳汁が、傷口から滲出する。実生苗は小さすぎるので、2年目以降の根茎から発芽して小さいときは、生長しているので朱色に見えるくらいの濃い乳汁を多く湧出する。この乳汁を使って落書きをする子供がいたので、「インキ草」または「インク草」ともいわれる。この乳汁には有毒物質が含まれているので、傷つけた植物体の傷口や、出てきた乳汁を素手で触れることは避けたほうがよい。付着した乳汁はすぐに拭き取って洗い流す必要がある。植物体に傷を付けていなければ、または、傷を付けて乳汁が滲出していても、多量の乳汁自体に触らなければ、植物体には触っても差しつかえはない。付着した乳汁は放置せずに、すぐに拭き取れば、色が残っていても大丈夫である。 囁き草 - 秋に熟した果実には種子が大量に入っている。風で揺れるとかさかさと音が出るため、誰かがひそひそ話をしているように聴こえるので、「囁き草」(ささやきくさ)ともいう。 狼草 - 全草に含まれている乳汁が有毒物質を含んでいたため、殺虫剤、殺菌剤として使われていた。そのため「狼草」(おおかみくさ)とも呼ばれる。 裏白 - 葉の裏面が真っ白いから「裏白」(うらじろ)という。 赤チンキ - 赤(橙)色の乳汁が植物体に傷を負わせると滲出するから「赤チンキ」(あかチンキ)という。 山チンキ - 山裾に生育し、植物体に傷を負わせると、赤チンやヨーチンのような赤(橙)色の乳汁を滲出するから「山チンキ」(やまチンキ)であるという。 トートガラ - 塔が立つように背が高く、茎の中が空であるから「トートガラ」(塔々空)だという。 ほかにも別名はあるが、代表的にこれを示しておく。
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日本名と別名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 01:15 UTC 版)
日本名は、普通の占城菊(チャンパギク)→(竹似草)の葉の裏面には、綿毛が密生状態に生えているのであるが、葉の裏面にまったく毛の生えていない株のチャンパギク(占城菊)であることから、毛無占城菊(ケナシチャンパギク)と名づけられた。占城=チャンパから来た菊というのは、葉の形が菊の葉の形と同じように、鋸歯が切れ込みとあわせて存在するが、はるかに大きく育つために名付けられた、葉っぱの形状が由来となっている。日本原産であっても、大きな菊に似ている葉を出す草であるので、占城から来たと思われてである。 別名は、毛無竹似草(ケナシタケニグサ)で、竹似草(タケニグサ)の葉の裏面には、綿毛が密生状態に生えているが、葉の裏面に、まったく毛の生えていない株の竹似草であることから名付けられたのだが、竹似草 の場合は、葉っぱではなく、茎などが竹に似ていることが名前になっている。もともとは葉の形状が菊の葉に似てはいるが、巨大であるから、外国の占城(チャンパ)から来た菊であろうと、植物分類学が発達していないころに名付けられたようであるが、詳しい調査の結果で、花の構造や、滲出して来る橙色の乳汁の成分に、ケシから採れるアヘンやモルヒネと似ているプロトピンというモルヒネ類似物質が含まれていることで、ケシの仲間であることが判明し、それまでは別名であった竹似草(タケニグサ)が日本名とされ、占城菊(チャンパギク)を別名とし、入れ替えられたが、毛無占城菊(ケナシチャンパギク)は、そのままの状態で、日本名と別名が固定されている。
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