日本のスピリチュアル・ブームとは? わかりやすく解説

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日本のスピリチュアル・ブーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 05:18 UTC 版)

スピリチュアリティ」の記事における「日本のスピリチュアル・ブーム」の解説

アメリカニューエイジ運動は主に「精神世界」の名で日本広まったが、その後日本で「スピリチュアル」と呼ばれるものにほぼ受けつがれた。ただし、中村晋介によれば、日本のスピリチュアルブームは欧米ニューエイジ運動由来するものだが、先祖崇拝死者の魂の実在重視する日本スピリチュアルは、欧米ニューエイジ運動似て非なるものではないかとしている。 ヒーリングや「癒やし」は1995年頃から徐々に知られるようになり、その後急速にブームとなって、それを引き継ぐようにスピリチュアル・スピリチュアリティという言葉2000年頃から広まっていった。2004年には占い師細木数子出演するテレビ番組ズバリ言うわよ!」(TBS系)がヒットした。しかし、従来型先祖祭祀古典的な夫婦関係復活地域寺社への参拝などを強弁し細木に対して多く女性視聴者拒絶反応示した。翌2005年には自らスピリチュアル・カウンセラーを名乗る江原啓之美輪明宏らが出演したオーラの泉』(テレビ朝日系)が放送開始され大ヒットした。細木違って江原死者への敬意追慕の念を抱くことの重要性説きつつも既成宗教枠組みとらわれることには批判的であり、「大きな物語」への接近忌避矛盾なく並列させることで、自己多元化した若者受容されたという。真言宗智積院研究員鈴木晋怜は、江原啓之人気について従来霊能者は、低い霊現象扱い風変わりな行動をとり、何らかの宗教的背景をもち、現世利益提供するというものが多かった。それに比べて現在の霊能者は、スピリチュアル・カウンセラーと称して高次スピリットメッセージ伝達し成熟した人格を養うことを重視し宗教的外観をとらず、クライエントに「人生地図」を提供するという非常に洗練されたものとなっている」と指摘している。 江原啓之人気典型とする「スピリチュアルなものへのあこがれ」を「スピリチュアルブーム」という。スピリチュアルブーム中核には心霊交流する特殊能力者出演するテレビ番組のほか、癒やしスピリチュアル特化したイベント見本市 のスピリチュアルマーケット(スピマ)には2009年年間11万人利用している。スピリチュアルブーム要因には、個人化した社会の中で傷ついた自己があり、そのような自己努力自己責任という言葉でなく、「悪いのはあなたではない」「そのままでいい」という「許し言葉」によって肯定されることがあるという。 テレビでスピリチュアル番組台頭する背景一つとしては、1970年代映画エクソシスト」が大ヒットし、日本のテレビ番組でも超能力霊能力心霊写真などのオカルト番組多数出現したこともある。國學院大學教授石井研士は、テレビ局霊感商法霊視商法カルト教団批判する一方で1970年代から霊能力者超能力者占い師などを継続的にテレビ番組登場させてきており、これは視聴者直接的影響与えるとしている。 また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの有元裕美子によれば現代日本の「スピリチュアル」には、ニューエイジエコロジー、自然志向平和主義など社会性の高い領域よりも、個人におけるご利益など現世利益側面が強いという特徴があり、現代日本スピリチュアル狭義では癒やしセラピー補完・代替医療食事療法を除く)、占星術東洋思想古代文明超自然現象などがあり、広義では哲学心理学宗教学民俗学人類学、また宗教日本的霊性先祖崇拝巫女イタコノロユタ陰陽道など)も含まれる一方、かつての「精神世界」に含まれる潜在能力開発自己啓発)、ニューサイエンス疑似科学オカルト宇宙人UFOなどは狭義スピリチュアルには含まれないとしている。有元は、限られた人の中で愛好されていた「ストイックきまじめな"精神世界"」が、おしゃれで「やさしく明るい"スピリチュアル"」に作り替えられ結果社会的需要高まりあいまって昨今ブームつながったではないか述べている。忙し現代では様々な苦難悲しみから素早く回復することが求められており、「ゆっくりと根本的な回復ではなく「たとえ表面的にでも通常の生活がおくれる程度まで、『効率的にされたい』」という需要発生する。自ら試行錯誤答えを得るのではなく専門家による効率的なプログラムプロによる高度なサービスにより、短時間人生正解手に入れることが求められるのである上田弓子現代多様なスピリチュアリティ愛好する日本人感性には、神道的な感性や、自然崇拝などのアニミズム大きく関与していると論じている。

※この「日本のスピリチュアル・ブーム」の解説は、「スピリチュアリティ」の解説の一部です。
「日本のスピリチュアル・ブーム」を含む「スピリチュアリティ」の記事については、「スピリチュアリティ」の概要を参照ください。

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