政府・各機関・施設の対応
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「新潟県中越地震」の記事における「政府・各機関・施設の対応」の解説
小泉純一郎首相(当時)は第17回東京国際映画祭のオープニングセレモニーに出席中であり、第一報を受けてから約1時間後に公邸に戻った。首相官邸には地震発生から約4分後の23日18時に対策室が設置され、防衛庁に阪神・淡路大震災以来初となる緊急対策室が設置された。翌日に村田吉隆防災担当大臣(当時)が被災地を訪問した。 一般向けの提供がまだ行われていなかった緊急地震速報は、実際に稼動した。まだ実験段階ではあったが、茨城県守谷市にある明星電気守谷工場内で速報の受信が行われ、実際にカウントダウンまでされた(ビデオ映像)。なお、脱線した上越新幹線でも、ユレダスと呼ばれる緊急地震速報が受信され、緊急停止が行われた(結果的に、揺れる前に停止はできなかった)。また、17時56分13.6秒(本震)の第4報では、新潟県中越地方の震度予測が「6強から7程度」となっており、実際に震度7が観測されることも予測していた。 新潟県知事、被災地各市町村首長らの要請により、自衛隊が災害派遣され、新潟市の新潟県スポーツ公園内の臨時駐車場と新潟県立野球場の建設予定地を災害支援用の拠点として使用。その後交通網の復旧が進んだことから10日より順次、被災地周辺に駐屯する体制に切り替えられ、長岡市悠久山野球場周辺など数箇所に拠点を置いた。なお、当時の平山征夫知事の任期が地震発生翌日の10月24日までだったため、地震発生当時は知事ではなかった泉田裕彦次期知事も知事就任前から新潟県庁で状況把握を行っていた。 消防では、新潟県内の消防本部による消防応援が実施されたのとあわせて、総務省消防庁などの調整のもと、宮城県・山形県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・長野県・山梨県・富山県・石川県・愛知県の消防本部から緊急消防援助隊が出動し被災地での災害活動が行われた。 東京都隊として派遣された東京消防庁の消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)が中心になり、長野県隊・栃木県隊などや新潟県内の消防本部救助隊とともに、崖崩れの現場で救助活動を行い、地震発生から92時間後に崖崩れで埋没していた乗用車から2歳の男児を救助した。 緊急消防援助隊の10月23日から11月1日の10日間の活動で453人(うち消防防災ヘリコプターによる救出が282人)を救出。この震災で消防が得たものが、のちの特別高度救助隊・高度救助隊の発足と整備につながる。「緊急消防援助隊#活動実績」を参照 警察では、警察庁が各県警の広域緊急援助隊を出動させ災害現場の警備や救助活動、交通整理などを行った。 災害救助犬は、各民間(ボランティア)協会より被災地に派遣され活躍したほか、崖崩れで数日間埋没していた乗用車から救出された現場には警視庁所有の警備犬レスター号(ジャーマンシェパードのオス、 - 2015年12月4日)が投入された。 救助活動が行われている崖崩れ現場に、地盤や地震に詳しい上席研究員と工学博士、陸上自衛隊の医官も加わった。 東京都の医師、看護師、救急救命士などによる災害医療チーム東京DMATが被災地に入り医療活動を行った。 新潟県公安委員会は10月24日、関越自動車道・小千谷IC - 長岡JCT間と、北陸自動車道・柏崎IC - 三条燕IC間を緊急交通路に指定した(それぞれ復旧と同時に解除)。 通常は有料の県内の公営入浴施設を、避難者のために急遽無料で開放。各避難所単位で利用できる日時を指定したうえで、利用希望者を送迎バスで入浴施設に運んでいた。しかし、震度3以上の余震が発生するたびに危険な損壊が起きていないかを調べるため、頻繁に施設の開放を一時中断せざるをえなかった。 居住施設提供:避難中の方への宿泊施設紹介(無料):高齢者、障害者、未就学児、妊婦、その他 11月26日に、台風23号とともに激甚災害に指定することが閣議決定され、12月1日より施行された。 2006年(平成18年)7月4日、旧山古志村(現・長岡市)にある虫亀診療所が診療再開。 2006年(平成18年)7月6日、旧山古志村(現・長岡市)にある種苧原診療所が診療再開。 2007年(平成19年)12月2日付の毎日新聞の報道によると、長岡市内の仮設住宅に同市の54歳の復興管理監が自分は入居資格がないにもかかわらず、2007年(平成19年)11月初めまで入居していたことが発覚した。 2007年(平成19年)12月31日、すべての仮設住宅から住民が退去し閉鎖。
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