役

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役

出典:『Wiktionary』 (2021/09/19 10:46 UTC 版)

発音^(?)

• 音読み
  • 呉音 : ヤク
  • 漢音 : エキ

名詞

1. (元々の意味：エキ、ヤク、えだち)古代国家～近世までの政府(官)から課される労働。公役、夫役。

   • かやうの役に催し給ふはいかなることぞ(宇治拾遺物語)

   1. (転じて)(近代国家成立以前の政府・支配者が)人民・農家、旅行者の物品に課す税。
      • 百姓の物ごとを役に掛けて取りあげ（仮名草子・浮世物語,浅井了意）
   2. (更に転じて）辛い仕事を与える事。こき使う。
2. （ヤク　音読みであるが原義にはない意味） 全体の中で、割り当てられ受け持つ仕事。果す任務。役目・役割。 (当番から名誉職、一定の公職・職位にまで使われる。)
   1. (転じて)もっぱらその事(用事)にあたること。もって任じる。(より軽い使い方)
      • 炬燵の守（もり）役をもって任じていた。
      • そこはかなきことを思ひつづくるを役にて（更級日記、菅原孝標女）
3. （ヤク） 責任のある、重要な職務・地位。主だった立場の仕事。(広く社会的な全体の中での役と、組織の中の役の両方に使うので、語義2との区別は曖昧)
4. （ヤク） 演劇や映画などで、俳優・役者が、演じる人物・配役（なりきって演じる対象）
5. （ヤク　主に賭け事に対して）賭け事のゲーム(花札・トランプ・麻雀^(wp)、など)で、決まった条件が揃って「勝てる・上がれる」状態。上がり役。
6. (ヤク・エキ)月役（つきやく）の略。月経^(wp)のこと。
7. （エキ）戦役、特に内戦。徴兵の意味もある。反乱を起こす側からは、乱（応仁の乱など）。
   • 西南の役（=西南戦争）

語源

ヤク

古代律令制以降、近世までの、人民に割り当てられる(公の)仕事。労働や戦争などの務め。(徴用もしくは、労働税)の役（やく）から。元から、役（えき）とも読む。現代ではえだちと読む事は稀。

(日本語の語源は、役の字源とは異なる)

関連語

語義1

• 役務，使役，雑役、懲役、兵役^(wp)、役人，現役，退役，予備役^(wp),役場,戦役、相役,服役
• 類義語: 公役，労役
• 対義語: 無駄,不用,無用
• 派生語: 役牛, 役馬，苦役，

語義2

• 役職，役割，役目、職務、役所，役掌，上役,同役
• 類義語: 任務，使命、役回り
• 対義語: 無駄,無用
• 熟語: 役目, 役割、役所（やくどころ）、御役目
• 成句: 役割分担、役にたつ(連語)、役だつ(熟語)

語義3

• 類義語: 大役　
• 熟語: 役職、顔役、役員、役職者、取締役，収入役^(wp)，御役御免

語義4

• 俳優，たま【玉】，役柄、相役
• 類義語:役者　配役
• 派生語:端役，主役，脇役、悪役
• 熟語:役を振る、立役者
• 成句:役不足

語義5

• 聴牌，当たり
• 類義語:上がり
• 派生語:役満

語義6

• 月経　生理
• 類義語: 月役

語義7

• 兵役,戦役

翻訳

語義1

• 英語: use ^(en)，service ^(en)

語義2

• 英語: duty ^(en)，service ^(en)
• 役に立つ:　be useful，be helpful

語義3

• 英語: post ^(en)，office ^(en)（公職の意味で)

語義4

• 英語: role ^(en)，part ^(en)

熟語

• 役務
• 役員
• 役者
• 役所

• 役職
• 役人
• 役場
• 役目

• 大役
• 配役
• 端役
• 役割

• 端役
• 用役
• 脇役
• 戦役

• 役だてる
• 役だつ
• 役にたつ

手書きの字形について

• 殳を参照。