幼学指南鈔(巻第七、第二十二中/)
主名称: | 幼学指南鈔(巻第七、第二十二中/) |
指定番号: | 2522 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 2002.06.26(平成14.06.26) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | |
員数: | 2帖 |
時代区分: | 平安 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 『幼学指南鈔』は、国宝『秘府略【ひふりゃく】』に次いで古い平安時代に編纂された漢文の類書である。編者や成立の事情などを明らかにしない。意味分類のもとに、当時の代表的な文献である『毛詩』『礼記』『春秋』『説文』『史記』『漢書』『山海経』など、ことに『文選』を最多引用した漢籍の一大分類文集であり、唐代の類書『初学記』(三〇巻)を参考・基準にして、漢学者の漢文学習教材として編纂した性格がうかがわれる。現存する巻次によって、目録一巻、本文三〇巻の三一帖であったと考えられている。 『幼学指南鈔』は、本書の一連の古写本が現存するのみである。重要文化財の大東急記念文庫本(六帖)・東京国立博物館本(旧梅沢記念館本、一帖)・陽明文庫本(二帖)と重要美術品のお茶の水図書館本(二帖)、さらに台湾の故宮博物院本(楊守敬旧蔵本、一〇帖)が確認されている。 本書の体裁は粘葉装。料紙には雲母引の楮紙打紙を用い、押界を施している。首・尾題はない。本文は半葉七行、一行一七字前後に書写する。まず標目を掲げ、次に項目を示す。項目の説明は一字下げにて記す。標目上に朱の丸点が付されている。文中まま加筆、摺消訂正がある。説明の典拠となる本文を示しているが、国書を引かず、和訓も付していない。引用されている書目のなかには、今日佚書となっている逸文を伝えている。佚書として『語林』などが確認できる。 『巻第七』では「巻第七」と巻次を記し、次いで「人部一」と部名を掲げている。次に「美大夫」「美婦人」などの標目を記載している。同じく「人部二」の記載が続く。 『巻第廿二』は、表紙に「丗一冊之内」(右下)とある。「巻第廿二〈中〉」と巻次を記し、次いで「巧藝部〈下〉」と部名を掲げている。次に「射」「馭」などの項目を記載している。同じように「方術部」「火部下」の記載が続く。 二帖とも、巻末に「覺瑜」と墨書があり、本文とは別筆で伝領者名であると思われる。「覺瑜」は仁和寺真光院覚瑜法印(『仁和寺諸院家記』)で、平安時代後期の人物である。 本書は奥書がないものの、書風などから平安時代後期の書写と認められる。書写年代が撰述の年代とあまり隔たっておらず、原本の構成を知ることができるとともに稀覯の類書の古写本として貴重である。 |
幼学指南鈔
主名称: | 幼学指南鈔 |
指定番号: | 1671 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1955.02.02(昭和30.02.02) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | |
員数: | 6帖 |
時代区分: | 平安 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 平安時代の作品。 |
幼学指南鈔〈巻次未詳残巻/〉
主名称: | 幼学指南鈔〈巻次未詳残巻/〉 |
指定番号: | 2423 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1986.06.06(昭和61.06.06) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | |
員数: | 2帖 |
時代区分: | 平安 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 『幼学指南鈔』は完本が伝存せず、もと一具の粘葉装本二十三帖が唯一の伝本で、その編者、成立事情等を明らかにしないが、もと三十巻と推定され、諸種の項目を天部・歳時部等に分類し、『礼記』『文選』『史記』等の中国古典によって説明した類書である。 この陽明文庫所蔵の二帖は、ともに粘葉装冊子本で、料紙は斐紙の薄墨紙に雲母を引き、天複罫、地単罫の押界を施している。本文は半葉七行、一行一五字前後に両面書に書写され、注は双行で、朱・墨の加筆訂正や、襲書、擦消訂正がある。文中に引用された書目はすべて中国の撰述書で、なかには佚書となっているものもあって貴重である。 二帖のうち、巻第十五は表紙は欠失しているが、もと扉紙である本紙第一丁の表に紫地の原表紙があった痕跡が認められ、八双の竹も一部分存している。内題はなく、第二丁表に「巻第十五」と巻次を表記し、ついで「文部」と部名を掲げて項目を、経伝、史伝、文字、講論、文章、筆、紙、硯、墨と記している。第一丁表の左上には「『【(朱)】十五』一交了」と校合記があり、帖末に「覺瑜」と墨書があり、これは伝領者を示すと思われ、覚瑜は仁和寺真光院覚瑜法印かと考えられる。 また巻次未詳の一帖は、首尾を欠し「直鍼」の項の記事より存するが、第三丁表に「章服部」とあって、その冠の項から弁、巾冒、夘、緩の項および笏の項の途中までを存している。『幼学指南鈔』三十巻のうちの現存する巻次の配列や『太平御覧』などの全体の部の配列からみて、この巻次未詳の帖は巻第二十に接続するものと考えられる。 両帖とも書写の奥書はないが、書風よりみて平安時代後期の筆になるものと認められ、他に伝本の知られぬ稀覯の類書の古写本として貴重な遺品である。なお本帖の僚巻としては、台湾の故宮博物院に一一帖、大東急記念文庫に六帖(重要文化財)などが知られている。 |
書跡・典籍: | 平等院経蔵目録 幼学指南鈔 幼学指南鈔 幼学指南鈔 幼学指南鈔巻第十六 広清涼伝 康保元年十一月勧学会記 |
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