巷談師の自覚と珍騒動とは? わかりやすく解説

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巷談師の自覚と珍騒動

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:20 UTC 版)

坂口安吾」の記事における「巷談師の自覚と珍騒動」の解説

1950年昭和25年1月には、ファルス小説肝臓先生」を『文學界』に発表続いて戯作者精神発揮した社会時評安吾巷談」を『月刊 文藝春秋』で発表し文藝春秋読者賞受賞するが、この頃、再び睡眠薬服用し中毒症状発作起こした5月から「街はふるさと」を『読売新聞』に連載し執筆のためたびたび上京して文京区小石川林町モミジ旅館宿泊した8月に「巷談師」を『別冊文藝春秋』に発表10月からは探偵小説明治開化 安吾捕物帖」を『小説新潮』に連載。この作品は、探偵結城十郎勝海舟との談話交えながらシリーズ解決役となる。安吾は、短編推理理想的な形式として日本流のシャーロック・ホームズシリーズ書こうとし、日本では岡本綺堂半七捕物帳のような成功作があるということで「捕物帳になった同月には石坂洋次郎林房雄らとの合作によるラジオ小説天明太郎』を宝文館刊行した。翌1951年昭和26年3月から歴史考察記した安吾新日本地理」を『文藝春秋』にて連載開始古代王朝に関する大胆な仮説蘇我天皇説)も提唱した鋭い感性からくる歴史観は、その後作家松本清張黒岩重吾など)が古代史論ずる際の嚆矢となった朝鮮戦争といった冷戦激化する中、「マルクスレーニン筋金入り集団発狂あれば、一方皇居前で拍手をうつ集団発狂あり、左右から集団発狂はさまれては、もはや日本助からないという感じ」と記している。日本共産党批判する一方、「本家ソビエット共産主義政府壊滅しても、中共だけは栄える」ことを予言した安吾流行作家としての収入があっても全て使い切ってしまい、5月税金滞納により家財蔵書原稿料差し押さえとなる。国税庁腹を立てた安吾6月に、「差押エラレ日記」、「負ケラレマセン勝ツマデハ」を『中央公論』に書き税金不払い闘争行なった。夏から飛騨・高山地方旅行し日本古代への新たな興味を抱く。一方この頃から競輪場通い出し伊東競輪のあるレース着順判定写真判定)に不正があったのではないか調査当時運営団体である静岡県自転車振興会を検察庁告訴するという伊東競輪不正告訴事件9月起こす監督官庁である通商産業省は「坂口氏の思い違いである」として断定するが、11月にはこれについて書いた「光を覆うものなし」を『新潮』に発表しその中で再度写真すり替えによる不正を主張したが、12月嫌疑不十分不起訴となった。この時代競輪は、チンピラヤクザの巣窟だったという。 この競輪告訴事件泥沼化により疲れ果て、アドルムを多量に服用し伊東市から離れて被害妄想から大井広介邸など転々と居場所変えることになり、妻・三千代の実家石神井檀一雄宅に居候する。檀一雄の家に身を寄せていた頃、安吾は「ライスカレー百人頼んでこい」と妻に言いつけ三千夫人仕方なく近所食堂蕎麦屋(「ほかり食堂」と「辰巳軒」)に頼み、庭に次々と出前積み上げられていくという「ライスカレー百人前事件」を引き起こす檀一雄その時安吾について、「云い出した金輪際にひかぬから」と語っている。その後安吾は、1952年昭和27年2月末、『現代文學同人だった南川潤紹介群馬県桐生市本町2丁目266番地書上左衛門邸の離れ身を隠すこの頃、この地で古墳巡りゴルフはじめた小説執筆激減するが、同年1月からは歴史人物譚「安吾史譚」を『オール讀物』に連載し評論家として活躍巷談師を自称する同月には、チャタレー裁判林房雄と共に傍聴し、「チャタレイ傍聴記」を『読売新聞』に載せた6月に「夜長姫と耳男」、9月戯曲輸血」を『新潮』に発表10月からは歴史小説信長」を新聞新大阪』に覆面作家として連載連載並行して作者名を当てる懸賞募集行われ応募総数2784通のうち正解は1299名だった。

※この「巷談師の自覚と珍騒動」の解説は、「坂口安吾」の解説の一部です。
「巷談師の自覚と珍騒動」を含む「坂口安吾」の記事については、「坂口安吾」の概要を参照ください。

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