崩壊と民主化とは? わかりやすく解説

崩壊と民主化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 09:21 UTC 版)

ギリシャ軍事政権」の記事における「崩壊と民主化」の解説

1973年オイルショックが始まるとギリシャその影響2%マイナス成長転落インフレ率上昇3月アテネ大学では学生蜂起し法学部占拠した。さらに5月海軍蜂起、これは失敗終わり駆逐艦ヴェロス (en) がイタリアへ脱出したパパドプロス海軍蜂起国王コンスタンディノス2世が関わったとして非難1973年7月29日国王廃位と『大統領制議会制度共和国』の宣言行った上で国民投票行い唯一の立候補者だったパパドプロス大統領選出された。国章には軍事政権象徴としていた不死鳥描かれ首相にはスピリドン・マルケジニスが就任したが、パパドプロス全権掌握する状況変化無かった。こうして形ながら民政移管体裁取った上で起死回生狙って全国戒厳令一時停止大規模な恩赦行なった上で1974年選挙を行う事をパパドプロス公約した。 これに対して11月学生らが大規模なデモ起こしアテネ工科大学占拠、さらに市民までもが参加したが、これは陸軍戦車投入してアテネ工科大学突入して鎮圧700名が逮捕され負傷者数百名死者80名がでる流血惨事になった。 この事件ギリシャ軍高級将校らの反発を招くこととなった。こと形式的な民主化反対軍事政権継続望んだ軍事治安警察長官ディミトリオス・イオアニディス准将など一部将校パパドプロス打倒決意し11月25日クーデター起こしパパドプロス拘束大統領職から追放した後任大統領にはフェドン・キジキス中将が、首相にはアダマンティオス・アンドルツォプロスがそれぞれ就任したものの、彼らはイオアニディスの傀儡でしかなかった。 イオアニディスはギリシャ全土への戒厳令復活させ反対派への抑圧が再び強まる事となった。しかし、それまでイスラエルアラブ諸国の間で戦争が行なわれていたためにギリシャ体制維持されることを望むアメリカ意向国内的に小康状態であったが、1974年3月イギリス労働党による内閣発足するギリシャの軍事政権対す批判開始された。 一方ギリシャトルコは、1964年発生したキプロス紛争以来関係が悪化していたところ何とか小康状態落ち着いていた。しかし1973年10月トラキア西部において少数民族化していたムスリム問題11月ギリシャ石油探査していたエーゲ海東部大陸棚に対してトルコ政府トルコ石油公社へ石油採掘付与したことで悪化し始めた。さらに1974年1月タソス島沖合い石油天然ガス発見されたことでこれは一気外交問題発展軍事衝突危機にまで発展したが、これはNATO仲裁により軍事衝突危機避けられた 。 イオアニディスはこれに対しキプロス威嚇した。キプロスはこの威嚇抗議したが、イオアニディスはキプロスギリシア民兵であるEOKAを支援しクーデターによってマカリオス政権打倒させた。マカリオスすんでのところで命拾いはしたもの亡命しキプロス1960年制定され憲法否定されていたエノシス(全キプロスギリシャへの統合が行われる可能性恐れたトルコは、7月20日トルコ系住民保護名目キプロス侵攻北キプロス・トルコ共和国樹立後押しした。 「キプロス紛争」も参照 ギリシャもこれに対応して動員行い両国はいつ戦火交えてもおかしくない状態と化したが、実際に戦闘を行う筈の海軍空軍攻撃命令拒否した上にアメリカ政府見放し国際社会にも同調する国はなかった。そのため、イオアニディスが統制していた陸軍軍事治安警察孤立する格好となり、ギジキス大統領と軍首脳、さらにステファノプロスやカネロプロス、マルケジニスなど首相経験者諸政党の首脳とで会合した結果カラマンリス元首相復帰させて民主化民政移管決定した1974年7月24日午前4時亡命していたフランスから11年振りギリシャ帰国したカラマンリス満場埋め尽くした歓喜の声が響く中、首相就任宣誓行った 。 そして、1974年12月君主制可否を問う国民投票が行われ、国民の7割が君主制拒否示しギリシャ王国事実上消滅することとなり、ギリシャ共和国ギリシャ第三共和政)が成立することとなった。この民政移管ギリシャでは「メタポリテフシ(ギリシア語: Μεταπολίτευση)」と呼ぶ。

※この「崩壊と民主化」の解説は、「ギリシャ軍事政権」の解説の一部です。
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