崩壊の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/14 14:43 UTC 版)
放射性崩壊の主な崩壊モードは、アルファ崩壊、ベータ崩壊、核異性体転移(英:isomeric transition)、自発核分裂の4種類である。また、ベータ崩壊はさらにβ-崩壊(陰電子崩壊)、β+崩壊(陽電子崩壊)、電子捕獲とに別けられる。これらの崩壊プロセスのうち、アルファ崩壊では核の質量数が常に4減少し、ベータ崩壊や核異性体転移では質量数が変化しない。このため、自発核分裂(人為的な核分裂も含む)を除く崩壊では質量数を4で割った余りが同じままとなり、この余りによって核種を4つの系列に分類することができる。これは、いかなる核種でもいずれかの系列に分類可能であることを意味する。 自然界で見られるものは、これら系列(ファミリー)のうち主に3種類であり、トリウム系列、ウラン系列(ラジウム系列)、アクチニウム系列と呼ばれる。これらは4つの系列のうちの3つであり、鉛の異なる3種類の安定同位体に至って崩壊を終える。各同位体の質量数は、それぞれ「4n」、「4n+2」、「4n+3」と表現できる。長寿命の開始同位体 232Th, 238U および 235U の3核種は地球の形成時から存在し、244Pu 前駆体(precursor)も地球上にごく微量ながら見られてきた。. 第4の系列は質量数が「4n+1」と表現されるネプツニウム系列であり、開始核種である 237Np が地球の年齢に比べてはるかに短寿命な同位体であることから、最後の律速段階を除いてはすでに消滅している系列である。 その他にも 14C のように、より短い系列が多く存在する。地球上では、それら開始同位体の多くが宇宙線によって生成され、人工的には原子力発電の副産物として生成されている。
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