崩壊と再構築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/03 04:19 UTC 版)
1987年の春季(乾季)にビルマ政府軍は大攻勢をかけ、旧援蒋ルート上にありCPB支配下では最大の交易市だったシャン州北西部のムセを陥落させ、はじめて中国国境へ到達した。 ムセの陥落でCPBは最大の収入源だった国境交易の通行税を失い、党内はコーカン族・ワ族出身の兵士達とインド系幹部の対立が激化し、ついに1989年の新年に軍事部門が指導部全員を逮捕して中国へ放逐するという事件が発生し、CPB指導部は消滅した。 その後、コーカン族・ワ族出身の兵士達は、コーカン族出身の土候であるPheung Kya-Shin(彭家聲)の指導下でワ州連合軍として再構成され、中国政府・軍も非公式にワ州連合軍への軍事援助を開始したため、老朽化した装備を更新できないビルマ政府軍を凌ぐ強力な軍事力を持つようになった。このほか、ヤン・モウ・リャン(en)が率いるコーカン族から成るミャンマー全国民主同盟軍(MNDAA, en)(2009年にミャンマー政府軍の攻撃を受けて親政府派と反政府派に分裂)、リン・ミン・シャン(en)率いる東シャン州軍(SSA-EAST, en)がビルマ共産党から分裂した。MNDAAとワ州連合軍とは友好関係にあり、ワ州連合軍が兵力を有償でMNDAAに貸与しているともされる。 ワ州連合軍は、表向きは中央政府に帰順したためビルマ政府支配下の一般社会で合法的に活動する事が許され、1988年の国軍クーデターで権力を握ったキン・ニュンを窓口に合法・非合法のビジネスで勢力を拡張し、ビルマ社会内で“赤い財閥”として台頭している。 現在は、ビルマに大規模な投資を行っている中国政府と、現在のビルマ市民の生活を支えている中国製消費財の供給ルートを握っている強みを後ろ盾にして、ワ州連合軍側は和戦両様の構えで臨んでいる。
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