唯識派・法相宗とは? わかりやすく解説

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唯識派・法相宗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 02:25 UTC 版)

心所」の記事における「唯識派・法相宗」の解説

唯識派及びその東アジア後継である法相宗では、『唯識三十頌』に則り心所心所法)を以下の全51種とする。 心所法しんじょほう、caitasika dharma, チャイタシカ・ダルマ)(51)遍行心所(へんぎょうしんじょ、sarvatraga, サルヴァトラガ)(5)作意(さい、manaskāra, マナスカーラ) 触(そく、sparśa, スパルシャ) 受(じゅ、vedanā, ヴェーダナー) 想(そう、saṃjñā, サンジュニャー) 思(し、cetanā, チェータナー) 別境心所べっきょうしんじょ、viniyata, ヴィニヤタ)(5)欲(よく、chanda, チャンダ勝解しょうげ、adhimokṣa, アディモークシャ / adhimukti、アディムクティ) 念(ねん、smti, スムリティ) 定(じょう、samādhi, サマーディ) 慧 (え、prajñā, プラジュニャー / mati, マティ善心所(ぜんしんじょ、kuśala, クシャラ)(11) 信(しん、śraddhā, シュラッダー) 精進しょうじんvīrya, ヴィーリヤ) 慚(ざん、hrī, フリー) 愧(き、apatrāpya, アパトラーピヤ) 無貪(むとん、alobha, アローバ無瞋(むしん、adveṣa, アドヴェーシャ) 無癡(むち、amoha, アモーハ) 軽安きょうあんpraśrabdhi, プラシュラブディ) 不放逸(ふほういつ、apramāda, アプラマーダ) 行捨ぎょうしゃ、upekṣa, ウペークシャー) 不害(ふがい、ahiṃsā, アヒンサー煩悩心所ぼんのうしんじょ、kleśa, クレーシャ)(6)貪(とん、rāga, ラーガ) 瞋(しん、pratigha, プラティガ) 癡(ち、mūḍhi, ムーディ / moha, モーハ) 慢(まん、māna, マーナ) 疑(ぎ、vicikitsā, ヴィチキッツァー) 悪見(あっけん、dṛṣṭi, ドリシュティ) 随煩悩心所(ずんぼんのうしんじょ、upakleśa, ウパクレーシャ)(20)小随煩悩10)忿(ふん、krodha, クローダ) 恨(こん、upanāha, ウパナーハ) 覆(ふく、mrakṣa, ムラクシャ) 悩(のう、pradāsa, プラダーサ) 嫉(しつ、īrasyā, イールシヤー) 慳(けん、mātsarya, マーツァリヤ) 誑(おう、māyā, マーヤー) 諂(てん、śāṭhya, シャーティヤ) 害(がい、vihiṃsā, ヴィヒンサー) 憍(きょう、mada, マダ) 中随煩悩(2)無慚(むざん、āhrīkya, アーフリーキヤ) 無愧(むき、anapatrāpya, アナパトラーピヤ) 大随煩悩(8)掉挙じょうこauddhatya, アウッダティヤ) 惛沈こんじん / こんぢん、styāna, スティヤーナ) 不信(ふしん、āśraddhya, アーシュラッディヤ) 懈怠(けだい、kausīdya, カウシーディヤ) 放逸ほういつpramāda, プラマーダ) 失念しつねんmuṣitasmṛtitā, ムシタスムリティター) 散乱さんらん、vikṣepa, ヴィクシェーパ) 不正知ふしょうちasaṃprajanya, アサンプラジャニヤ) 不定心所ふじょうしんじょ、aniyata, アニヤタ)(4)悔 (悪作)(げ (おさ/あくさ)、kaukṛtya, カウクリティヤ) (睡)眠((すい)めん、middha, ミッダ) 尋(じん、vitarka, ヴィタルカ) 伺(し、vicāra, ヴィチャーラ)

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唯識派・法相宗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/28 15:40 UTC 版)

心 (仏教)」の記事における「唯識派・法相宗」の解説

唯識派では、色法も識(三科参照。)が現し出したものとして、心の中に摂めている。唯識派・法相宗の『成唯識論』では、心(citta)を 眼識/cakṣur vijñāna (cakkhu viññāṇa) 耳識/śrotra vijñāna (sota viññāṇa) 鼻識/ghrāṇa vijñāna (ghāna viññāṇa) 舌識/jihvā vijñāna (jivhā viññāṇa) 身識/kāya vijñāna (kāya viññāṇa) 意識/mano vijñāna (mano viññāṇa) の「六識」ṣaḍ vijñānaに、 末那識/manas vijñāna 阿頼耶識laya vijñāna加えた八識」の8心法心王)として表現するまた、心所51挙げられている。

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唯識派・法相宗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 15:38 UTC 版)

五位」の記事における「唯識派・法相宗」の解説

一方唯識派やその東アジア後継である法相宗では、『成唯識論』に則り心法8・心所法51色法11不相応行法24無為法6の100種(五位百法)とする。 (唯識の名の通り、こちらの教学では「心」(識) の優位性詳細さを以て説かれるので、「心法」が冒頭配置され、「色法」は後順に退く格好になる。) 漢訳名は普光の『大乗百法明門論疏』に従う。 有為法ういほう、梵: saskta dharma, サンスクリタ・ダルマ)(94心法(しんほう、梵: citta dharma, チッタ・ダルマ)(8)眼識(げんしき、梵: cakṣur-vijñāna, チャクシュル・ヴィジュニャーナ) 耳識(にしき、梵: śrotra-vijñāna, シュロートラ・ヴィジュニャーナ) 鼻識(びしき、梵: ghrāṇa-vijñāna, グラーナ・ヴィジュニャーナ) 舌識(ぜっしき、梵: jihvā-vijñāna, ジフヴァー・ヴィジュニャーナ) 身識しんしき、梵: kāya-vijñāna, カーヤ・ヴィジュニャーナ)以上【五識意識(いしき、梵: mano-vijñāna, マノー・ヴィジュニャーナ) 以上【六識末那識まなしき、梵: manas, マナス阿頼耶識あらやしき、梵: ālaya-vijñāna, アーラヤ・ヴィジュニャーナ)以上【八識心所法しんじょほう、梵: caitasika dharma, チャイタシカ・ダルマ)(51)遍行心所(へんぎょうしんじょ、梵: sarvatraga, サルヴァトラガ)(5)作意(さい、梵: manaskāra, マナスカーラ) 触(そく、梵: sparśa, スパルシャ) 受(じゅ、梵: vedanā, ヴェーダナー) 想(そう、梵: saṃjñā, サンジュニャー) 思(し、梵: cetanā, チェータナー) 別境心所べっきょうしんじょ、梵: viniyata, ヴィニヤタ)(5)欲(よく、梵: chanda, チャンダ勝解しょうげ、梵: adhimokṣa, アディモークシャ) 念(ねん、梵: smti, スムリティ) 定(じょう、梵: samādhi, サマーディ) 慧(え、梵: prajñā, プラジュニャー) 善心所(ぜんしんじょ、梵: kuśala, クシャラ)(11)信(しん、梵: śraddhā, シュラッダー) 精進しょうじん、梵: vīrya, ヴィーリヤ) 慚(ざん、梵: hrī, フリー) 愧(ぎ、梵: apatrāpya, アパトラーピヤ) 無貪(むとん、梵: alobha, アローバ無瞋(むしん、梵: adveṣa, アドヴェーシャ) 無痴(むち、梵: amoha, アモーハ) 軽安きょうあん、梵: praśrabdhi, プラシュラブディ) 不放逸(ふほういつ、梵: apramāda, アプラマーダ) 行捨ぎょうしゃ、梵: upekṣa, ウペークシャー) 不害(ふがい、梵: avihiṃsā, アヴィヒンサー) 煩悩心所ぼんのうしんじょ、梵: kleśa, クレーシャ)(6)貪(とん、梵: rāga, ラーガ) 瞋(しん、梵: pratigha, プラティガ) 慢(まん、梵: māna, マーナ無明むみょう、梵: avidyā, アヴィディヤー) 疑(ぎ、梵: vicikitsā, ヴィチキッツァー) 不正見ふしょうけん、梵: dṛṣṭi, ドリシュティ) 随煩悩心所(ずいぼんのうしんじょ、梵: upakleśa, ウパクレーシャ)(20)小随煩悩(10)忿(ふん、梵: krodha, クローダ) 恨(こん、梵: upanāha, ウパナーハ) 悩(のう、梵: pradāsa, プラダーサ) 覆(ふく、梵: mrakṣa, ムラクシャ) 誑(おう、梵: māyā, マーヤー) 諂(てん、梵: śāṭhya, シャーティヤ) 憍(きょう、梵: mada, マダ) 害(がい、梵: vihiṃsā, ヴィヒンサー) 嫉(しつ、梵: īrasyā, イールシヤー) 慳(けん、梵: mātsarya, マーツァリヤ) 中随煩悩(2)無慚(むざん、梵: āhrīkya, アーフリーキヤ) 無愧(むぎ、梵: anapatrāpya, アナパトラーピヤ) 大随煩悩(8)掉挙じょうこ、梵: auddhatya, アウッダティヤ) 惛沈こんじん、梵: styāna, スティヤーナ) 不信(ふしん、梵: āśraddhya, アーシュラッディヤ) 懈怠(けだい、梵: kausīdya, カウシーディヤ) 放逸ほういつ、梵: pramāda, プラマーダ) 失念しつねん、梵: muṣitasmṛtitā, ムシタスムリティター) 心乱(しんらん、梵: vikṣepa, ヴィクシェーパ) 不正知ふしょうち、梵: asaṃprajanya, アサンプラジャニヤ) 不定心所ふじょうしんじょ、梵: aniyata, アニヤタ)(4)悪作(おさ、梵: kaukṛtya, カウクリティヤ) 睡眠すいめん、梵: middha, ミッダ) 尋(じん、梵: vitarka, ヴィタルカ) 伺(し、梵: vicāra, ヴィチャーラ) 色法しきほう、梵: rūpa dharma, ルーパ・ダルマ)(11)眼(げん、梵: cakṣus, チャクシュス) 耳(に、梵: śrotra, シュロートラ) 鼻(び、梵: ghrāṇa, グラーナ) 舌(ぜつ、梵: jihvā, ジフヴァー) 身(しん、梵: kāya, カーヤ)以上【五根】 色(しき、梵: rūpa, ルーパ) 声(しょう、梵: śabda, シャブダ) 香(こう、梵: gandha, ガンダ) 味(み、梵: rasa, ラサ) 触(そく、梵: spraṣṭavya, スプラシュタヴィヤ/梵: sparśa, スパルシャ)以上【五境法処所摂(ほうしょしょしょう、梵: dharmāyatanikāni rūpāni, ダルマーヤタニカーニ・ルーパーニ) 心不相応行法(しんふそうおうぎょうほう、梵: citta-viprayukta-saṃskāra dharma, チッタ・ヴィプラユクタ・サンスカーラ・ダルマ)(24)得(とく、梵: prāpti, プラープティ) 命根みょうこん、梵: jīvitendriya, ジーヴィテーンドリヤ) 衆同分しゅどうぶん、梵: nikāya-sabhāga, ニカーヤ・サバーガ) 異生性(いしょうしょう、梵: pṛthagjanatva, プリタグジャナトヴァ) 無想定(むそうじょう、梵: asaṃjñi-samāpatti, アサンジュニ・サマーパッティ) 滅尽定めつじんじょう、梵: nirodha-samāpatti, ニローダ・サマーパッティ) 無想事(むそうじ、梵: āsaṃjñika, アーサンジュニカ) 名身(みょうしん、梵: nāma-kāya, ナーマ・カーヤ) 句身(くしん、梵: pada-kāya, パダ・カーヤ) 文身もんしん、梵: vyañjana-kāya, ヴィヤンジャナカーヤ) 生(しょう、梵: jāti, ジャーティ) 住(じゅう、梵: sthiti, スティティ) 老(ろう、梵: jarā, ジャラー無常むじょう、梵: anityatā, アニティヤター) 流転(るてん、梵: pravṛtti, プラヴリッティ) 定異(じょうい、梵: pratiniyama, プラティニヤマ) 相応そうおう、梵: yoga, ヨーガ) 勢速(せいそく、梵: jāvanya, ジャーヴァニヤ) 次第(しだい、梵: anukrama, アヌクラマ) 方(ほう、梵: deśa, デーシャ) 時(じ、梵: kāla, カーラ) 数(しゅ、梵: saṃkhyā, サンキヤー) 和合性(わごうしょう、梵: sāmagrī, サーマグリー) 不和合性(ふわごうしょう、梵: asāmagrī, アサーマグリー) 無為法むいほう、梵: asaskta dharma, アサンスクリタ・ダルマ)(6)虚空(こくう、梵: ākāśa, アーカーシャ択滅(ちゃくめつ、梵: pratisaṃkhyā-nirodha, プラティサンキヤー・ニローダ) 非択滅(ひちゃくめつ、梵: apratisaṃkhyā-nirodha, アプラティサンキヤー・ニローダ) 不動(ふどう、梵: āniñjya, アーニンジヤ) 想受滅そうじゅめつ、梵: saṃjñā-vedayita-nirodha, サンジュニャー・ヴェーダイタ・ニローダ) 真如しんにょ、梵: tathatā, タタター) このように立場によって数や順序位置づけ異なっている。 また、実体存在認めか否かについても異なっている(唯識宗根幹にある喩伽唯識では実体認めない)。

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唯識派・法相宗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 03:35 UTC 版)

煩悩」の記事における「唯識派・法相宗」の解説

大乗仏教瑜伽行派(ゆがぎょうは)では、上記根本煩悩から派生するものとして、20種の随煩悩立てた瑜伽行派後継である東アジア法相宗もこの説に従う。

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