唯識思想の特色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/24 15:52 UTC 版)
仏教の中心教義である無常・無我を体得するために、インド古来の修行方法であるヨーガをより洗練した瑜伽行(瞑想)から得られた智を教義の面から支えた思想体系である。 心の動きを分類して、八識を立てる。とりわけ、末那識と阿頼耶識は深層心理として無意識の分野に初めて注目した。 自らと、自らが認知する外界のあり方を、三性(さんしょう)説としてまとめ、修行段階によって世界に対する認知のありようが異なることを説明した。 ヨーガを実践することによって「唯識観」という具体的な観法を教理的に組織体系化した。 『法華経』などの説く一乗は方便であるとし、誰もが成仏するわけではないことを説いた。(五性各別) 成仏までには三大阿僧祇劫(さんだいあそうぎこう)と呼ばれるとてつもない時間がかかるとした。 『般若経』の空を受けつぎながら、まず識は仮に存在するという立場に立って、自己の心のあり方を瑜伽行の実践を通して悟りに到達しようとする。
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