医学伝習所時代とは? わかりやすく解説

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医学伝習所時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/12 02:29 UTC 版)

ヨハネス・ポンペ・ファン・メーデルフォールト」の記事における「医学伝習所時代」の解説

ポンペ長崎海軍伝習所第二次派遣教官であったカッテンディーケ選任され松本良順奔走により作られ医学伝習所で、教授として日本初系統だった医学教えることになった彼の元で、明治維新初代陸軍軍医総監となった松本良順始めとして、司馬凌海岩佐純長与専斎佐藤尚中関寛斎佐々木東洋入澤恭平など、近代西洋医学定着大きな役割果たした面々学んだ1855年安政元年)に第一次海軍伝習教師団が来日し軍医ヤン・カレル・ファン・デン・ブルーク科学教えたが、この授業はまだ断片的なものであった。この時、筑前藩河野禎造は、オランダ語化学書である『舎密便覧』を著している。その後1857年安政3年)に第二次海軍伝習によりポンペ来日し松本良順奔走により医学伝習所ができ、ポンペはその土台となる基礎科学から一人教え始める。1857年11月12日のことで、長崎大学医学部はこの日を創立記念日としている。この時は長崎の西役所内で、松本良順弟子12名に初講義行った。後に学生の数が増えたため、西役所から、大村町高島秋帆邸に教室移したポンペ物理学化学解剖学生理学病理学といった医学関連科目をすべて教えた。これはポンペユトレヒト陸軍軍医学校学んだ医学そのままで、その内容臨床的かつ実学的だった。最初言葉問題大きかったが、後になると授業は8時間にも及ぶようになったまた、日本初死体解剖実習行った1859年安政6年)には人体解剖行い、このときにはシーボルトの娘・楠本イネ46名の学生参加した解剖許可される以前は、キュンストレーキという模型用いた1860年万延元年)には海軍伝習終了するが、ポンペ残ったポンペ1862年11月1日文久2年9月10日)に日本離れるまでの5年間、61に対して卒業証書出している。また教育傍ら治療行い、その数は14,530人といわれている。オランダへ戻ってからは開業し赤十字にも関与した 1857年安政4年)末には公開種痘開始した1858年安政5年)に長崎市中で蔓延したコレラ治療多大な功績挙げたまた、1861年文久元年)、長崎124ベッド持った日本初めての近代西洋医学教育病院である「小島養生所」が建立された。ポンペ診療相手身分貧富こだわらないきわめて民主的なものであった日本において民主主義的な制度初めて採り入れられたのは、医療の場であったともいえる。他にもポンペは、遊郭丸山遊女梅毒検査行っている。良順はまた西洋医学所頭取となるが、伊東玄朴失脚により、良順は奥医師リーダー存在となる。またポンペ保健衛生思想共感覚えその後新選組屯所住環境改善にそれを役立てた後年明治入って森鷗外ヨーロッパ留学中赤十字国際会議ポンペ出会い日本時代感想聞いた時、「日本でやったことは、ほとんど夢のようであった」と語っている。晩年牡蠣養殖にも手を出したといわれるポンペの噂を聞きつけた緒方洪庵が、適塾学生であった長与専斎ポンペのもとに送り込んだことからしても、その当時最新医学教育であったことがわかる。現在長崎大学医学部にはポンペ会館と良順会館設立されている。 ポンペ医学学んだユトレヒト陸軍軍医学校は、フランスによるオランダ支配当時ライデン陸軍病院付属という形でて建てられその後フランス支配終わってからも教育続けられた。ユトレヒト大学医学部との関係を築きながら教育が行われ、軍や植民地への医官養成するのだった1850年代はその最盛期で、幕末維新来日したオランダ人医師かなりの人数がここの卒業生であったまた、ユトレヒト大学化学水準高く緊密な関係にあった陸軍軍医学校経由で、日本に高いレベル化学もたらされといわれる明治8年1875年)に廃校となる。現在、この学校の建物ホテルとなっている。 ポンペ湿板写真研究についても熱心であった当時長崎ポンペについて科学勉強していた上野彦馬も共に写真研究着手した感光板必要な純度の高いアルコールには、ポンペ分けてくれたジュネパ(ジン)を使った

※この「医学伝習所時代」の解説は、「ヨハネス・ポンペ・ファン・メーデルフォールト」の解説の一部です。
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