北信濃の柱松行事とは? わかりやすく解説

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北信濃の柱松行事

名称: 北信濃の柱松行事
ふりがな きたしなののはしらまつぎょうじ
種別1: 風俗習慣
保護団体名:
選択年月日 2005.02.21(平成17.02.21)
都道府県(列記): 長野県
市区町村(列記):
代表都道府県 長野県
備考
解説文: 大きな先端御幣付け点火競う行事一般に柱松柱松行事など呼んでいるが、行事催される時期などから祖霊供養の意味をもつものと、修験道の験比べ様相を示す行事などのあることが知られている。
 この中で北信濃飯山市小菅木島平村内山南鴨などで行われている柱松行事は、例祭である祇園祭行われており、独特の様相示している。飯山市小菅柱松行事は、昭和四十一年までは毎年七月十五日に行っていたが、昭和四十三年以降三年一度開催となり、期日平成元年から七月十五日に近い日曜日となった
 また、木島平村内山では毎年七月十四日南鴨では毎年七月二十八日に近い日曜日行われている。
 小菅柱松行事を例に取ると、神仏習合時代小菅神社は、小菅山八所大権現称し祭神素戔鳴尊すさのおのみこと】、伊弉冉尊いざなみのみこと】、廣國押武金日尊【ひろくにおしたけかねひのみこと】、菊理媛尊【きくりひめのみこと】、大國魂尊【おおくにたまのみこと】、大己貴尊【おおなむちのみこと】、瓊々杵尊ににぎのみこと】、手力雄尊【たぢからおのみこと】を祀っており、氏子小菅、笹沢、前坂、針田、関沢神戸【ごうど】、小見【おみ】の七かわたった当時例祭は、社殿での祭式大聖院別当武内家が主宰し午後に行われた神輿渡御柱松行事は、神輿行事里宮神主鷲尾家が、柱松行事大聖院別当武内家が主宰した。神輿俗にお天王様呼ばれ牛頭天王ごずてんのう】すなわち素戔鳴尊祀ったのである
 現在の小菅神社例祭は、六月末の松神子【まつみこ】と保護者大祓から始まる。柱松祭り前週日曜日に、講堂呼ばれている建物前庭建てられる。この建物は、元は大聖院阿弥陀堂であった
 なお、武内氏は昭和三十年代の末に跡が途絶え、現在では里宮神主鷲尾氏がすべての行事主宰している。
 柱松丸太とし、丸太でこれを囲み付き雑木ヤマブドウ巻き締めて作る丸太雑木小菅集落用意するが、ヤマブドウ野沢温泉村前沢集落用意する。なお、以前神戸集落用意したものという。柱松大きさは、高さ約四メートル周囲約二・五メートルで、頂上漏斗状挿し込みブドウ四方張って固定する柱松は二基作り、上(東)の柱松小菅集落の人たちが、下(西)の柱松は針田、笹沢、関沢の人たちが作る
 祭り前日土曜日前年御射山みさやま神事の日に刈って保存しておいた穂先使い柱松頂上に付け点火用のマーヤ呼ばれる束を作る午後には、松神子禊ぎ水垢離みずごり】と奥社参りが行われ、松神子神職父親とともに行列組んで奥社に登って、一夜参籠する松神子二人で一〇未満男児務め希望者が子どもの無事成長祈願して生後まもなく申し込む。
 この夜、講堂前と社務所の前で獅子舞われる獅子二人一匹獅子である。ワケヨリ役を迎えて祭りが始まる。鳥居下で猿田彦注連切りの儀式が行われ、里宮獅子舞奉納後、祭り一行講堂戻り直会をする。
 祭り当日早朝松神子一行奥社下山し護摩堂ごまどう】に入る。松子役の若衆一二人が護摩堂集合し水垢離をとる。松子松神子助けて柱松行事を行う役で、かつては独身長男のみが務められる名誉の役であった
 松子上下分かれてまつさかき】作り火口【ほくち】作りを行う。十時ころ、区長氏子総代会長を先頭に、松神子加わって例祭行列護摩堂から里宮向けて出発する午後一時ころ、里宮での神事終えて祇園神輿の神幸行列里宮出て講堂脇の御旅所に向かう。この行列には松神子加わらない神輿火の見櫓下の天王石で小休止した後、御旅所安置される三時ころに柱松一行立烏帽子をかぶり赤の装束着け松神子中心に護摩堂から祭場講堂前広場に向かう。祭場に着くと太鼓合図マーヤ次々と柱松取り付けられる山姥(仲取)一人松神子二人松子六人講堂前に整列し太鼓役の打つ太鼓合わせ火打箱付けた松神子抱えて松子柱松登り点火競う点火後、松神子下ろし十王堂休石まで背負って走り到着競う
 上が勝てば天下泰平、下が勝てば五穀豊穣占いマーヤは虫除け呪い参加者競って持ち去る
 柱松が終わると、神輿里宮還御し、祭り一行護摩堂戻って直会行い祭り終了する



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