創作理念とは? わかりやすく解説

創作理念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 17:07 UTC 版)

ホラチウ・ラドゥレスク」の記事における「創作理念」の解説

作品リスト開始直後の「ピアノソナタ第1番奈落へのゆりかご作品6」ですでに等拍リズム採用し聞きにくい共鳴和音を使うなどの個性後年作風にも共通するものの、本格的な作風開花ダルムシュタット夏期講習会への参加の後、その地でカールハインツ・シュトックハウゼンの「シュティムング」を聞き衝撃受けてからになる。高次倍音揺らめき興味覚えた彼は「チェロアンサンブルのためのクレド 作品9」で現実にはない「擬似基音」から第四十倍音までを算出してチェロ高音域に漂わせて、最初期個性確立したその後ピアノ変則調弦極端な特殊奏法連続微視的な音響追求した9つ弦楽四重奏のために書かれた「弦楽四重奏曲第4番 作品33」では、フィボナッチ数列比をオクターブ厳格に適用して単純な四分音とは全く異なった微分音探ってゆく。音程にのみではなくリズム楽器法全体構成にまでフィボナッチ比が完璧に及んでいるために、素材全体比率締め付けられている印象も高い。一方でチェロ独奏のための「ほかの 作品49」では、一切難解な操作排して高次倍音を生のままで聞かせる倍音のみでアラビア語圏インドのような歌謡性を提示する辺りに、非西洋文化への偏愛読み取れる。 ラドゥレスクの個人語法は「情事 作品43」にて比類ない水準完成した40分以上の切れ目ない持続の中で、同じ音色楽器法組み合わせ重複されることなく万華鏡のように倍音成分次々と入れ替わる技法は、本作以降継続するクラリネット重奏のための「主観的時間 作品42」ではクラリネットパートはほぼ単一音名セント単位微分音細かくまとわりつくさまを正確に記譜しており、聞き込むうちにクラリネット特有の倍音構成から耳障りな差音聞こえてくる。この耳障りなノイズ前衛世代のようにストレートに輩出するのではなく理論的算出から自然と聞こえてくるのを好んでいる。フルート・オーケストラやサックス・オーケストラのための作品でも通常とは違う微分音追求は変わらなかった。この点に、師のニクレスクのように四分音こだわり続け態度とは差異見られるオーボエ・ダモーレピアノのための「アニマエ・モルテ・カレント 作品85」では「運指八分音、アンブシュア八段階なのだから、理論的に64分の1音が可能だろう」という極論至っており、ほとんど知覚できないくらいのセント比をうろつくオーボエ変則調弦ピアノが絡む。 これらの創作姿勢オリヴィエ・メシアン絶賛し、それがきっかけ長らくフランスに留まって仕事をしていた。1980年代にはグランドピアノを横に倒して様々な角度から引っかいたピアノの弦の音色マイクピックアップして楽器混ぜる「サウンド・イコン」を考案した。「アンゴロ・ディヴィノ 作品87」はおそらく彼の理論的追求の最も深い部分を味わうことができる秀作である。電子メディア用いる際にも、必ず生楽器なんらかの形で増幅するなど、晩年ルイジ・ノーノのようにピュア電子音一切使われることはない。現代音楽流行を追うのではなく古代音楽理論探っていくかのような探求新し音響につながる音楽世界でもほとんど例を見ない。 「サウンド・プラズマ~未来からの兆し音楽~」は自身作曲理論書としてエディション・モデルンより出版されていたが、正規テクストの上本人鉛筆落書きがあるなど、単純な読み物としても楽しめる構成になっており、話題に事欠かなかった。

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創作理念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 16:23 UTC 版)

湯浅譲二」の記事における「創作理念」の解説

湯浅が自らの音楽を語る言葉として、次の文句良く引き合い出される。「私にとって音楽とは、音響エネルギー体空間的時間的推移である」。これはつまり音楽をその音響現象中に見られるエネルギー力学的運動として捉えることにより、その音楽語り口(ナラティヴィティ)を見出そうというものである。このことによって湯浅ジャンル様式地域性などを超えたほとんどの音楽がこの言葉によって説明できるとしている。 もう一つ重要な言葉として、「コスモロジー」という言葉湯浅多用している。これは個々人間が持つ個人性その人歩んできた歴史背景学習経験してきた事柄、さらに地域性民族性時代性などを包括する言葉である。これによって個々作曲家には個性反映され作曲家独自のメッセージ生まれると湯浅解説している。 題名多用されるプロジェクション」という言葉は、サルトル言葉投企(プロジェprojet)」に基づくものである

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