創作競技
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 02:56 UTC 版)
創作競技には公式なものと非公式なものがある。公式な創作競技では、各プロブレムは審査されてから公開されるが、非公式な創作競技ではまず公開されたものを対象に審査を行なう。非公式な創作競技は、よくプロブレム専門誌やプロブレムのセクションのある雑誌で開催される。ある年度にその雑誌に掲載された全プロブレムを審査の対象とするのが普通である。公式競技は、特別なイベントや人物を記念して開催されることが多い。FIDEのプロブレム創作常置委員会が開催する世界チェス創作競技会(World Chess Composing Tournament:WCCT)は国別のチームによる公式競技会である。 公式・非公式を問わず競技会では、通常プロブレムのある特定のジャンル(たとえば、2手問題、n手問題、ヘルプメイト)が指定される。さらに付加的な制限(たとえば、パトロールチェスのプロブレム、ラツニのテーマを表現したプロブレム、使用駒数が8駒以下のプロブレム)が課されることもある。通常、表彰は3段階のクラスで行なわれる。上からprize(優秀賞)、honourable mention(佳作)、commendation(準佳作)である。審査員は、そのクラスに値すると思えばいくつのプロブレムに賞を与えてもよい。当然、該当作なしのこともある。同じクラス内の作品には差をつけることもあるし、つけないこともある。 賞が発表された後、受賞作に先例がある(すなわち、同一または類似のプロブレムが過去に発表されている)こと、あるいは不完全である(すなわち、別解があるか解がない)ことを主張する期間(通常は約3か月)を置く。有効な主張があれば、受賞が取り消されることがある。この期間を過ぎて始めて賞は確定する。その後にプロブレムが公表される場合には、受けた賞を示すことが普通である。
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