作品33とは? わかりやすく解説

作品33

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 16:51 UTC 版)

音の絵」の記事における「作品33」の解説

1911年作曲初版1914年ライプツィヒにおいてグートハイル社によって行われたが、各曲分冊されて出版された。広告から、当初は以下の9曲を含む予定であったことが知られている。全体的に超絶的な技巧を必要とするエチュード。しかし実際に出版されたのは、第1曲、第2曲、第6曲第7曲第8曲第9曲の計6曲のみであった第4番は作品33に収録することを見合わせて、後に作品39第6曲として発表されたため、事実上欠番となっている。第3曲と第5曲発表禁止とされたが、作曲者死後の1947年ロシア発見され1948年モスクワ国営出版局より出版された。作品33の初の全曲出版は、1969年ブージー&ホークス社によって行われ曲順元に戻された。 第1曲 ヘ短調 アレグロ・ノン・トロッポ 手の交替シンコペーション練習曲ショパンの《練習曲 作品25-4》に似たところがあり、ラフマニノフは「ショパンのその曲を弾きながら第1番作曲した」と冗談半分述べたことがある開始旋律は《ピアノ協奏曲 第3番第1楽章歌い出し共通する。曲中を通じて頻繁な拍子変更目立っており、2/43/44/4、5/4、3/2うつろう。 第2曲 (ハ長調アレグロ 作曲者本人好んで演奏した作品一つRCAへの録音集の中に実在する)《前奏曲 嬰ト短調作品32-12と同じくトロイカ連想させる装飾音型が一貫して鳴り響く中、旋律聞こえてくる。調号書かれていないために、一般にハ長調呼ばれているが、実際に変イ長調ハ短調などに転調している部分がむしろ主で、ハ長調主和音最終小節まで登場しない冒頭第三音を欠いたC-G空虚五度)。最終小節限って作曲者本人ペダリング記されている。 第3曲 ハ短調 グラーヴェ 遺作 二部形式で、葬送行進曲風の前半と、長調転じアルペジオ乗って右手主題奏でる後半からなる。後に《ピアノ協奏曲 第4番》の第2楽章引用された。 第5曲 ニ短調 モデラート 遺作 4分の3拍子と4分の4拍子頻繁に交代する右手3度多用する第6曲 変ホ短調 ノン・アレグロ 両手交叉左手跳躍練習曲初版では第3曲として発表された。ノン・アレグロと指定された2小節導入部経てプレスト主部に入る。右手が9連符による無窮動的な装飾音型を奏でる中、左手鍵盤左右飛び回って旋律伴奏担当していく。曲想は、《ピアノ協奏曲 第3番第2楽章中間部急速なワルツ変化する箇所)に似ていなくもない。 第7曲 変ホ長調 アレグロ・コン・フォーコ 初版では第4曲。ラフマニノフ本人レスピーギ明かしたところによると、「市場情景」であるといい、そのような愛称呼ばれることもある。雄叫び上げ開始3度ファンファーレと、和音粗野な交替によって、陽気で力強い雰囲気醸し出している。中間部は、非常に広い音域跳躍する和音によって演奏者大問題を突き付けており、その音型を正しテンポ演奏することは困難を極める力強さ正確さ持久力リズム統制デュナーミク響きバランス要求される練習曲第8曲 ト短調 モデラート 初版では第5曲感傷交えた憂鬱な旋律知られる右手には、「ブラームスの6」と呼ばれる房状和音並行を、切らず滑らかに演奏するための練習曲左手には広い音域に跨るアルペッジョ練習曲両手旋律伴奏音型の受け渡しをする箇所があり、そこでも滑らかで自然な動作要求されている。その課題造作なく実践することがこの作品難点となっている。後半終結部に、同じ調性作曲されショパンの《バラード第1番》を意識した思しきカデンツァ含まれている。 第9曲 嬰ハ短調 グラーヴェ 初版では第6曲として発表された。稲妻遠雷描写したのような楽曲で、ラフマニノフには珍しく息の長い旋律よりもリズミカルな和音交替特徴的である。右手和音連打左手首の柔軟さ両手ユニゾン練習曲重々しい付点リズムに始まる。左手が広い音域移動しながら、急速な(2オクターブわたる)アルペッジョさまざまな音程を掴むことを要求されており、否応なくスクリャービン書法連想させずにおかない

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