人民元の国際化とSDR構成通貨とは? わかりやすく解説

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人民元の国際化とSDR構成通貨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/05 21:51 UTC 版)

人民元」の記事における「人民元の国際化とSDR構成通貨」の解説

詳細は「:en:Internationalization of the renminbi」を参照 世界第2位経済規模となった中国は、2015年人民元決済広げようとする動き見せ始めた2015年11月に、国際通貨基金(IMF)は、5年1度の「特別引出権Special Drawing RightSDR)」の構成通貨見直し時期迎えた。 「特別引出権」とはIMF加盟国出資に応じて割り当てられ通貨危機などの緊急時引き換えて外貨引き出せ仕組みである。2015年10月までの時点では、米ドル日本円ユーロ英ポンド相場価値が決まるが、人民元がこれに加われば人民元通貨としての信用高まり同時に元の国際化にも弾みがつく中国は、2010年特別引出権検討の際に、人民元構成から見送られ経緯があり、これに向けて総力挙げてきた。 まず2015年8月中国は元の対米ドル基準値前日終値重視して決めるように制度変更し、人民元実質的な切り下げ行った同年9月李克強首相は、大連での国際会議で「中国特別引出権構成通貨への加入望んでいる。これは人民元徐々に国際化するためだけでなく、発展途上国大国として担うべき国際的責任を果たすためである。」と述べた。 これに対してイギリスフランス財務担当閣僚相次いで北京入りし、人民元特別引出権構成通貨入りへの支持表明した。IMFも上述制度変更を「中国基準満たすための必要なステップを踏むことが、最も重要だ」として評価した。これに対して日本アメリカ合衆国は慎重姿勢であり、特に2015年人民元切り下げに関してルー財務長官は、米紙への寄稿で「最近為替政策急激な変更で、人民元対米ドルで3パーセント下落し世界の金融市場混乱招いた」としてクギ刺し日本の麻太郎財務大臣金融担当大臣会見で「人民元国際通貨になることは決し悪くない」としつつ「突然、政府介入するというようなことをやっている間は、大丈夫かということになる」と苦言呈した2015年10月27日朝日新聞夕刊報道によると、IMF関係者同年同月26日、「一連の中国当局による人民元自由化動きポジティブだ。最終判断理事会で決まるが、採用方向になるだろう」と話したとされる。IMF報道官も、「意思決定はされていない」としつつ、「スタッフが来月の理事会向けた報告書最終調整をしている」とコメントしたともされ特別引出権構成通貨人民元採用される見通しとなった報じた。 この背景には、かつての中国抱えていた、為替レート金利資本取引を巡る規制多さという問題解消あげられる2015年10月23日預金金利の上規則撤廃する発表し、完全自由化目指していることを国際社会改革姿勢アピールしたことなどが評価されとされる欧州などが賛成する中、米国ルー財務長官支持回り日本の麻財務相容認に傾いた。11月13日IMFは、人民元SDRへの採用を妥当とした報告書理事会提出した中国人民銀行は翌11月14日に、「SDR人民元加わればSDR魅力高まり世界中国双方利益になる」との談話発表した11月30日のIMF理事会SDR採用決定関係筋全会一致としており、かつて慎重派だった日米政府歓迎表明した11月30日、IMF理事会2016年10月からのSDR構成通貨に、人民元加えることを正式に決めたSDR価値計算する際の構成比については、米ドル41.73パーセントユーロ30.93パーセント人民元10.92パーセント日本円8.33パーセント英ポンド8.09パーセントとした。SDR市場取引されているものではなく実際為替市場への影響少ないと見られている。 ラガルド専務理事同日、「世界金融システム中国経済融合する上で重要な一里塚だ」と指摘した中国過去数年金融改革評価したうえで、さらなる改革求めた今回決定象徴的な意味合い大きいが、IMFから「お墨付き」が得られたことで、人民元利用広がる可能性がある。SDR構成通貨入り条件としては、その通貨を持つ国や地域の「輸出額の大きさ」と「通貨自由に取引できるかどうか」の2つ判断基準である。 世界最大貿易額を誇る中国は「輸出額」の条件5年前クリアしており、取引自由度についても、今回見直し期に基準満たした判断された。ただ、中国投資目的などでは国境越えた人民元やり取りを現在でも規制しており、完全に自由に使える通貨とは言えない面もある。 構成比に関してドルユーロに次ぐ第3通貨地位認められたのは、IMFが輸出規模各国が持つ外貨準備加え為替市場での取引額なども考慮したからである。貿易などで使われる割合順位で、人民元急上昇している。銀行間のネットワーク運営する国際銀行間通信協会SWIFT)によると、人民元2010年割合順位35位であり、割合もわずか0.03パーセントにすぎなかったのが、2015年8月になると順位にして4位、割合にして2パーセントとなっていた。 中国人民銀行2015年12月23日人民元の国際化加速させる目的で、人民元取引増えているヨーロッパ金融機関配慮して2016年1月4日より、人民元取引時間それまで7時間から14時間に倍増させると、発表した上海での外国為替市場での人民元取引の終了時間は、それまで午後4時であったが、午後11時半繰り下げるとした。

※この「人民元の国際化とSDR構成通貨」の解説は、「人民元」の解説の一部です。
「人民元の国際化とSDR構成通貨」を含む「人民元」の記事については、「人民元」の概要を参照ください。

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