かわせ‐しじょう〔かはせシヂヤウ〕【為‐替市場】
読み方:かわせしじょう
「外国為替市場」の略。
外国為替市場
外国為替 |
---|
歴史的協定 |
金融市場 |
---|
債券市場 |
債券評価 コーポレート債 確定利付債 国債と地方債 ハイイールド債 |
株式市場 |
普通株式 優先株式 記名式株式 株式 - 株券 株式取引所 議決権付き株式 |
デリバティブ市場 |
クレジットデリバティブ 先物取引所 ハイブリッド証券 証券化 |
店頭取引 |
先物取引 オプション取引 スワップ取引 スポット取引 |
外国為替 |
通貨 - 為替レート |
他の市場 |
商品市場 短期金融市場 再保険市場 不動産市場 |
取引業務 |
清算機関 金融市場参加者 金融規制 |
金融関連項目 |
銀行と銀行業務 コーポレート・ファイナンス 個人ファイナンス 財政 |
カテゴリ |
外国為替市場(がいこくかわせしじょう、英: foreign exchange market)とは、外国為替取引が行われる場の総称。外為市場(がいためしじょう)と略称することもある。
概要
広義に解釈すれば外国為替銀行としての対顧客市場も含まれるが、一般にはより狭義に為替銀行間取引が行われる場を指す。為替銀行の顧客には、商品の輸出入を行う貿易業者を中心に、運賃、保険料、利子・配当金、海外旅行費用などの経常的経済取引や、対外証券投資、対外直接投資、対外貸付け・借入れなど資本取引を行う者がある。外国貨幣の交換を行う両替商も為替銀行の顧客である。為替銀行は、こうした対顧客取引によって生じた外国為替の持高や資金の過不足を調整するため、相互に外国為替の売買を行う。この為替銀行間の取引を銀行間取引といい、その市場を銀行間市場(インターバンク市場)という。銀行間市場における取引には、外国為替ブローカー経由で行われるものと、為替銀行が相互に直接取引を行う直取引とがあるが、後者は相互に満足する出合いが限られるため、外国為替ブローカー経由取引が圧倒的に多い。銀行間取引は、一地域の市場内にとどまらず、広く他の地域あるいは外国の市場においても本支店または外国の取引銀行を通じて活発に行われる。銀行間市場には、政府・中央銀行も参加する。これは、特定の政策目的をもって為替相場に影響を与えるために行われ、この取引は為替介入と呼ばれる。
銀行間取引を大別すると、スポット取引(直物取引)、先物取引、スワップ取引に分かれる。スポット取引(直物取引)は、取引の対価の受渡しが原則として取引日の翌々営業日(2営業日目)に行われるものである。先物取引は、対価の受渡しが将来の特定日に行われる取引であるが、通常直物取引の受渡し日を基準にして1か月や6か月などの月単位で区切った確定日を受渡し日としている(順月確定日渡し条件)。スワップ取引は、直物取引とその反対方向の先物取引、または受渡し日が異なる相互に反対方向の二つの先物取引を同時に同額、同一の相手方と行うものである。
銀行間市場で成り立つ為替相場は、為替銀行の対顧客相場の基準となるが、貿易業者などはこの対顧客相場をいわば与件としてさまざまな対外取引を行い、そこから生じた外国為替の需給が再び銀行間相場に反映される。銀行間市場は、当事者が毎日特定の場所に集合して外国為替の売買を行う取引所がある場合(ドイツ、イタリア、フランスなど)と、電話・ファックス・電子的媒体(コンピューター回線など)で個々に行う取引を総合した抽象的な場を指す場合(ニューヨーク、ロンドン、東京など)に分かれる。取引所がある国々の銀行間市場でも、取引所取引以外の銀行間取引が活発に行われている。取引所取引で成立する為替相場は、通常為替銀行の小口の対顧客取引の基準相場となる。
このように、証券取引所のような具体的な取引所は存在せず、時間の経過とともに、取引の中心となる市場が移り変わっていくことから、「眠らない市場」とも呼ばれる[1]。
世界での取引規模
国際決済銀行(BIS)は、2022年に1日当たりの外国為替の取引額の統計を公表している[2]。国別では、1日当たりの為替取引が最も大きいのはイギリスであり、3兆7550億ドルと世界の38.1%を占めており、首都ロンドンが世界の為替取引をリードしていると言える。通貨別の1日当たり為替取引額ではアメリカドルが6兆6410億ドルであり、圧倒的な取引量を誇っている。上位10か国・10通貨は以下の通りである。
順位 | 国 | 取引額 | 世界シェア |
---|---|---|---|
1 | イギリス | 3兆7550億ドル | 38.1% |
2 | アメリカ | 1兆9120億ドル | 19.4% |
3 | シンガポール | 9290億ドル | 9.4% |
4 | 香港 | 6940億ドル | 7.1% |
5 | 日本 | 4330億ドル | 4.4% |
6 | スイス | 3500億ドル | 3.6% |
7 | フランス | 2140億ドル | 2.2% |
8 | ドイツ | 1840億ドル | 1.9% |
9 | カナダ | 1720億ドル | 1.7% |
10 | 中国 | 1530億ドル | 1.6% |
順位 | 通貨 | 取引額 | 世界シェア |
---|---|---|---|
1 | アメリカドル | 6兆6410億ドル | 88.5% |
2 | ユーロ | 2兆2930億ドル | 30.5% |
3 | 日本円 | 1兆2530億ドル | 16.7% |
4 | イギリスポンド | 9690億ドル | 12.9% |
5 | 人民元 | 5260億ドル | 7.0% |
6 | オーストラリアドル | 4790億ドル | 6.4% |
7 | カナダドル | 4660億ドル | 6.2% |
8 | スイスフラン | 3900億ドル | 5.2% |
9 | 香港ドル | 1940億ドル | 2.4% |
10 | シンガポールドル | 1830億ドル | 2.2% |
脚注
出典
- ^ “眠らない市場~外国為替市場の『朝』~”. お金の見通しラボ. 東京スター銀行 (2018年11月1日). 2021年2月12日閲覧。
- ^ 国際決済銀行の統計 2022年12月1日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 外国為替及び外国貿易法 - e-Gov法令検索
- 金融先物取引法(廃) - ウェイバックマシン(2000年12月5日アーカイブ分) - 法庫
「為替市場」の例文・使い方・用例・文例
- 不法ノミ行為は、競馬やプロスポーツ賭博に限らず、毎日の株式や為替市場でも存在し得る。
- この三日間、外国為替市場は軟調で推移している。
- 財政当局は、現在変動が激しい外国為替市場を安定させるためインターベンションを実施することを決定した。
- 外国為替レートってどのように表すの?外国為替市場では、米ドルを中心に表示されます。
- きのうの東京外国為替市場でドルが円に対して値下がりし, 一時は史上最低の 98 円となった.
- (銀行が)発表する為替市場の価格
- 為替平衡資金という,為替市場安定のための資金
- スムージングオペレーションという,中央銀行の外国為替市場への介入
為替市場と同じ種類の言葉
「為替市場」に関係したコラム
-
金取引には、現物取引と先物取引の2つの取引があります。金の現物取引は、ロンドン金市場で1日に2回取引が行われ、価格が決定されます。これをフィキシングプライスといいます。一方、金の先物市場は、ニューヨー...
-
FX(外国為替証拠金取引)の仲値とは、銀行などの金融機関が、顧客との取引の際に用いる為替レートのことです。仲値は、TTM(Telegraphic Transfer Middle Rate)とも呼ばれま...
FXのチャート分析ソフトMT4で表示できる通貨ペア以外のレートは
FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)では、外国為替市場で取引される通貨ペア以外のチャートも表示できます。以下はそのリストです。なお、MT4のダウンロード先...
-
ロンドンフィキシング(London Fixing)とは、マーケットメイカーがイギリスのロコ・ロンドン金市場で金の値決めをすることです。ロコ・ロンドン金市場は、世界各国のマーケットメイカーの集まる最大級...
-
FX(外国為替証拠金取引)のくりっく365とは、株式会社東京金融取引所(金融取)の運営するFX(外国為替証拠金取引)の名称です。くりっく365は、2005年7月から取引が開始されました。くりっく365...
-
CFDで取り扱うコモディティは、エネルギー、貴金属、農産物の3つに大別できます。CFDのエネルギーには、原油や天然ガス、ガソリンなどの銘柄があります。WTI原油先物もそのうちの1つで、外国為替市場や証...
- 為替市場のページへのリンク