通貨スワップ
通貨スワップとは、通貨スワップの意味
通貨スワップとは、デリバティブ取引の1つで、取引相手と一定期間の合意のもとに、異なる通貨間の元本と金利をあわせて交換することである。簡単にいうと、海外資金を調達する際に用いられる手法である。英語ではcross currency swap(クロスカレンシースワップ)と表現する。外貨を利用する場合は、その国の銀行から借り入れるのが一般的だが、金利が高くなるため借り入れがしづらい状況にある。通貨スワップでは、金利を安く抑えることができるというメリットがある。ただし、為替相場の変動によるリスクがあるため、デリバティブ商品と組み合わせるなどしてリスクヘッジすることが多い。
ちなみに、各国の中央銀行が結ぶ通貨スワップ協定とは、自国が通貨危機に陥った際に、協定を結んだ相手国の通貨を自国の通貨の預け入れと引き換えに、あらかじめ定められたレートで融通する条約のことである。
通貨スワップ(つうかすわっぷ)
外国為替相場において、自国の通貨の暴落というような緊急事態が発生したとき、あらかじめ協定を結んだ相手国との間で、自国通貨と引き換えに相手国の通貨を融通してもらうことをいう。
各国の中央銀行は、外国為替市場の安定を図るために、外国の通貨をもっていることが多い。例えば、日本銀行の場合、急激な円安という緊急事態が起これば、手持ちのドルを売って円を買い上げ、行き過ぎた為替相場の暴走に一定の歯止めをかけることができる。
しかし、ある程度の外貨を持っていないと市場介入の効果がないので、あらかじめ協定を結んでおき、必要なときに融通し合えばよい。
タイの通貨「バーツ」の暴落に始まった1997年のアジア通貨危機を教訓に、2000年5月にチェンマイで通貨スワップに関する合意ができた。この「チェンマイ・イニシアティブ」には、ASEAN加盟国と中国、韓国、日本の東アジア経済圏で互いの通貨スワップ協定を広げていくことが盛り込まれている。
日本は、すでに韓国、タイ、フィリピン、マレーシアとの間で個別に通貨スワップ協定を締結している。今回、中国が加わったことで、5か国目の協定締結となった。
(2002.04.02更新)
通貨スワップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 17:06 UTC 版)
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外国為替 |
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歴史的協定 |
通貨スワップ(つうかスワップ、英: Cross Currency Swap)とは、異なる通貨の金利および元本を交換するスワップ取引のこと。デリバティブ取引の一種。[1][2][3]
複数の中央銀行間で結ばれる通貨スワップ協定(特定の場合に協定参加国の通貨を融通しあう協定)とは異なる概念。名前が似ているが、為替スワップとも異なる。
概要
海外通貨を調達する際に行われる。外貨を必要とするある企業が、資金をその外国の銀行から借り入れたり、外貨建債券を発行して調達したりする場合、自国内で借り入れるより金利が高くなるのが通例である。これは外国企業は国内企業より与信管理が困難で、貸付のリスクが高いためである。
例えば現在、1USドル = 100円であるとする。ある日本企業A社が1億ドルを必要としているが、米国でドルを借り入れると外国企業扱いされ、金利は5%である。同様に、100億円の日本円が必要なアメリカ企業のB社がある。日本で円を借り入れると外国企業扱いされ、金利が5%である。そこでA社とB社はC銀行の仲介で、以下の取引を行う。
- 日本のA社は日本国内で、期間を定め、国内金利の2%で100億円を調達する。同様に米国のB社は、アメリカの安い国内金利で1億ドルを調達する。
- A社は、C銀行のB社口座に100億円を入金し、B社は、C銀行のA社口座に1億ドルを入金する。これでA社とB社は、割安な国内金利でそれぞれ必要な外貨を調達できた。
- 契約終了時点には、A社とB社はふたたび資金を交換し、借り入れた先に返済する。
契約終了時点の円/ドル交換レートはその時の相場によるため、契約期間中の為替の変動からリスクが発生するが、これはオプション取引などのデリバティブを組み合わせてヘッジする。難しいのはこの部分で、ヘッジの設計に高度な金融技術が必要なうえ、個別の状況に合わせるため契約の形態は取引ごとに異なる。そのため標準化が困難で先物取引やオプション取引のように常設の取引市場が存在しておらず、通貨スワップはデリバティブの組成技術を持った金融機関から店頭取引で提供されている。
クーポン・スワップ
通貨スワップは金利と元本の両方を交換するが、元本を交換せずに金利だけ交換するのをクーポン・スワップ(英: coupon swap)という。
脚注
関連項目
通貨スワップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/09 09:34 UTC 版)
円とドルなど、異なる通貨のキャッシュ・フローを交換する取引をいう。外貨建債権・債務の為替リスクのヘッジなどを目的として行われる。通常は、金利の交換のみならず、取引の開始及び終了時点で元本の交換も行われるが、元本の交換を伴わない通貨スワップを特にクーポン・スワップと呼ぶ。
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