人民元と計画経済
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:42 UTC 版)
「中国の貨幣制度史」の記事における「人民元と計画経済」の解説
中華人民共和国の成立により、中国人民銀行幣(人民元)を通貨として社会主義体制のもとで計画経済が始まった。国民党系の資本は国有化され、基本通貨は人民元に統一された。続く1万分の1のデノミネーションで通貨は安定し、民間金融機関は公有化が進んで人民銀行に統合された。賃金は高インフレーションの影響もあって一部が現物支給のかたちで始まり、やがて現物給は賃金制度に統一されて賃金総額や所得分配が管理された。 価格や流通は政府によって決定され、買い物の際には通貨とともに配給切符を出す必要があった。配給切符は職場で配布されており、自転車や家電など当時希少な物品は切符が少なかった。価格統制は鄧小平の改革開放から緩和され、市場で決定される割合が増えていった。最後の配給切符である糧票(中国語版)と呼ばれる食糧切符も廃止され、価格と流通の自由化が成立した。工業化をすすめるにあたって大型工業設備の導入に外貨が必要となり、国外からの直接投資や融資を受けることが改革開放政策の一因でもあった。
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